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第2話 未解読の手稿

 目覚ましのアラームが鳴り響くと、設楽慎二は慌てて目を覚ました。昨夜の出来事が、まるで生々しい映画のように脳裏に鮮明に焼き付いていた。


 まだ開き切っていない目をこすりながらベッドから起き上がり、アラームを止めると、心臓が激しく鼓動しているのを感じた。部屋はまだ薄暗く、朝日がカーテンの隙間からわずかに差し込んでいるだけだった。


 慎二はベッドから降りると、深呼吸をして気を落ち着けようとしたが、昨夜の衝撃的な光景が頭から離れない。頭部に大きな銃創があり、飛び散った鮮血で赤黒く染まった服。そして――血だまりの中に浮かんでいた不規則な模様のような文字。あまりにも不気味な光景にふとした瞬間に思い出し、恐怖が湧き上がる。


 慎二は考えることから逃げるように洗面所へと向かい、冷たい水で顔を洗う。鏡に映る自分の顔には疲労と困惑が浮かび、普段とは違う不安感が漂っていた。その自分の姿を見て、結局は「昨夜の出来事が一体何だったのか」と、これまた昨夜ベッドの中で考えていたことへと再び辿り着く。そして、魂が抜けたようにぼんやりと鏡を見つめていた。


「あれは……夢だったのか?いや、今も夢の中にいるのか?」


 冷たい水の感触も、鏡に映る自分の姿も、現実味を帯びている。しかし、昨夜の光景はあまりにも現実離れしていた。慎二は頭を抱え、現実と夢の境目が分からなくなる感覚に襲われていた。


「何が本当なんだ?」


 慎二は問いかけるが、答えは返ってこない。昨日の記憶が鮮明であればあるほど、現実がぼやけて感じられた。心の中で繰り返される疑問が、彼をさらなる混乱の渦へと引き込んでいった。


 ふと、洗面台に置かれていた時計を見る。すると時計の針は起きてからだいぶ進んでおり、もう警察署に行く時間が迫っていることに気づいた。昨夜の事件の目撃者として、警察からの事情聴取を受けることになっていたのだ。ぼんやりしている場合じゃないと、慎二は急いで身支度を整え始めた。


 シャワーを浴びて髪を整え、シンプルなシャツとジーンズに着替える。事件の衝撃で寝不足だったせいか、目の下にクマができているのが気になったが、気にしている時間はなかった。何かを食べる気分にはなれず、軽く水だけを飲んでから玄関へと向かった。


 靴を履き、鍵をかけて家を出ると、外の空気が一気に肺に入ってきた。昼間の暑さに比べれば若干の涼しさを感じさせる朝の空気が、慎二の緊張した心を少しだけ和らげてくれる。慎二は深呼吸を一つしてから、警察署へと歩き出した。


 警察署は自宅から少し離れたところにある。昨夜起きたばかりの時間にも関わらず、街中の人々はいつもと変わらない日常を過ごしているように見えた。

 車の音、話し声、遠くから聞こえる救急車のサイレン。だが、慎二の心にはどこか不安と恐怖が渦巻いていた。そして、周囲の風景もどこかぼやけて見える気がした。


(また、事件に巻き込まれるのでは……)


 慎二の胸中に浮かぶその思いは、冷たい手で心臓を締め付けるようだった。犯人が近くに潜んでいるのではないか、自分も同じような運命を辿るのではないか、という恐怖が、彼を押しつぶそうとしていた。


 やがて、警察署の前に到着した。大きな建物の前で一瞬立ち止まり、慎二は再び深呼吸をしてから中へと足を踏み入れた。エアコンの心地よい冷たい風が慎二を迎え、警察署特有の緊張感ある空気が漂っている。それに加えて、事件の影響だろうか。警察署の中は少し異様な雰囲気に包まれているような気がした。

