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ユートピア・オンライン〜ゲーム初心者の私が世界最大級のオンラインゲームに誘われたら〜  作者: 森の番人
第三章「Welcome, New Travelers」

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第八十五話

バルガンに言われた小屋の先に行ってみると森の中に何度も踏まれて固まった土の道があった。

人が並んで数人が通れるぐらいの道幅であり、その脇は枯れた枝や葉、緑の苔が堆積した領域が広がっていた。

周辺の木を見ると余計な枝を剪定された跡があるなど小屋に近い付近は綺麗な森として管理されている。

先程ハルに向って倒れた木はその管理の一環だったのかもしれない。

そんな道をどんどんと進んでいくと森らしく緑が溢れる自然の風景に代わっていった。

足元も悪くなっていき拳ぐらいの石が点々と埋まっていたりと戦闘中だけでなく今現在の移動中でも少し躓いてしまいそうになる。

ソフィアちゃんはその石に何度か躓いている姿を見ると山道なんて知らないお嬢様なんだろうなって思いつい頬が緩んでしまう。

数分程度進んでいくとそびえたつ木の数も減ってきて見通しもよくなってくる。数分間歩いてもモンスターが出てこないのは妙だなと思っていると少し先に木が一切生えておらずゴルフ場のような芝生が広がっている。所々に小さな花が健気に咲いている。


「ここがロック鳥の縄張りなのかな?だけどモンスター一匹も見えないね。」


ソフィアちゃんの言う通り何もいない。

そこに風景だけがあって討伐対象のロック鳥もいない。


「それはここがボスエリアだから侵入したら登場するんだよ。ゲーム開発者が好きな演出だよ演出。」


ハルはゲームならあるあるの光景で広いエリアのボスは演出に凝って待ち構えていることがないこともあるらしい。確かにかっこよくボスが登場したほうがプレイする側も見る側のどちらも面白いと思わせることが出来る。


「それじゃ、ボス目の前ということでさっさと終わらせてルイスをこき使って残り一つの依頼に取り掛かるよ!」


「「「了解」」」


みんなの声を聞いてからハルと私が先頭となりボスが待ち受けるエリアに侵入をしていく。

全員がエリアに入りきってもまだボスは登場せず、広いエリアの中央まで足を進めていったところ、女性の悲鳴に似た叫び声がこの周囲一帯に響き渡った。

突然のことに身震いして鳥肌がたつような感覚が。

自分たちがやってきた方とは反対の森、声がした方へと顔を向けると翼に銀色に輝く風を纏い優雅にエリアに舞い降りてきた。

()()()は翼を頭を除く箇所が百獣の王のような茶色の毛並みに頑丈な骨格を持ち、翼は太陽光を乱反射させ輝く白銀。頭は鷲であり四足歩行とグリフォンを彷彿させる。


「こいつがロック鳥か!結構強そうなやつだ。」


ハルは武器であるガントレットを打ち付けあい戦闘態勢に入っていく。

しかし、さらに上空から別の個体が目の前のロック鳥を前足で押しつぶした。

全身が翼と同じ白銀で包まれている潰れた個体とは別のロック鳥が現れた。


『緊急依頼発生。ロック鳥の特殊個体『白銀の鷲獅子』出現、この特殊個体を討伐せよ!討伐成功時には本イベントで取得する報酬をUP』


急に目の前にダイアログが現れたかと思うとブザー音が鳴り響き特殊なイベントが発生したことが告げられる。目の前に突如現れた白銀のロック鳥は踏んづけている別のロック鳥を軽いものを足払いでどけるように蹴り飛ばした。


「戦闘も開始してもないのに乱入系が始まったのはよくわからんけど、目の前のこいつを倒せばいいことは変わらないだろう!」


ハルは助走もなしで跳躍してガントレットをモンスターの顔に叩きこんで戦闘開始を告げる。

私も遅れて短刀を抜いて接敵する。

ロック鳥は一声叫ぶと翼をはためかせて白銀の光を周囲に漂わせたので攻撃のために近づこうとしたので急ブレーキで停止してすかさず距離を取る。

ハルは着地したばかりで回避は出来ないためガントレットを前に出して防御の姿勢を取る。

白銀はハルに目掛けて降り注ぐと腕が徐々に凍りついていき体力も比例しているかのように減っていく。


『ライトヒール』


ソフィアちゃんの回復魔法がハルの体を包み込み体力を回復させていく。だが、白銀の攻撃は回復量以上のダメージを与えていき攻撃が終えたときには半分ほど体力が削られた状態だった。

今まで白銀だと思っていたのは翼が纏う冷気か何かが大気中の水分を凍らせていたということだろう。

けど、大抵のモンスターは攻撃と攻撃の間に必ず隙間がある。連続して攻撃してくるのはユニークモンスターぐらいだ。

ハルを助けにいくのはギルドのメンバーになった時からなく、基本は放っておいても死にはしないだろうと思っていたので白銀がやむのを待っていた。

止むと同時に伝説上でも危険だと言われている鋭いかぎ爪を切断すべく短刀をはしらせる。


『スラッシュ』


クリーンヒットしたと思ったが当たると同時に固い衝撃があり十分に斬りつけることが出来なかったがダメージは確実に与えることが出来た。


「サイレントちゃんしゃがんで!!」


ヒビキちゃんの声に驚いたが素直に従ってすかさずしゃがみこむと後頭部すれすれにもう片方のかぎ爪が通り過ぎていった。声がなかったら胴体を鷲掴みにされて握りつぶされていたかもしれないと思うとぞっとする。

目の前をヒビキちゃんが走ってきたのをみてすかさずすれ違うようにしてポジションを交代するとオカマのハンマーはロック鳥の顎部分をかちあげた。


「怖いよ!一切怯みなく反撃してくる大型のモンスターってあんなに怖いんだ。」


下手をしたら一撃で持っていかれる可能性もあると思い急いでメニューから丸盾を取り出して再度前線へ戻っていく。


「相手の攻撃力は侮れませんね。『戦乙女の天幕(ヴァルキリーヴェール)』」


ソフィアちゃんのジョブスキルでダメージ軽減が張られた。

先程の掴み攻撃などを除いてちょっとした攻撃やハルが受けた白銀の舞などに対して少しだけ強気に攻めることが出来る。


「ヒビキちゃん、ありがとう。変わるよ!」


「わかったわ。あんまり接近しすぎても駄目よ。氷の礫を周囲に纏うように守りを固めてくるからその時は潔く引きなさい。猪突猛進型のハルもさすがに一度は引いていたわ。」


そういう中でちょうどその攻撃をロック鳥は行っており体の中心から円を膨張させていくかのように氷の礫が周囲を回転して飛んでいた。

近づいていたら無数の礫にフルボッコにされてしまいそうだ。

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