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絶望の底から  作者: 夜桜るーな
第1章 新しい風
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ep.5 屋上にて

あれから午後の授業を終えた俺は好きなアーティストの新曲配信があるために早めに帰宅の準備をしているところだった。


[早瀬くん、この後お時間ってありますか?]


西園寺が上目遣いで聞いてきた。いや、可愛すぎだろ。


[まあ好きなアーティストの新曲を聞こうと思ってたけどどうしたの?大事な話?]


と尋ねるとニコニコしていた西園寺さんの表情が真剣なものにかわった。


[はい、とっても大事なお話です。]


[わかった、ちなみにどこで話すの?]


[屋上でよろしいですか?ここの屋上は空いてるって聞いたし、放課後は部活動で来る人もいないと思うので]


元々、うちの学校の屋上はタバコを吸うために教師だけの利用となっていたが、生徒にもストレスがあるだろうからリフレッシュの場として使ってもいいということで一般的に開放されている。それから、帰りのHRを終えて俺は先に屋上に向かった西園寺さんの後を追いかけるように屋上に行った。


[ごめん遅くなった]


[いえ、それほど待っていないので]


屋上のドアを開けると西園寺さんはベンチに腰を下ろして待っていた。


[話は長くなるので私の隣どうぞ]


[ありがとう]


と言いながら俺は西園寺さんの隣に座る。


[では本題といきますね。早瀬くん、あなたは私と昔会ったことがありますよね?]


と開口一番、西園寺はとんでもないことをいった。


[俺と西園寺さんが?]


[はい]


と真剣な眼差しで俺を見つめる西園寺さん。俺は今までの人生を頭を総動員させて思い出す。しかし、俺は中学2年の頃の事件をきっかけにそれ以前の記憶をほとんど忘れた。いや、何があったか思い出せないんだ…


[ごめん西園寺さん、思い出せそうにないや…]


[そうですか…では最初で最後のヒントです。その時、私は早瀬くんのことをかけくんと呼んでいました]


─かけくんと聞いた俺はある少女のことを思い出す。


[もしかして、みーちゃん…?]


自信なさげに発した声とは裏腹に西園寺さんはとびっきりの笑顔を見せて─


[はいっ!正解ですっ!]

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