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第九話

「スキルは取得したら使用が可能になって、レベルなどによって威力や効力が変わる。スキルは取得すればONとOFFを切り替えて使用出来るかを切り替えが出来る。」


 教室の木製の固い椅子の座り心地は悪いが時間が経てば気にはならない。今は『ユートピア・オンライン』の公式サイトで基本情報を調べている。

 公式サイトは新人プレイヤーのために色々な情報を簡単にまとめてくれているので私のようにゲームを今までやってこなかった人には嬉しい。


「あとは、スキルを使う方法は、そのスキルにあったモーションとイメージ力が必要になるので反復練習が必要となるか。まぁ、攻撃についてのスキルなら体感で覚える必要があるからね。」


「朝からゲーム情報を調べているってあのゲームにハマったね、美桜。次にゲームをする前に予習を欠かさないとは普段のあなたとは真逆ね。」


「麗香、ようやく私の居場所がわかったの。これからは私はあなたの後ろ頭を見ることがなくなるのか。」


「うるさい、さっさと奥に詰めてくれない。隣に座るから。」


 フレイヤこと麗香はこちらに体を押し付けてきて奥に押し込んでくるので、仕方なく荷物を持って奥の席に移動をしていく。

 彼女は私よりも身長が高く、それなりには胸もあってスタイルもいい。さらには顔もよいのでテレビでアイドルや俳優をやっていてもよいぐらいの美人であり、校内では注目の的になる。

 それなので、格好は地味で目立たないようにしているが奥底から溢れてくるオーラは少し漏れていて隠しきれていない。


「椅子は温めておきました、お嬢様。」


「あら、ご苦労。程よい温度よ。ふふふ。」


 少しからかおうとしたのだが、なんなく躱されてしまった。麗香の家は一般的な家と比べて裕福であり、遊びに行った時には置物からカーペットまでどれもが高そうなものばかりで驚かされた。

 私自身が貧乏性であるので機能性があれば安物で全然構わないという感じで最初に訪れたときには落ち着かなかった。


「そういえばゲームの情報を調べていたけど公式サイトを見ていたの?」


「うん、そうだよ。まずは公式サイトの信頼できる情報から見る方がいいのかなって。」


「まぁ確かに、基本的なことは公式サイトの方がしっかりとまとめられていて見やすいからね。あそこを一通り見え終えたら攻略サイトやまとめサイトを見て情報を集めるのもいいと思うよ。」


「へー、そういうの見たことなくてどれから見た方がいいのかわからないよ。」


「仕方ないな。あとで私たちがよく見ているサイトを教えてあげる。そういうサイトとかにいい武器屋とか絶景スポットとかも書いていることがあるから定期的に見ることね。」


「絶景スポットには絶対に行ってみたい!もっとレベル上げて強くならないと行きたいところが出来たら行けるようにしなきゃ。」


 いい武器屋は最初の街のカインのお店があるから大丈夫。いろいろと話しを聞いてもらったりしたからもう馴染みの場所になりつつあるし。

 冒険をしながら絶景スポットの眺めを楽しむことが出来るなんて小説みたいで早く授業が終わってほしいと思ってしまう。


「あ、教授が来たみたい。あの物理学の教授はスマホを使っているのがバレたら大変だって聞いたことがあるからしまっておくか上手いこと隠しながら使いなさいよ。」


「いつも、隠れながら使っていてまだバレていないから大丈夫。今日は帰ってからのゲームの準備を整えるわ。」


 いまだに紙で出席をとっているので、前から届いたものに自分の名前を記入して麗香に渡すとすぐさまスマホに目を向けて情報収集をしていく。

 私がより一層ゲームを楽しむには基本的な知識が足りていないので、とりあえず色々とある情報に一回だけでもいいので目を通していくことで、あとで何をみていけばいいのかを早めにわかるようにしていく。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ようやく家に帰って来れた。今日は人生で1番長く授業を感じたよ。」


 昼手前の授業が終わると麗香と別れて、家路についた。途中、コンビニでお昼ご飯を買って早歩きで帰った。

 お昼ご飯のおにぎりを食べながら、公式サイトを見て今日の予定を決めていく。


「ログインをしたら、カインの店に行って今の武器と防具をよりいいものに変える相談をして新調をする。そのあとは第二の街に戻って、第3の街に向かってポータルの登録をする。あとは周辺のモンスターと戦闘をしながらスキルを試していく感じかな。街のNPCからクエスト?を受注して経験値とお金稼ぎを同時に行う。これで今日は終わるかな。」


 第二の街で昨日はログアウトをしているので、そこから次の街を目指すことが出来る。

 道は2手に別れていて、第3の街と第5の街に行けるらしい。

 しかし、第5の街の道のりはそれなりに進んでいないとレベル差で難しい道のりになると公式にも書かれていたので今は順当に大3の街に向かうことにする。

 

「まぁ、武器と防具さえ新調できれば、あとは適当でもいいけど。」


 お昼ご飯を食べて終えたので、ヘッドギアをつけてベッドに横たわってゲームを起動する。

他の作品のURL

・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒

https://ncode.syosetu.com/n8193fh/

・少女は魔法を夢見る

https://ncode.syosetu.com/n9741iq/

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