第八十六話
ロック鳥の周囲を浮遊していた氷の礫は突如して停止し矛先をこちらに向けられた。
「みんな回避して!」
自分の掛け声と同時に無数の浮遊している氷の礫がこちらに向けて飛来してくる。一斉に全方向への礫の攻撃であれば油断していたソフィアちゃんに攻撃は通っていただろうが、規則的に順番に飛んでくる。
攻撃が来ることがわかり回避行動を取っていたので避けるのは容易く可能で横に走り続ければよかった。
特殊個体のモンスターがそんな単調な攻撃を仕掛けるわけがない。
「げっ!範囲攻撃中に行動してくるかボスモンスターでもないのに。」
ハルも同様に横に走って逃げているところに感覚的にはふわりだったが逃げている先へ瞬時に移動をした。
止まれば無数の氷の礫が、進めば止まれず真正面から巨大なロック鳥と対峙しなければいけない選択を強いられた。
ロック鳥がそのような選択をハルに向けたおかげかこちらの攻撃の手が緩んでいる。
これなら防御が薄めの私でも氷の礫を潜り抜けて行動が出来る。
『体術』を発動させて飛来する礫を武器、拳で弾きつつスキル補正でロック鳥へと素早く近づいていく。
意識は自分の元へと向かってくるハルに注視していて気が付かないので背後を取るのは容易い。
『アサシンアタック』×『スラッシュ』
背後からの攻撃に威力上昇補正が入る『アサシンアタック』を用いて横なぎの短剣系スキルの『スラッシュ』でハルが逃げるため注意を引く。
相手が大きいこともあり顔や首までは届かないので胴体に向けて放つ。
ダメージ量はそこそこなのだがまだ足りない。これでは敵はこちらを気にせずにハルへ攻撃をしていくだろう。けど、これ以上の攻撃となると短剣ではなく短刀へと切り替えなければない。
すさかず身をひるがえして敵から遠ざかりメニュー画面から短刀にすぐ切り替える。
その切り替えの時間にロック鳥は素早く近寄り鉤爪で切り裂こうとしてきた。
回避は無理!
『ジャストパリィ!!』
鉤爪を後方へ弾き飛ばして回避する。
敵は巨大で体勢を崩して反撃できるまでとはいかなかったがロック鳥が追撃が出来る体勢ではなくなっただけでよしとしよう。
体勢を戻したところに氷の礫がまた飛んできたので転がるようにして逃げる。ハルに向けて放たれたものがこちらに来ているということはターゲットが完全にこちらに移ったということだろう。
氷の礫の攻撃が止んだので一度距離を取りつつこれまでの攻撃を思い返す。
これまでの攻撃パターンを考えるとこれ以上は増えないのかもしれない。増えたとしてもHPがかなり減った時に出る発狂技とかぐらいだ。
みんなを見ると目を見るだけであとは単純な作業であることが伝わった。
なんだろう。こういった時だけみんなと考えを一瞬で共有できたりするのは創作上だけじゃないんだということを知った。
そこからは単純にHPを削るだけの作業となった。
私とハルがターゲットを交代で役割を持ち、他の人がDPSとして攻撃を繰り出してもらう。
そして、
「結構HPが削れたね。下僕2号もプロさながらの動きで何より。」
「さながらじゃなくて、プロそのものなんだけど!?けど、HPは削れているしあとは発狂技にだけ気を付けて対応すれば勝ち確じゃん!」
そうハルが言うと同時にHPが不自然に赤色に染まる。
明らかに発狂技がやってくるということだろう。このロック鳥が終盤に敵に対して逆転するような技となると、人数が多いプレイヤーを一網打尽するようなもの。
ファンタジーでよくあるのは、、、私の命は一瞬で奪われてしまう可能性がある!
すぐさまハルに駆け寄る
「下僕!氷耐性を上げて、どんな攻撃でも瀕死以上で耐えれるスキルがあれば使え!今すぐ。」
ハルはその意味がわかっていないようだったので一発頬をはたいて、強制的に命じる。
他のメンバーはそれなりに遠い位置にいるようなので問題はない。
ハルがスキルを全て出し終えたタイミングでロック鳥は全身を氷漬けにしながら冷気を一瞬にしてため込み今見ている視界を真っ白に染め上げる白銀の世界が迫ってきた。
私は耐性を底上げさせたハルを盾として自分自身はポーチから回復アイテムを取り出し今現在急速に減少をしていくHPを回復させていく。
冷気はロック鳥を中心に外側へ広がるように迫っているので今回復も碌に出来ず氷漬けになりながらHPを減らしているハルを盾にすることで私だけは耐えることが出来る。
時間にして数秒間で冷気が収まった。
ハルはすっかり氷の彫像となったので手を合わせる。
次にロック鳥を確認すると自身が纏っていた冷気を出し尽くしたのか疲労困憊となっていた。
「止め、『アサシン・バイトⅡ』」
短剣から短刀へ切り替え、短刀の抜刀スキルと敵の弱点である首を目視で確実に捉え、ロック鳥の残り少ないHPを刈り取る死神の刃をお届けし爆散させる。
「(美桜)戦闘描写短いのでは?レアなモンスターが出てきたっていうのに。」
「(ルイス)まぁそこは作者がこの話を書き始めたのが遅かったのが原因で以前の話とその後のストーリー展開を忘れたから短くなったんですぞ。」
「(美桜)....一発しばいて定期的に投稿しやがれって喝を入れた方がいいか。」




