第六十四話
「さて、じゃんけんという崇高な儀式の結果で見事選ばれたのはサイレント殿とソフィア殿になります!さて、早く騎士たちを救ってください!」
じゃんけんに熱が入っているとこの中央広場まで案内でついてきてくれたNPCのマツ兵士が急に審判を勝手にし始めて気を取られているうちに1番目に負けてしまった。
この世界にもじゃんけんという文化があってNPCにも知られていることに驚いていた。
しかも、マツさんは普通の日本人のような見た目をしていて何か個性があるようには見えなかったが、急に変貌してこのゲームのNPCにも普通とは違うAIを搭載しているのかもしれない。
2番目に負けた人を決める時には10回以上のあいこを繰り返して決定していた。
「私って強いのか弱いのかよくわからなくなってきたわ。ま、欲しいグッズの抽選販売にもまともに当たったことがないから、実際リアルラックはかなり低いという自覚はあるけどね。ハハハ。」
「それは私のセリフですよ。直接戦闘をするステータスでもないのに選ばれているんです。」
あの夫婦モンスターの戦闘を見ていると一匹が前衛、もう一匹が後衛というオーソドックスな陣形ではなく、どちらとも前に出てきて連携をして兵士たちの命を確実に刈り取っている。
私が前衛に出て2匹の注意を引いて戦うのは難しいと思うけど、ソフィアちゃんが新武器を使えばその問題も解決するだろう。
「ソフィアちゃん、レイピアと小さい盾を使って頑張って戦ってね。じゃないと流石の私でも無理だからね。」
「あら、いよいよソフィアちゃんの新武器お披露目なのね。女騎士のように見えてこのメンバー唯一の目の保養になるのよ。」
ヒビキちゃんが乙女の目になってすごく不気味で少し身震いしてしまった。彼女だからかそう思いそれを口にうっかり出してみようものならこの世の地獄を見ることになってしまう。
じゃんけんで負けたことをいつまでもくよくよしていても仕方がない。
「よし!お前ら私とソフィアがあいつらの首を取ってきてやるから取り巻きどもをしっかりと抑えていろ。出来なければかつて魔王フレイヤと考えた罰ゲームをやらせるからね。特にルイスは調子に乗らずにやれ。」
「「「(魔王フレイヤって血濡れの皇女と呼ばれるあの。。。そんな罰ゲーム絶対に)ィヤアアァ!」」」
嫌と掛け声が混じっていたけど、これを言えば自然とみんな気合が入ることがわかったからこれからも使っていこう。そして、フレイヤの恐怖伝説を少しずつ広めてあげよう。
ソフィアちゃんはメニュー画面から装備を取り出して装着する。
肘や膝などには金属のプロテクターのみであとは動きやすいように余計な布を極力減らした格好になった。魔法で援護をするような魔法職の人の見た目ではなく騎士のような。
初めて見たソフィアちゃんの職に適した装備を見ていると、周りのみんなはマツ兵士と一緒に広場に向かっていた。
「ソフィアちゃん、私に負けないように活躍してしっかりとあいつらの気を引いてね。」
「リーダーはいつも通りしていれば問題なさそうなので私頑張ります。」
「冗談だったなのにな。あの夫婦に選ばれるまで取り巻きを倒し続けることになるけど、できる限りまとまりながら戦う必要があるからね。その方が2人揃ってお眼鏡にかなう可能性が高くなるからね。」
「わかりました。それじゃ、まずはバフをかけておきますね。『フォース・ストレンジ』、『アース・プロテクト』」
ソフィアちゃんが魔法名をいうだけで魔法が私にかけられる。
なんの効果だったかな。。。
「物理攻撃力と物理防御力を高める魔法をかけました。今回のイベントのモンスターは特殊攻撃はしてこないので、この2つで問題ないでしょう。行きましょう。」
「お、おう。武器だけじゃなくて魔法についても勉強しとかないといけないな。学校だけじゃなくてゲームでも勉強しないといけないとは。」
人生って学校や会社いがいにも勉強をする必要があるのは、先生からも常々言われているけど本当だったんだな。
勉強、運動などめんどくさいと思ったけどそのやり方を知っていれば応用が利くね。
今は、夫婦とソフィアだけに集中することにしよう。




