第七話
ステータスについてフレイヤから聞いてみたので、まずは自分のステータスがどうなっているのかを確認してみることに。
メニューウインドウを開いてみると、ステータスというタブがあるのでそれをタップして開いた。
「それを開いてみるとステータスが表示されているでしょ、まだ何もしていないのなら全てのステータスが同じぐらいになっているはずよね。」
フレイヤにそう言われたので見てみると確かにほとんどのステータスが同じ数値である。少しだけ幸運値が高いぐらい。どの数値がどれぐらいの影響しているのかわからない。
「このステータスって自分の武器とかプレイスタイルに合わせて上げていけばいいんだよね。今まで戦ってきて1発1発は力強い筋力系とは違ってそれなりに素早さがあって器用に動ける感じが1番性に合っている気がするんだけど。」
そういうとフレイヤだけじゃなくてヴァンも急に笑い始める。何かおかしいことを言ったのかな?
「ごめんね、突然笑って。初めてゲームをする人が誰もが理想に思うプレイスタイルで、諦めるスタイルに自分から希望してぴったりの人がいるなんて面白くてね。」
「俺はそれを目指そうとして難しくてやめたんだ。結果、素早さ重視にしてヒットアンドアウェイスタイルに切り替えたんだよ。けど、サインの思っているスタイルの人、イベントのランキングの常連で人気のプレイヤーそうなんだよ。」
2人して私のプレイスタイルが珍しいので驚いて笑っているようだ。今の剣では攻撃をして盾は防いだり、攻撃を逸らしたり、それで叩きつけたりするプレイスタイルが1番楽しくて過去1番のテンションが上がる動きだった。
「それじゃあ、今の言ったプレイスタイルになるようにポイントを割り振ってみるよ。ええと、敏捷に多く振って、器用さと力に少しずつ振ってあとは均等に割り振ればいいね。これでよし。」
ステータスポイントを割り振り終わると、体が少しだけ光を放つと少しだけ体が軽くなったように感じる。剣が少し軽くなってちょうどよい重さではなくなったのが少し不満。
「ステータスを一気に上げたから違和感がすごいだろう。ステータスポイントを知らなかったてことはゲーム開始時にもらえるポイントも割り振っていなかったはずだしな。」
「それじゃ先に行くわよ。サイレントも変化したステータスで戦いに慣れたいでしょ。」
「うん、早くこの剣と盾でモンスターを倒してボスを叩きのめしたい。」
レベルが上がっていき強くなって現実ではいない生物をどんどん倒していくのは絶対に楽しいと思うのでテンションが上がる。
「それじゃ、サイレント主体でどんどん進んでいくわよ。」
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ダンジョンを3人で進んでいき、道中で何種類かのモンスターを倒していったり、分かれ道で正解ではない道をあえて進んでいって宝箱を開けたりしてアイテムを手に入れたりしてダンジョンというものを堪能していった。
そしてダンジョンの最奥に辿り着いた。
「ここがボスがいる部屋の手前なんだね。植物で大きな扉が作られているんだね。」
植物の蔓で外枠を形成しておりその両端には大きな葉っぱが扉の形をして閉じられている。人が2、3人ぐらい肩車しても余裕で通ることが出来そうなぐらいの高さがある。
「そうよ、ここのボスの特徴に合わせた扉で植物なのよ。入る時には扉に触れさえすれば開くわ。」
フレイヤが扉に触れるとゆっくりと開いていき中の部屋が徐々に明るくなっていく。
そして、奥には一回り大きな花がぽつんと咲いているだけだ。
「もしかして、あのラフレシアがこのダンジョンのボスなの?」
「正解。ほら、立ち上がってきたぞ。」
ラフレシアが震えたと思うと地面から根っこがどんどんと現れてくる。すると、ラフレシアの下の胴体が露出した。
「まるできのこのような見た目をしているね。ラフレシアの形をしているキノコモンスターなの?」
「ふふふ、確かにキノコに見えるけど一応キノコではないのよ。さぁ戦闘開始よ、サイレント前衛頼むわよ。」
そう言われてラフレシアのモンスターのメモの前に立って注意を引き付けようとすると、根っこがこちらに向かって振り下ろされてくるので横に飛んで躱す。
今までのモンスターと変わらない速度の攻撃なのでなんてこともない。
「このモンスターはどこが弱点なのかな。よくわからないけど、とりあえず攻撃を仕掛けてみるかな。」
また根っこが攻撃を仕掛けてきていたので同じように躱したら接近をして胴体に剣で斬りつけてみると少しだけHPが削れた。胴体に攻撃をしても普通にダメージは通るようだ。
「『ラフレシアン』って名前なのね、ひねりも何もない。」
フレイヤの魔法を打つ準備が整っていていそうなので、少しだけ距離を取って攻撃出来る状況を作ってあげる。
「まずは、一発目。『アース・ランス』」
フレイヤが杖を振るうと、ラフレシア前に光る魔法陣が突如現れると地面が盛り上がっていき棘のような形になってラフレシアの胴体に突き刺さる。
ラフレシアンは暴れるようにその棘から距離を取って根っこを叩きつけて壊す。HPは大きく減少をしていっている。
「今度は俺の番かな。『ファスト・スピード』。」
ヴァンは青色のオーラを一瞬だけ纏ったと思うと走り出した。ここに来るまで走っているのを見ていたがそれより速くなっている。腰から短剣を抜くと敵の襲い来る攻撃が届く前に走り抜けていき攻撃したら距離を取って再度攻撃を仕掛けにいく、ヒットアンドアウェイを繰り返していきどんどんHPを削っていく。
「そういえば、伝えていなかったけどヴァンが急に速度を上げたのはスキルを使ったからよ。まぁなんとなくわかるでしょ。ほら、あいつに気を取られているうちに攻撃するわよ。」
フレイヤがまた魔法を打つ準備をしているので、自分は再度接近をしていく。
戦闘が長引くと集中力が増していくのがなんとなくだけどわかってくる。
「胴体にはあまり攻撃が通らないから残っているのはあの頭の部分だけだよね。行くか。」
フレイヤとヴァンの攻撃でHPはほとんど削れているのであと少しになっている。せっかくのボスなのに私の出番がほとんどないのはさすがにつらい。
接近しようとするとラフレシアンはこちらに気が付いて手であしらうかのように何本かの根っこをこちらに振るってくるが、雑な攻撃なので防御するまでもない。
今日最高に視界がクリアになっていてどう攻撃が来ているのかが一瞬でわかるのでダンスをするように根っこをくぐり抜けて体を支えている複数ある根っこの内の一本に飛び乗る。
「さてと、本気で行くよ。」
気合を入れなおすために頭のよこにずらしていた仮面を着けなおす。この仮面は着けても視界が狭くなることもない便利なもの。
体を揺らして落とそうとしてくるが体を支えている根っこでもあるので大きく揺れることもないので落ちることはない。でもこのぐらい揺れているのは昔、日本最大級のアスレチックの頂上の到達最速記録を塗り替えた時以来だ。
それを思い出しているうちにもう花弁の目の前に到達した。
「一発重たいので決めるよ。」
剣を振り上げると少しだけ溜めるようにしてから斬りかかるといつもの攻撃とは違い力強い気がした。
『ぎにぃあああ』
ラフレシアンは変な悲鳴を上げるとHPが0になり爆散してはじけ飛んだ。
そのせいで足場を失ってお尻から地面に落ちてしまった。かなり痛い。
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