第六十七話
右左と上手くコンビネーションの爪攻撃を仕掛けてきたのをなんとか躱し攻撃をするタイミングを測り、短刀を素早く振り抜いたが爪に当たりコンビネーションを中断することは成功した。
爪なので女夫青に対してのダメージはほとんどない。
「私っていつもダメージばかり考えていているから一発いいのが与える回数が少ないのかな。けど、攻撃は最大の防御っていうけど、こんな攻撃ではない気がする。」
ただ、無闇に攻撃を避けるだけではいけないのはわかるが、何をすればいいのかはよくわかっていない。
目の前のこいつは戦うことを楽しんでいて油断をしているっていうのは見てわかる。
相手のことを考えるのは後で自分のことを考えよう。
昔の喧嘩したときもまず私に何があるのかを考えていたからそれから始めよう。
別に追い詰められたわけではないのだが、早く倒してイベントクリアの順位を上げていいギルドホームを購入をするというリーダとしての義務があるから急がなくてという勝手な焦りを感じている。
「私の職業の忍者は直接戦闘向けじゃなくて支援系だと思うんだけど。けど、戦えないわけではない。あとは短刀のスキルが思ったよりも癖が強いな。」
短刀自体がリーチがかなり短いだけじゃなく短剣の時よりもずっしりと重たい。そのせいで短剣に慣れてしまった状態で同じようにスキルを使おうとしてしまって空振りをしてしまいそう。
スキルもあまり使ったことのないのもあり、夫婦にはあまりいいダメージをだせていない。
「わ、私の相手はありえないぐらい機敏に動いていて中々まともに攻撃が当たらないです。私自身もスピードのあるステータスだから対抗できるはずなのに。」
「こっちは耐久性が高いし、モンスターのスキル?なのかな巧みに使ってくるから中々。」
ソフィアちゃんの方も苦戦はしているのだが、夫婦の方もこちらを面白いようにいたぶることが出来ずに出会った時の余裕を感じた笑みは弱くなっている。
私としてはこのまま戦えば短刀にもなれてくるので目の前のこいつを倒すことは出来るがそれまでに周囲の兵士たちや仲間は消耗していく。また、今は2対2で戦ってくれているが下手すると周囲の取り巻きごとこちらを攻撃していくるかもしれない。
だから、そろそろ勝負を仕掛けるしかない。
「ソフィアちゃん、スイッチするよ。タイミングは見ればわかると思うからよろしく。」
「え!?見ればッてどういうことです、、、」
ソフィアちゃんの返事は聞かずに敵の攻撃をクリティカルを出さないようにして少しだけわざともらうことを繰り返していく。
わざと攻撃をもらうのは、というよりかはあんな鋭利な爪が迫ってくるのを受け入れるという行為自体怖いに決まっている。
自分のHPが半分を切ったので背中直線状にがソフィアちゃんいるように調整をして攻撃を耐えるためスキルを発動させて後ろに飛び盛大に攻撃をもらったかのように演出をする。
「ちょっ!?これがタイミングなんですか!?」
ソフィアちゃんは両足でかわいらしく膝を突き合わせるようなジャンプをして飛ばされていく私を躱した。ちなみにパンツは見えたのだが何色だったのかは言えません。(私とは違って明るめの色だったと言っておこう。)
『戦闘続行』
このスキルは職業特有ではないが、強力な攻撃を受けた際に戦闘中1度だけ発動する。効果は受けた攻撃によるダメージを軽減させる。ノックバックは効果には含まないので注意。
さらに戦乙女の天幕の効果でさらにダメージは軽減されるので、HPは2割を残して耐えることが出来た。
これによって忍者のスキルの『死中に活』が発動する。
残りのHPが少ない状態の間は発動、全ステータスの向上させる効果である。
短刀を扱うために力と器用さが足りなかったと思ったので、ステータスを向上させるこのスキルを発動させるために、死ぬか生きるのかの危ない状態にならない。
飛ばされた先には高速で動く紫色のボスが目をカッと開いて驚いて固まっていた。
「ソフィアちゃんは青色のやつに魔法を駆使して攻撃を仕掛けてみて!物理防御はとても高いと思うけど魔法に対してはたぶん低いと思うから。」
青色と戦っていた時と違って短刀がちょうどよい重さになった。
紫色のボスは正面きって戦うのがまずいとでも思ったのか側面に高速移動をしようとするが、わかりやすい。
「人間もそうだけど、素早く移動をするのならどうしても足の向きは走る方向へと向いてしまう。ましてやモンスターだから純粋な速さのみで駆け引きをするわけでもないから予想が付きやすいんだよ!」
『一刀破断』
抜き身で居合のような高速の水平切りを低い位置で繰り出すスキル。
今持っている中で最速の攻撃用スキルになる。
急な加速に加えて足払いで出鼻をくじかれたボスは盛大に顔からこけてしまった。
「悪いな。いくらスピードが速かろうとも転んでいちゃなんも出来ないよな?本来のスピードに乗っていればと思うなよ。そして、頭のいいAIにいい言葉を送ってやろうじゃないか。お前のスピードは『えせ侍の刀弄り』なんだよ。ヒャッハー!」
『一刀豪斬』『ダブルスラッシュ』『2連刺突』etc...
かわいそうなものだった。ただ一度だけ走ることを止められただけで私がもつ短刀のスキルをすべてクリティカルでもらってしまうのだから。
最後の方なんて小刻みに体を震わせていたし、紫色が返り血のように見えてしまったときにはすでに爆散していて終わっていた。
「うわぁ、あれが拙者たちのリーダーだなんて野蛮人にもほどがありますぞ。」
「そうね。さすがの私でもあんな狂気じみた顔をして攻撃をする人はPKでも見たことがないわ。」
遠くから仲間の声が聞こえてきたような気がするけど流石に間違いであると思いたい。
あと、このボスモンスターあっさり倒せたけど本当にイベントのボスモンスターなのだろうかと思ってしまう。
新しく導入したAIの試験をするためだけにこのイベントを開いたからボスの調整を間違えたのでは?とおも思えてしまう。




