第六十二話
「じゅ、19番目!?やばくない!?」
「ほんと!やばいよね!?」
主語はなんだ主語は。何がやばいのか?やばいとはポジティブなのかネガティヴなのかもわからない。
ハヤトの仲間たちは私以上に語彙力がないので何が言いたいのかがわからない。どうやって意思疎通をとっているのかが不思議だ。
「ヒビキちゃん、19番目って何がやばいの?良いこと?悪いこと?」
「そうね、良いことの意味でのやばいね。このイベントの参加グループは事前の調べでは100以上と言われているの。だから当日参加しているのはそれ以上になるわ。」
「つまるところ?」
「十分に上位を狙える順位に今いるってことよ。リーダーの機転のおかげでね。」
今現在は上位を十分に狙えるところにいるってことは、上位入賞の賞品が手に入る可能性がある。商品は売ってしまえばギルドホームに出来てより広いところを購入できる。賞金なら尚のこと良し。
「よし!か、じゃなくて上位入賞という名誉のためにガンガン行こう!」
(((うちのリーダー、上位入賞の賞品を金に変える気まんまんだな。)))
ハヤトたちはすぐさま元気よく返事をしてくれたのだが、うちのメンバーは何故かこちらをみる目が冷たい。金とは言っていないのに金目的と伝わってしまったかな。
『最終ステージ3の準備が完了しました。シナリオを開始します。』
やる気が出ているところにちょうどアナウンスがやってきた。
最終ステージの準備が完了だが、今のフィールドはステージ2のボスが倒されて活気付いているだけで何も変わっていない。
シナリオを開始と言っているので何かしらNPCたちに変化が起きたのかもしれない。
「そこの冒険者たち!先ほどはモンスターたちのリーダーを倒すとは助かった。こちらの戦力もこれだけの被害で済んだ。」
後方で待機していたちょび髭の兵士長が私に声をかけてきた。
ちょび髭のキャラはあまり役の立つ人ではないイメージだったが彼は兵士を鼓舞するという良い役目を与えられていたのでそれなりに重要なキャラなのだろう。
「いえ、こちらも冒険者としての責務を果たせてなによりです。」
一応それっぽいことを言えばいいのだろう。
シナリオってアナウンスで言っているのだからこちらもそのシナリオの冒険者というキャラクターになりきるのが今、得策だろう。
意外と演技派なのかもと思ったが後ろで仲間たちに笑われて、そうではないということがよくわかったが少し恥ずかしい。
「君たちのような勇敢な冒険者は見たことがない。」
「いえ、兵士の方達の尽力のおかげです。それより兵士長が自ら声掛けしてくれるということは何か入り用なのでしょうか?」
兵士長は本来の目的をすっかり忘れていたことを思い出したのか咳ばらいをして姿勢を正す。
「その通りです。我ら騎士団の団長殿にここの戦闘について報告をしたところ別の地区の防衛にも君たちにも参加するよう伝言をいただいた。今すぐ移動していただきたい。」
新たな登場人物の騎士団長に目を掛けられた。
別の地区に移動をしろということはそこが最終ステージということなのだろう。
「わかりました。騎士団長殿にこれから向かうと伝えてください。それで、別の地区というのはどこのことなんですか?ここから遠いとか?」
「いえ、この拠点の中でして中央の広場になります。そこに強力なモンスター2匹と取り巻きのモンスター達が侵入してきており、中の兵士たちだけですと防戦一方の状況でして。団長殿もそこに向かいたいのはやまやまですが、別の地区で強力なモンスターが複数出現しその対処をしておられます。」
兵士たちがいう強力なモンスターというのは団長しか対処が出来ないのはかなりやばいのでは?
複数の兵士がいれば時間はかかるものの一匹ずつ対処することが出来ると思うが出来ないとなるとここの防衛拠点の兵士たちって私たちプレイヤーより弱いってことになるよね。
「(かなりやばいところに放りこまれるイベントなんだね。)わかりました。では、行きましょうか?あの道をまっすぐ行けば?」
「はい、マツ兵士。案内をしてあげなさい。」
「了解しました。冒険者の皆様、私についてきてください。」
ちょび髭兵士長の横後ろで付き添っていた兵士は指名されると敬礼をし手招きをしてきた。
「いよいよね。こういった団体のイベントは初めてだし最終ステージともなるとテンションがあがるわね。やってやりましょう、リーダー。」
「ヒビキさん、今まで以上に生き生きとしてますわ。私も初めてのイベントなのでちょっと燃えてきたしたわ。」
「ヒビキ殿もソフィア殿もやる気十分ですぞ!拙者、上位目指して頑張りますぞ!」
うちの人達はたくましいですね。
見ているこちらまでもやる気が湧いてくる感じがある。NPCにだけどこれから更に強いモンスターと戦闘になると言われると上位者の賞金のことより気になってきた。
お金の事よりも強敵に惹かれるのは昔からだね。
「よし!遅れないようにさっさと、、ってなんで私を置いていくの⁉」
リーダーを置いてギルドメンバーだけでなく、ハヤトたちも兵士の人に走ってついていっている。私だけが遅れてしまってるのは許しがたい!
これはルイスを懲らしめないと。。。
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