 だが、事件に遭遇した不安と恐怖から、この空気感は逆に慎二にとって安心感を与えていた。


 慎二は窓口で受付を済ませると、すぐに奥へと案内された。


「設楽慎二さん、こちらへどうぞ。」


 若い警察官に呼ばれ、慎二は重い足取りで捜査室へと向かった。廊下を進むと、壁には事件の関係者の写真や地図が貼られており、捜査の進展状況が一目でわかるようになっていた。刑事たちはファイルを手にしながら情報を交換し合い、新たな手掛かりを探して議論を重ねていた。


 緊急会議室では、捜査主任が大声で指示を出しており、その声が廊下まで響いていた。「これが次の証拠だ。現場から回収された弾丸の解析結果だ。」、「不審者の目撃情報と監視カメラの解析の結果はまだか!」そんな声が飛び交い、情報が次々と更新されていく。


 慎二はその声に耳を傾けながら、警察署内の緊張感と慌ただしさに圧倒されつつも、何とか平静を保とうと努めていた。


 さらに少し歩くと取調室と書かれた部屋に案内された。案内してくれた若い警察官と一緒に部屋に入ると、そこにはまるで刑事ドラマにも出てきそうな中年の男の刑事が一人、入り口のドア側に座っていた。


「設楽さん、座ってください」


 少し緊張気味の慎二は促されるままに、奥の壁側の椅子に腰を下ろした。机を挟んで中年の刑事と向かい合わせになる。


「設楽慎二君、私は新島といいます。今日来ていただいたのは、昨日の事件の話を聞くためです」


 新島は冷静な目で慎二を見つめながら、質問を始めた。慎二は事件当時の状況をできるだけ詳しく説明したが、記憶が曖昧で自分の証言がどれだけ役立つのか自信がなかった。


「昨夜、何か不審なことに気づきましたか?」


「いえ、特に何も……ただ、音がした方向を見た時にはもう、遺体が……」


 新島は慎二の言葉を聞きながら、メモを取り続けた。その表情は険しく、事件の重要性を物語っていた。

 その後もいくつかの質問が新島から問いかけられ、それに慎二が端的に答えるという構造が続く。


「ありがとう。これからも必要があれば、またお話を伺うことがありますので、その時はご協力お願いします。」


 話をしていると徐々に顔色が悪くなっていく慎二に気を使い、予定より少し早めに新島は取り調べを切り上げることにした。


 慎二は深々と頭を下げ、部屋を後にした。警


 察署を出ると、再び現実の世界が目の前に広がる。事件の重さを感じながらも、慎二は自分の生活を取り戻そうと決意した。


 帰り道、慎二は空を見上げた。真っ青な空が広がり、雲一つない天気だった。まるで昨夜の出来事が嘘だったかのように、現実は平穏である。しかし、慎二の心の中にはまだ重い雲が漂っていた。


 家に帰り着くと、慎二はしばらくソファに座り込んだ。静かな部屋の中で、彼の心は依然として騒がしかった。事件の真相が解明されるまで、彼の心の中に平穏が訪れることはないだろう。


 火星移住という夢のような話から一転、現実の厳しい一面を見せつけられたことで、少し遠く感じられるようになっていた。



 ♢♢♢



 取調室の扉が閉まり、静寂が戻る。新島は慎二の背中を見送りながら、心の中で深いため息をついた。


「まだ若いのに、こんな目に遭わせてしまって……」


 新島は呟くように思い、机に広げられた証拠写真に視線を戻した。机の上には現場の写真が並べられており、その中央には凄惨な姿をした男の遺体が映っていた。


 死体の頭部には大きな銃創があり、鮮血が四方に飛び散っていた。目は見開いたまま固定され、口は半開きで、絶望の表情を浮かべている。体は不自然にねじれており、片腕が無造作に伸ばされていた。服は乱れ、血にまみれて赤黒く染まっていた。


