表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Change!  作者: ヨシカズ
3/3

3話

短いです

 姉か妹がいるやつにしか分からないかもしれないが、ほとんどの場合、姉や妹がどんなに可愛くても巨乳でもまぁとにもかくにも、恋愛感情を覚えることはないハズだ。

 ないはず、なのだが…


「なんか急にかっこよくなった気がするよ」


 なんてことを俺の姉がゼロ距離からささやきかけてくる。

 ああ!お姉さま!胸が!胸があたっております!!

 姉では興奮しないという絶対条件があるはずなのに、俺の理性はノーアウト満塁。最初からクライマックスである。

 落ち着くために素数を数えようとしたとき、またホップアップが浮かんだ。


 1、俺…実は紗季のこと…


 2、早くしてくれよ、キス


 3、ごめん!冗談だよ!


 お、今回はまともなのがひとつあるじゃないか。


「ごめん!冗談だよ!」


 セリフに加えて手を合わせて頭を下げる自然な演技。ナイス俺。

 これで解放される…と思ったのだが、紗季はゼロ距離から更に距離を詰めてもはやマイナス状態。ジト目で俺を睨む。


「ご、ごめんって」


「むー…わかったよ」


 ほっ。やっと離れてくれた。


「……と見せかけて、にゃー!!」


 じゃれ合おうとして飛びかかる猫よろしく、俺に飛びついてきた。

 俺が下、紗季が上という普通は逆の体勢だ。

 紗季の柔らかい体が俺の腹の上に乗っている状態。

 絶対条件があるにもかかわらず、普段“女”と意識できない姉を“女”と意識してしまう。

 こんな状況にもかかわらず冷静に分析している俺だが、体中の汗腺がばかになったんじゃないかってくらい汗をかいていた。

 焦っているわけでも、照れているわけでもない。

 それはこの冷たいてが証明している。体温が1度くらい下がったような錯覚がする。めまいがする。


「なっちゃん?」


「あ、あぁ、ごめん。ちょっと熱中症っぽいんだ」


 そう言うと、紗季は無表情になってすっと俺の上から降りて、台所に向かったようだった。


「真夏、ほら部屋で寝たほうがいいよ」


 ミネラルウォーターを脇に挟んで、肩を貸してくれた。

 ありがと、と口の中で小さくつぶやく。


「夕御飯どうする?お粥でも作ろうか?」


「今日はいいや。ありがとう」


「何かあったら呼ぶこと!」


「はいはい、ありがとね」


 優しさに自然と笑みが浮かんだ。

 紗季が俺のことを名前で呼んだときは、本気で心配してくれてる時だと俺はわかっている。

 ほわほわしているが、いざとなる時は頼りになる姉なのだ。






 さて、昔の話をしようか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