第四十二話
「ルイス、この老人がギルドを作るためのクエストのフラグになっているのであってる?」
「そうですぞ。このお方はいくつものギルドを束ねて管理していたギルド長だったらしいですぞ。」
今目の前にいる老人は、色々なところが擦り減っており汚れがものすごく目立ち、顎髭はびっしり生えており一言で言えば汚い人という感じにしか見えない。
ギルドを束ねているものとは思えない。
現在、ルイスが自分に降りかかる災いから逃れるために私を巻き込んだツケを払うことになった。
そのツケがギルドを作ってルイスを入れるということだ。
ギルドを作るためには、特別なクエスト『迫害されし男』をクリアしないといけないらしい。
クエストの内容はお使いと最後にNPCと戦うことだと。
話をルイスに聞いてみると誰もがもう内容を知っていてよくあるような話であると。
彼はギルド長としてかなり敏腕だったらしく、ギルドやギルドをまとめているギルド職員の不正を絶対に許すことはなく貴族などの権威に屈することもない実力のある人であった。そんな完璧を演じている彼のせいで裏で自身の懐を潤すことしか考えていない連中にとっては目の上のたん瘤であった。
そんな連中は手を組んで彼を失脚する計画を立てて実行し成功した。結果、彼はギルド長の座から失脚し、成りあがった連中はギルドから彼の正当な税金集めの数倍にもなる金を徴収はするものの何もしないという無能な連中だけが得をする状態になってしまった。
そんな状態を打開することがこのクエストのストーリーとなる。
彼に声を掛けることでクエスト開始がトリガーとなる。
しかし、どっかにいけと言われてしまいこの場から立ち去るとフードを深くかぶった性別も年齢も不明な人から頼まれごとをすることになる。その頼まれごとの内容が、あるダンジョンの奥にあるものを取ってきてほしいとのこと。
その取ってほしいというものというのが何かの計画がびっしりと記載された書類。このゲーム内ではどんな言葉で記載されていても何故か読むことが出来るのだが、その書類は呪いが掛かっているらしい。
それをフードの男に渡そうとすると『あの路地裏の男にそれとこいつを渡せ』と言って誰かから逃げるようにその場を立ち去っていく。
強制的に渡されたものを男に届けると背後の壁を裏拳で叩きつける。フードの男が渡したのはギルド長と貴族たちの不正資料と裏の組織と繋がっている記録であった。
それから裏の組織の取引があるとされる場所まで男を連れていくことになり、たどり着くや否や裏の組織が襲ってくる。これを撃退するとクエスト完了となり男は騎士たちに迎えられてどこかへ立ち去っていく。
そして、ギルド会館と呼ばれるギルドを束ねる場所へと行くとギルド長から無償でギルドを作る権利があると言われてクエスト完了。
その後はギルドをいつでも作ることが出来るようになるというものだと。作ったギルドのメンバーで共有して使用が出来るギルドホームを建てることも出来るが、その規模に応じて税金という名のお金を3か月の一度徴収されるとのこと。
大きさによって払う税金の比率は高くなるため、大型ギルドには毎月のノルマというものがあるらしい。
「これで、クエストは終了ってわけだよね。早速ギルドを作ろうか。」
私とルイスでクエストを完了させて早速ギルド会館でギルドを作ることになった。で、困ったことが2つあった。
「ギルドって作るためには4人以上のメンバーが必要で、ギルド名をその場で決めないといけないんですぞ。」
「ギルド名なんて簡単に思いつかないし、メンバー4人が必要ってそんな話は今聞いたのだけどどうするの、ルイスちゃん?」
「、、、そうですぞ!メンバーの1人にヒビキ殿を誘うのがいいのではないですぞ!まだどこのギルドにも所属はしてないらしいのでいいと思うのですが。」
「あと、一人だけどね。私の知り合いだとフレイヤとヴァンもギルドには所属しているから無理だし。あの子は大丈夫なのかな?」
フレイヤの名前を聞いてルイスの顔の色が少し悪くなっていた。怖いもんね、彼女。
「誰かいい人でもいるのですぞ?」
「まぁまだ初心者だけど、イベントで組んだパーティに足りない要素を持った人。ギルドって第一の街でも結成することが出来るんだよね?」
「そうですぞ。」
「なら、そっちに行こうか。2人とも今ログインしているからメッセで呼びかけようか。ヒビキちゃんならすぐ来てくれると思うし、来なかったら襲って首輪をつけて連れてこよう。」
「サイレント殿って時々フレイヤ殿のような怖さを秘めていることがありますぞ。」
とりあえず、ソフィアちゃんにメッセを飛ばしたらすぐさま連絡が返ってきて『大丈夫です!』と。とりあえず、目的地まで向かいながらヒビキちゃんからの連絡を待つとしようかな。
ギルド会館の職員には申し訳ないけど、書類の申請は断って第一の街に向かうことに。
転移門で一気に転移をしてソフィアの到着を待つと、手を振りながらこちらに走ってくるのがすぐに確認することが出来た。
「サイレントさん、この度ギルドの結成にお誘いいただきありがとうございます。それで、そちらの方は?」
「ああ、彼は私のどれ、部下のルイス。ヒビキちゃんと同じように私よりもこのゲームの経験値があって補助役なのでソフィアの戦闘スタイルに近いものがあるから困ったことがあれば聞いてみればいいよ。」
「サイレント殿、拙者の事を奴隷と、、、なんだかフレイヤ殿にやらかした時のことを思い出しますぞ。」
ソフィアはあれから装備は変わってはいないものの最初の頃のような初心者の雰囲気が消えていて、リアルでもそうであろうお嬢様という感じが伝わってくる。
彼女自身、そんじゃそこらのプレイヤー以上にプレイスキルが高いので私自身もっと強くなりたいというための対抗心で頑張っていけそうだ。
「さて、あとはヒビキちゃんだけだしゆっくりと待つとしますか。」
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