 新島は深いため息をつきながら、自身のメモ帳に書いたメモと他の証拠写真へと目を向けた。現場に落ちていた弾丸のカートリッジ、被害者のスマートフォンの履歴、周囲の監視カメラの映像。どれもが断片的な情報に過ぎず、遺体の死亡解剖も終わっていない。真相にはまだ程遠い状況であった。


「そして、これか……」


 新島はふとつぶやくと、血の模様の写真へと目を向けた。遺体の近くに残されていた血の模様。文字と言われれば文字とも言える形だが、どこかこの世のものではない異様さを感じさせていた。DNA鑑定が終わっていないため断定はできないが、十中八九で被害者の血で書かれたものであることは断言できる。この模様の謎を解き明かすことは、事件を解決するための大きな手掛かりになることは明らかだったため、新島はもどかしくて仕方がなかった。


 そして、新島の手はその写真に吸い寄せられるように伸び、まるで何かを掴み取ろうとするかのように、指先で模様の輪郭をなぞった。


 取調室の扉が音もなく開き、一人の若い刑事が入ってくる。


「なんだ、佐藤か。どうした?」


 新島の声には少し疲れが滲んでいた。長時間にわたる取り調べと事件の重圧が、彼の体と心に影響を及ぼしている。


「新島さん、すみません。取り調べの方が終わったと聞いていたのに戻ってくる気配がなかったので、様子を見に来ちゃいました」


 佐藤は少し申し訳なさそうに頭を下げた。若手刑事の気遣いに、新島はほっとしたような笑みを浮かべた。


「そうか、心配かけたな」


 新島は軽く笑いながら、気遣う佐藤に答えた。


「いえ、大丈夫です。それよりも、現場の写真を見てたんですか?」


 佐藤の質問に、新島は一瞬だけ目を閉じ、考える素振りを見せた。彼は疲労感を振り払うように、深呼吸をしてから答えた。


「まあな。だが、結局わからず仕舞いよ」


 新島はお手上げだと言わんばかりにパイプ椅子の背もたれにもたれかかり、首を左右に振った。彼の表情には、苛立ちと焦燥感が見て取れる。


「そうですね……まだまだ証拠が十分に上がっていないとはいえ、なんだか今回の事件は奇妙な感じがします」


 佐藤もそれに同意しながら、机の上の写真に目をやった。彼の眉間には深い皺が寄り、事件の謎を解こうとする思考が渦巻いていた。


「そうだな。いつもならすぐに聞き込みで分かる不審者情報が全くのなし。それに遺体は9mm拳銃で殺害されていることが分かったが、周囲の住民はそもそも銃声どころか、物音一つ外からは聞こえてなかったらしい」


 新島は写真を見つめながら、苦々しげに言った。その不可解さに、彼の中で何かが引っかかっていた。


「はい、普通はありえないことですよね。確かに日も沈んで夜になってたとはいえ、まだ午前1時ごろ。まだ、人が起きててもおかしくない時間帯ですよね。それに、この周辺はよく車が通る。それなのに、その日は車の音一つ聞こえてなかったと住民は口を揃えて言ってました」


 佐藤もその異常さに気づき、眉をひそめた。彼らの会話は、事件の謎がますます深まる中での、手がかりを見つけようとする必死な努力だった。


 すると突然、佐藤は「ん?」という声をあげて血の模様の写真を持ち上げた。その様子を見て、新島は声をかける。


「なんか気になるものでも気づいたか?」


「はい。初めて見た時は気づかなかったのですが、どっかで見たことがあって……」


 新島は唸り声を上げながら、手を顎に当て朧げな記憶を必死に引っ張り出そうとしている。そして、「あっ……」と小さな声を出すと、ポケットに突っ込んでいたスマートフォンを取り出して何かを検索し始めた。その様子を見て新島は佐藤へと声をかけた。


「若いのに、今時スマホを使ってるんだな。若い連中はみんなARゴーグルを使ってると思ってたよ」


 新島のその言葉に佐藤は苦笑いを浮かべた。


「確かにそうですね、僕の周りはみんなARですよ。でも僕はちょっとARに目が慣れなくてですね……いわゆるAR酔いってやつです」


 2030年に本格的に登場したARゴーグルは、メガネ型でありながら、スマートフォン並みの性能と違和感のない目のトラッキング機能、仮想キーボードの高性能化によって瞬く間に普及した。それまでデバイスの中心であったスマートフォンは衰退しつつあった。しかし、ARゴーグルが登場して10年経ったとはいえ、まだまだ発展途上であり、あらゆる機能が向上する余地がある。その中でもトラッキング機能はほぼ遅延なく行うことができるようになったものの、まだコンマ数秒のズレが存在する。そのため、そのトラッキング機能の僅かなズレすら正確に認知できてしまう一部の人にとっては、それが気持ち悪さへと繋がり、AR酔いを引き起こしていた。それによってARゴーグルの使用ができない人々も少なくない。佐藤もそのうちの一人であった。


「早く目のトラッキング機能がもっと進化してほしいですね。そろそろ時代に取り残されそうです」


 スマホで何かを検索しながら、佐藤は苦笑いを浮かべた。彼の指は画面を滑らかに滑り、情報の海から必要な手がかりを探り出そうとしていた。


 そしてしばらく経った後、佐藤は記憶の片隅にあったものを掘り出すことに成功する。


「あった……これです!」


 そう言って新島に見せてきたものは、とある未解読の一冊の本であった。その名は――。


「『ヴォイニッチ手稿』? なんだ、それは」


 新島は眉をひそめ、画面を覗き込んだ。佐藤の手には、古代の写本を示す画像が映し出されていた。彼の心には、一瞬の安堵と同時に新たな疑問が浮かび上がった。


「『ヴォイニッチ手稿』は、未解読の文字で書かれた古代の文書です。いくつかの奇妙な図や植物の絵が含まれていて、いまだに何が書かれているのか解明されていません。そして、ここに書かれている文字を見てください!」


 佐藤は実際に『ヴォイニッチ手稿』のいくつかのページを新島に見せた。その文字の形を見て新島は驚愕した。


「確かに……こいつは、この現場に残っていた血文字とそっくりだ。だが、なんでお前はこんなものを知ってるんだ?」


「実は学生時代、そういう都市伝説的なものが好きでして……その一つとして、この『ヴォイニッチ手稿』の話を見つけて、当時はすごくワクワクしたことを覚えています」


 いつも真面目な佐藤の意外な一面を知った新島は、少し嬉しそうにしつつ、会話を続けた。


「じゃあ、その『ヴォイニッチ手稿』について、もう少し詳しく説明してもらってもいいか?」


「はい!もちろんです!」


 そういうと、佐藤は『ヴォイニッチ手稿』について詳細でありながら簡潔にまとめて語ってくれた。その説明はわかりやすく、よっぽど好きだったことがわかる内容だった。


『ヴォイニッチ手稿』とは、1912年にイタリアで発見された約240ページの羊革紙で書かれた古文書で、発見者である古書収集家ウィルフリッド・ヴォイニッチの名前にちなんで名付けられた。この本は、ほぼ全ページにわたって絵が描かれており、特に植物や天体、神秘的な図が多く含まれている。


「そして、この本の文章は、自然言語か人工言語の可能性が示唆されているらしいのですが、2040年現在においても《《文字の内容が解読されていない本》》で、意味が全くわからないんです」


 佐藤はそう言いながら、さらにいくつかの画面を新島に見せた。

 新島が見た『ヴォイニッチ手稿』に描かれた植物は詳細である。しかし現実には存在した形跡すら存在しない架空のものばかりであった。また、本の中に描かれた人物が全裸で描かれているため、文化や時代の推定も困難とされている。


