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ユートピア・オンライン〜ゲーム初心者の私が世界最大級のオンラインゲームに誘われたら〜  作者: 森の番人
第二章「Welcome, Gathering Place」

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第七十話

 ボスをあっけなく倒してからパーティーメンバーと戦利品のチェックや談笑をすること30分。

 ルイスは自分の切り札である爆弾をいつの間にか盗まれていたと騒ぎだしてNPCの兵士たちを疑ってかかって問い詰めていた。兵士たちは後処理で忙しいなか、彼を怒ることもせず適当に流しながらせっせと働いていた。

 それをソフィアちゃんやヒビキちゃんと見てこっそりと笑っていたら、まさかという顔をこちらに向けたと同時に手を顔に当てて悔しがっている。

 その光景を第三者としてみていたヒロトたちは呆れた顔をしているのだが、私たちとしてはこれが正常運転だから呆れないでほしいな。


「みなさん、特にサイレントさんはイベントボスを相手にしたのに元気ですね。。。」


「そういうハヤトは取り巻きの相手ですごく疲弊しているね。どうしたの?」


 ハヤトは顔だけを横に向けて自分のパーティのメンバーに視線を送る。

 そこにいるのはアイテムボックスから次々に回復効果のある瓶を取り出しては顔を真っ赤にしながら飲み干している酔っ払いのような魔法少女たちがいた。

 装備の至る所が取り巻きたちの爪の攻撃などによって切り裂かれていたり破かれており満身創痍であった。

 メンバー数を数えてみると誰一人として欠けておらず、意外としぶといことがわかった。


「ハヤトだけじゃなくて魔法少女ちゃんたちも随分と疲弊しているのね。」


「狂暴化する前だとなんとかやれていたんですけど、、、。連携も何もなく、火力も足りずにでだいぶんズタボロに、、、最後の方は団子のように固まって守っていてどうにか。」


「あははは。ボスを倒すの急いでいてよかったわ。(けど、レベルも低いわりには図太く生き残るのは一種のスキルだよね。昔そういうやつもいたけど意外と使い勝手いいんだよね。)」


 使い勝手のよい駒は今後のことを考えるとルイスだけじゃ足りないからな。ここでいい感じな関係を築いておくことがいいのかもしれない。

 ただし、同じギルドよりも別々の方がいいかもしれない。


「サイレントちゃん、ちょっと悪いことを考えていないかしら?」


「いやだなぁヒビキちゃん~悪いことなんてとんでもないですよ~。」


「嘘はすぐにわかっちゃいますよ。」


「悪いことを実行する前に私たちにはちゃんと相談しなさいよ。」


「昔から悪いことを考えるのはいいけど、すぐに顔に出ちゃうのはどうにかならないかな?」


 それからはルイスにオタクトークをさせて、途中で割り込んできた魔法少女(ゾンビ)ちゃんの最近の推し活を聞いてみんなで盛り上がった。

 最後、ルイスの話の落ちのところで急なアナウンスが。


『皆様、これにてイベントを終了とさせていただきます。本イベントは全3ステージであり、最後までクリアした団体は参加者の45%、途中脱落は30%となります。現時点でのクリア数、本ステージでの生存しているNPC数、モンスターの討伐数、クリアまでの時間から各パーティへポイントを付与。総ポイント数によってイベント報酬のグレードを決定いたします。また、報酬を売却をすることも可能です。詳しい情報については公式サイトをご覧ください。これより皆様をイベント開始前の地点へと転移させます。お疲れ様でした。』


 中年女性の優しく簡潔な説明でイベントを締めくくられた。

 なんだか終わったという感じが一切せずに不完全燃焼な気持ちになりそう。

 そう思っているうちに体が徐々に光を放ち始める。


「これでイベントが終わりということで解散ですね。」


 ハヤトはなぜだか寂しそうな顔をしてこちらに話しかけてきた。


「そうだね~。あっという間に終わった感じでまだ続けていたかったかも。」


「サイレントさんとはPKのことからイベントのことまで色々とお世話になりっぱなしで不甲斐ない自分がなさけないです。」


 シュンといきなり小さくなった彼とルイスと犬が重なって見えた。

 男らしいと何度も言われたが女の私にそんな姿を見せるのは男としてどうかと思う。

 けど、こんな顔を見ると、、、、


「なるほどね。不甲斐なくなさけないのは仕方ない。けど、何度も壁にぶつかっているのならあとは成長をするのみしかないよね。」


「はい、そうなのですが、、、」


「私に二度も助けられてなさけないと思っていることが頭に残っているのかな?」


「はい、そのとおりです、、、」


「なら、今後は私たちのギルドと一緒に助け合いながら冒険をしようよ。私が呼んだらすぐさま駆けつけること。そこで手伝いをして自信を取り戻していけばいいんだよ。わかった?」


「こんな俺でもいいんですか?」


「(もう一押し!)、、、わかった?」


「わ、わかりました!」


 はい!言質いただきました!

 これでしぶとく生き残る便利な小間使いを手に入れることが出来たぞ!このイベントで一番の収穫だ!


「それじゃ、また今度ね♪」


 相手の返事を聞く前に転移が開始して視界がぶれ始めた。

 ゆがんだ視界の中でもヒビキちゃんの冷たいまなざしがしっかりと確認できたけど知らないふりでもしておこうかな。

 だって、()()悪いことはしていないもん!

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