第六十八話
「残りは一匹になったよ!ソフィアちゃんあとは1人でいけるね!!うん、いけるね。」
「それは流石に無理ですよ!?ほら、リーダーがボスの一匹を倒した途端、この人?目が真っ赤になりましたよ!!」
1人一匹でいいだろうと押し切ってしまえば私の役目は終わりだろうと思っていたけどさすがにそんなことはなかったらしい。
私も青色の方のボスを見てみると目に発光体でも仕込んでいたかのように赤くルビーのように光を放っていて、相方を倒されて怒りを爆発させているのがわかる。
その目を見て、昔溜まり場でレトロなゲームをしていたフレイヤをふいに思い出した。
「テンプレ展開だけど、追い詰められたらラスボスは切り札を出してこられたら結構きついんだよな。」
「これが、切り札ってやつなのかな?ただ目が赤くなっただけで終わるわけがないとは思うけど。」
そう思っていると青色のボスは体の前方の腹部分を大きく膨らませたと同時に、怒号のような馬鹿でかい奇声をこの広場全体に響き渡らせた。
ゲームの中だというのに鼓膜が破れてしまいそうな大音量だ。
それに呼応して取り巻きたちまで奇声を発して目を真っ赤にさせていく。
「うおぅ、なんだ!いきなり攻撃が強くなったぞ。
「お前、盾に爪痕が。あれをまともにもらったら一発であの世にいっちまうよ。」
取り巻きの攻撃を受けたNPCの兵士たちが騒いでいるのを見ておどろいた。あの奇声はボスだけではなく取り巻きたちにも影響があったらしい。金属製の盾に傷つけるぐらいの攻撃力増加をしている。
さらに、取り巻きたちからの目からは真っ赤な液体が流れ出ている。
「流してはいけないものを目からすごい勢いで垂れ流しているの怖。。。」
目から垂れ流してしるのは明らかに血であり、出してはいけないぐらいの量が流れていてこのゲームの対象年齢が全年齢というのが怪しく思ってしまう。
しかし、夫である青色のボスモンスターが血の涙を流すのはわかるけど取り巻きたちが流すのはおかしい。何かおかしいことが起きているのは確かだ。
「おい気をつけろよ!攻撃力だけじゃなくて防御力までかなり上がっているぞ!」
兵士の誰かが叫ぶと同時にあちこちで悲鳴が上がっている。
「ソフィアちゃん!さっさとあいつを倒さないとNPCの兵士さんたちが全員倒されちゃうよ!」
「だから、一人では無理ですって!目が真っ赤になってから速度も速くなってますし、体の色もブルーラベンダーのような色になって強くなっているんですから。助けてください!!」
「しょうがないね。でも、物理攻撃しか私持っていない、、、。こいつ物理攻撃にめっぽう強いけど。」
どうすればあいつにいいダメージが入るかな~って肩に短刀の峰をぽんぽんと当てて考えているとソフィアちゃんがボスの攻撃で目の前まで飛ばされてきた。
大丈夫かなって確認しようとしゃがんだ途端胸倉を掴まれてぶんぶんと揺らされて
「補助魔法で攻撃に魔法属性が付くやつを付与しますからさっさと助けろよ!!」
「あの~ソフィアちゃん?リアルのような口調になってますよ。あと揺らすの止めてください、気持ち悪くなってきたから。」
ソフィアちゃんのHPもかなり低くなってきていて危ないのがわかるけど、口調まで変わるほど危ないのかな?
乗り物酔いとか画面酔いとかはしたことはないけど人に直接体を揺らされるとゲームの世界でもこんなに気持ち悪くなるもんだね。今日一番の教訓。
「魔を討滅せし女神の灯を『聖なる種火』ほら、これで武器に火属性の魔法が付与されたので戦ってください!早く!」
短刀がほのかに火を纏ったような透き通った橙色が灯される。
なんだかすごく力を宿したかのような名刀のように見えてゆっくり見てみたいのだが、そこに青色のボスモンスターが先ほど見た時とは違い機敏な動きで私とソフィアちゃん2人まとめて噛みついてこようとしてきたので私は反撃スキルを発動させる。
『水影』
相手の噛みつきの瞬間に避けるルートに勝手に体が動いていき背後を取るスキル。自動的に避ける技であるがスキルを発動するタイミングが難しいけど相手の無防備なところへ最高の一撃を繰り出す状況を生み出す。
『アサシンアタック』
付与込みの背後への攻撃の威力を向上させる水平斬り。
切り傷から炎がほとばしる。
「よし!いいダメージが入ってそう!これなら私でもダメージが出せるかも。」