 新島は深くため息をついた。


「つまり、手稿の文字と昨夜の血の模様が一致していると気づいたとしても、その情報が具体的な解決にはつながらないというわけか」


「はい、それが残念ながら……それが現実ですね」


 それ以上のことはわからないと、佐藤は降参するかのように両手を広げて、首を左右に振った。だが、新島はそうは思っていなかった。


「いや、それだけでもわかったことは大きな収穫だ。」


 新島の言葉に、佐藤は少し悩み込み、確かにこれは事件解決のための一つ大きなヒントになるかもしれないと辿り着いた。


「それにしても、現場の雰囲気と写真だけで違和感を感じ取る新島さんがすごいですよ! 」


 そう言って佐藤は、新島に対して憧れの眼差しを向けていた。新島はそれに対して静止するように手を振りながら苦笑いを浮かべたが、すぐに気を取り直し、そう思った経緯を話し始めた。


「そもそもの話だが、こうやって犯人が何かしらの手掛かりを現場に残していくのは稀だ。ほぼ9割の犯人は、警察に捕まりたくないという一心で、証拠を一切残そうとしないからな」


 佐藤は「なるほど」と納得しつつ、一つ疑問が浮かび、すぐに新島へと問いかけた。


「新島さん、なんでこの血文字が犯人のものだと断定できるんですか? まだ、被害者が残した可能性だって――」


「いや、それはないな」


 新島は佐藤の言葉に食い気味に答えた。そして、話を続ける。


「確かに、まだ血文字を書いた人が誰だとかはすぐには断定できない。だがな、死亡解剖の結果が上がってきてはいないが、遺体を見た感じ、9mmの銃弾は被害者の急所部分に数発撃ち込まれていた。つまり、犯人は確実に被害者の息の根を止めることに全力を尽くしている。実際、被害者は銃で撃たれた時にはほぼ即死に近い状態だったはずだ。つまり、こんな文字を書いている余裕が被害者にはないだろうというのが俺の考えだ」


 そもそも血文字を書くのはとても難しい。血は液体であることから、すぐに文字が崩れてしまうし、瀕死の手先が震える状態で、正確に第三者が分かるように書くのはほぼ不可能ではないかと新島は考えていた。

 佐藤は「なるほど……」と納得する様子を見せ、


「そこから、この血文字は犯人によって書かれた可能性が高いということですね」


 と結論づけた。それに新島は深く頷いた。


「そういうことだ。じゃあ、話を戻すぞ――」


 そう言って新島は、犯人が痕跡を残すというのは稀であるということを確認し、話を再開した。


「過去の事件から推察すると、痕跡を残す犯人というのは、猟奇殺人や快楽殺人のケースが多い。犯人が自身の承認欲求を満たすために、あるいは犯罪の恐怖や興奮を広めるために意図的に証拠を残すことがある。例えば、5年前に起きた連続殺人とかな」


「あぁ……あれですか……あの事件は悲惨な事件でしたね」


 新島は佐藤の言葉に首で頷いて同意する。


「そうだな、あれは最低最悪の事件だった……だがな、今回は自分の快楽とかを求めて、あえて証拠を残したって感じはしなかったんだよ」


「――つまり、犯人は別の意図があって『ヴォイニッチ手稿』の文字を使って血文字を残したと……そういうことですか?」


「ああ、俺にはそう感じた。あくまでも俺の勘に過ぎないが、もしも犯人が俺の言った通りの思惑ならば――俺たちは、とんでもない事件に巻き込まれたのかもしれない」


 佐藤はゾッとした。新島は今回の事件が《始まり》にすぎないと語っているのだ。こうした事件が何件も起こりうるかもしれないと……


「もしくは、僕たちが知らないところですでに――」


「ああ、否定できないな。事態は大きく動き始めているのかもしれないな」


 新島の言葉に、佐藤は再び不安を覚えた。だが、その不安の中にも新たな決意が芽生えた。彼らはこの事件の真相を突き止めるために、さらなる調査を続けるしかないのであった。

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