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ユートピア・オンライン〜ゲーム初心者の私が世界最大級のオンラインゲームに誘われたら〜  作者: 森の番人
第三章「Welcome, New Travelers」

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89/90

第八十八話

1つ目の依頼を達成して残りはルイスが生産仲間と共に実施中の2つ目の依頼のみである。

それさえ完了すれば新大陸へ向かう権利(チケット)を入手でき、更なる強敵に挑むことができる。

さらに今眼前に広がる新大陸を目指すプレイヤーたちを見ると不安になることもある。

それは依頼内容の重複による採取場や狩場を多くのプレイヤーで取り合いとなり依頼達成に時間がかかってしまうことだ。

また、依頼達成の報告も日中のみとなる。理由は依頼報告の担当者たちは日中の数時間のみ構えており夜中などは船団が貸し切りしている宿屋に帰っている。

掲示板などで見たが宿屋に押し掛けた場合は容赦ない拳が飛んできてその日の酒代を支払わされて、数日間出禁扱いをされたらしい。

なんとも恐ろしいものだ。


「ルイス、連絡がないわね。依頼が達成できるぐらいの進捗になったら連絡をするって言っていたのにね。ソフィアちゃんやサイレントちゃんにも連絡はない?」


「ううん、連絡は来ていないよヒビキちゃん。」


「わたくしの方も連絡はないです。」


「この新大陸の依頼って意外と難しいように設定されていて、ルイス自身がドジっぽいからもしかしてモンスターに襲われて死に戻っているんじゃないか?意外と。」


「「「否定できない。」」」


全員がルイスの依頼達成の失敗を容易に想像できてしまい、今日はお開きでまた後日ということになるのだろうと思ってしまう。

ルイス単体ではこの中で誰よりも弱い存在であり、パーティを組むことでなんとかなるかもぐらいのレベルだからだ。

今はお昼過ぎで多くのプレイヤーが集まりやすい時間帯であり、ほとんどのプレイヤーは未知のフィールドの新大陸へのチケットを取得や報告のためにこの港に集まっていて騒がしい。

船団の天幕からは笑顔でこれから依頼へ向かうパーティ、ボロボロで壊れかけた装備で疲労困憊の顔で帰ってきて報告に行くパーティなど見ていると三者三葉で、先ほどまでの自分たちを見ているようで面白い。

その中には煤であちこち汚した赤いマントに破れかけの真っ白な手袋そして、猫背で覇気もない根暗なオタク君が同じ雰囲気を纏うプレイヤーと共に港の天幕へ歩いていってるのを発見した。

おいおいなぜ連絡してこないんだよこの野郎と怒りの視線を注いでいると、やつは急に背筋をビシッと伸ばし辺りを見渡し始めた。

こちらの怒りの視線を第六感で感じたのか?仮想世界で味覚を完全に再現できていないのに第六感まで再現は出来ていないだろう。

そして、こちらで私たちが見つめていることにようやく気が付いたらしく、同行していた仲間に頭を下げて走ってきた。

そして、HPは減らない街中でみんなでルイスを殴り飛ばして、報連相の大切さをヒビキちゃんから説教をしてもらい涙目になるまで続けた。

報連相の大切さは私も色々と身をもって知ったからね、ルイスにもそのことを知ってもらうにはいい機会だろうよ。


「さて、下僕はさっさと依頼の報告へ行ってこい。そうすれば新大陸行きの権利は手に入るからね。」


「はいですぞ。ううぅ、採取だけかと思ったら毒蛇に強酸を吐く芋虫とか下手な戦闘より恐ろしかったですぞ。装備の耐久値もガンガン削れて修理代結構かかりますぞ。」


色々な意味を含めた涙を流しながらルイスは説教中も優しく待っていれた生産仲間と共に歩き出した。


「ねぇ、ルイスのお仲間さんたち。」


「ふへぇ、はい何でしょう??」


すごい、間抜けな声が出ているがルイスと同じような感じなのだろう。

そんなことは気にせず、ルイスを待っててくれたことをお礼を言わなくては。

ルイスの仲間の4人に向けて頭を下げ


「ルイスのために待っていてくれてありがとう。こいつ報連相できないけど色々と役立つと思うからこれからもよろしく頼むね。」


「「「「っうす。」」」


反応が面白いや。

からかって遊んでみたいけどさうすがに我慢し下僕に依頼報告へ行かせないと。

手を振ってお見送りをしていると


「うちのリーダーってオタクいじりが好きよね。」

「そうですね、おそらくドSですよ。」


うしろでこそこそ人のことを言っているお嬢様とオカマ野郎、せめて聞かれないようにしゃべってくれよ。

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