第四十三話
「あら、お待た。いきなりギルドを作るから集合って何があったのかしら。」
少しだけ待つと転移門からヒビキちゃんがやってきた。
この前会った時とは所々装備を変更していてさらに筋肉美が引き出されていた。
「実はルイスがね、コレコレでコレコレというわけだったの。だから、ヒビキちゃんにも私がリーダーのギルドに入ってほしいの。プレイヤー歴が先輩なのがルイスだけっていうのも嫌だし、知らないプレイヤーを誘うのはソフィアに害が及びそうだし。何より、ヒビキちゃんは頼りになるから。」
ヒビキちゃんは満面の笑みで親指を立てて了承してくれた。
やっぱりルイスと違ってヒビキちゃんは頼りになる姉御だ。
「それじゃ、ギルドを作りに行きますか!」
メンバーが揃ったので早速第一の街のギルド会館に行こうとしたのだが、
「ちょっと待ってください。ギルドの名前はもう決まっているのでしょうか?」
「「、、、」」
「あら、まだ決めていなかったの。」
「「はい、、、」」
「それじゃあ、みんなで意見を出し合いながら決めましょうか。あそこのカフェでね。」
ヒビキちゃんが案内してくれた先のカフェは、第一の街で有名なスイーツの店でありお得意様になれば個室を利用できるとのこと。彼女は店員のNPCに一声かけるとすぐさま奥に案内をされていた。
何をすればお得意様になれるのだろうかと思いながらデカい背中についていくとだだっ広い部屋に辿り着いた。
「さて、私のおススメが後から運ばれてくるから今のうちにみんな一人1つは案を考えておいてね。」
「「「はーい!ゴチになります。」」」
「あら、みんなギルド名よりスイーツの頭になっちゃってるわ。」
ヒビキちゃんのおススメのスイーツだから外れだということはないだろうから楽しみだけど、今は頑張って頭を切り替えて考えないと。
何がいいかな?
そう思っているとすぐさまNPCがケーキや紅茶を運んできた。
目の前に来たケーキはリアルのものとは大違いで何故か輝いて見える。手が勝手にフォークに伸びてしまう。
「さて、誰からギルド名を発表してもらおうかしら。ソフィアちゃんは考え付いた?」
「はい!私は『スイーツ同盟』がいいと思います。こんなスイーツを求めるために活動をするということで。」
「この中で一番まともそうな子がスイーツに飲み込まれちゃっているのね。ゲームならではの名前でいいとは思うわ。次は、ルイス。」
「拙者は『魑魅魍魎』がいいと思いますぞ。紅一点のソフィア殿を除けばそういったもの達ですからね。」
「間違ってはいないわね。このメンツだとそういった感じが似合うとは思うわ。けど、その名前は他の頭がおかしいギルドがもう既につけているからおすすめはしないわ。」
「それじゃ、私の番ね。どんな困難も忍耐強く努力すれば達成する四字熟語から『魔斧作針』。ヒビキちゃんのメインウエポンが斧に似ているからぴったりだと思う。」
「四字熟語はいいとは思うけどそのままだとね。」
「それじゃ、ヒビキちゃんはどんな名前を考えたの?」
「私はね『仮面少女と愉快な配下たち』」
「「却下」」「私はいいと思ったのですが。」
ヒビキちゃんが落ち込んでいて隙が出来ているのでまだ手が付けられていないケーキをさっと奪って口に放りこむ。自分が食べたものとは違う味で美味しい。
それからはみんなでギルド名を色々と出し合っていった。
『道化師クラウン』
『甘党シュガー』
『天馬』
『鮮血の槍』
このメンバーに対して関係ないようなものや、少しだけ関係がありそうな名前がどんどんと出てきた。こういった話をし始めて1時間近く経ったのでそろそろ決めないかということになった。
「よし!まずは一人1つ選んで絞って、その中の候補をじゃんけんで決めていくって感じでどう?」
「ええと、拙者はこれで。」
「私はこれにします!」
「これにしようかしら。」
「それではみなさま拳を突き出して、、、じゃんけんほい!」
勝負は一発で決まった。
勝者はソフィアであり、彼女が選んだギルド名は『色彩の集い』
「ソフィアちゃんはなんでこれを選んだのかしら。」
「みんなが出していった中でぱっと目に入ったのがそれだったんです。あとは、この前パーティを組んだ時、サイレントさんのいつもつけられている仮面が色々な色に変化しているの見たので。」
「なる程ですぞ。多彩な色に変化するサイレント殿をラウンドマークとして集う拙者たちということですな。」
何故かみんなソフィアちゃんの選んだギルド名に納得をしているが、私としてはなんだか複雑な気分だ。このギルドが結成されれば色々な人に私が知れ渡っていってしまう。
性格上、あまり目立たなくて誰かの後ろで色々と暗躍している方がよっぽどいいと思っているのだけど。
「仕方ない、ルイスを助けると言ったからには腹をくくるしかないもんね。女は度胸!って誰かがいった事があるような気がするからね。みんな楽しそうなところ悪いけど、そろそろギルド結成の登録をしにいくよ。」
「「「はーい。」」」
「あと、ここの支払いはルイスがやってくれるとのことで、ゴチになります!」
「「ありがとーございますー。」」
「えっ!?拙者なの?」
ルイスは渋々お支払いをしに会計担当のNPCに歩いていったので、さっさと店を出る。後ろのほうで「こんなにするなんて聞いてないですぞぉ!」と叫ぶ声が聞こえてきたのだが、私を巻き込んだのだから今後のことを考えれば序の口である。
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