表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

4 ルメラ

「ヤーオイ導師。質問があります。」

「はい、なんでしょう。ルメラちゃん。」

ヤーオイ導師は、私の事をちゃん付けで呼ぶ。同い年位なのに、なんか変な感じだ。

私は人見知りなので、余り人とは馴染めない。でも、ヤーオイ導師には結構、話掛ける事が出来ている。

親しみやすい、優しそうな笑顔は何となく安心感がある。

絶対大声は上げないし、何時もゆっくりしゃべるヤーオイ導師は、若しかして私のことを子供のように思っているのかも知れない。

「ヤーオイ導師は、何処で魔法を覚えたのですか?」

導師は困ったような顔をして、

「魔法は使えないと思うのだけど、いつの間にか使っているみたいですね。」

よく分らない答えだ。要するに、自然と使えていると言う事だろう。天才か!

ヤーオイ導師の授業は奇天烈だ。

折り紙という不思議な折り方をする魔法だ。

私はまだこの魔法はマスター出来ていないが、ヤーオイ導師には、

「上手に折れています。もう少し折り目を正確にして、端と端をきちんとそろえましょうね。」

と指導してくれる。褒められるとやる気が出る。

この間上手に折れたので、導師に見せに行ったら、

「うまく出来ましたね。では、ここに息を吹きかけて飛ばしてみましょう。」

何言っているのか分らない。言われるままに息を吹きかけると折り紙の鳥がパタパタと飛び出した。

私はビックリしてしまった。

こんなに簡単に、繊細な魔法ができてしまった。目が点になって、そこに佇んだ。

「ほら、飛んだ。綺麗に丁寧に折れたから、でも右側に偏って飛んでいますね。もう一度隅まで綺麗に織り込んでみたら、もっと良く飛びますよ。」

私は、尊敬のまなざしでヤーオイ導師。を見つめた。

何という、素晴らしい教師だろう。今までどんなにか他の先生に叱られたことだろう。

その度に萎縮して、出来ていたものが段々出来なくなっていった。先生もさじを投げ、これ以上の指導は必要ないと魔法学校を出されたのだ。

最初は優秀だと褒められていたのに。お情けで卒業させて貰った。


今度は箸を上手に使う訓練だ。

私はやる気に満ちている。箸を持つのは簡単にできたが、お皿に入れた、豆を掴むのはなかなか大変だ。

やっと1つ掴めたと思ったらコロンと落ちてしまう。

でも、負けない。これをクリアーすれば、また素晴らしい魔法になるかも知れない。

でもこれはどんな魔法が使えるようになるのだろう?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