第三十七話
「こんにちは〜!寂れた店にお客さんとしてきてお客さんも連れてきたよ!」
「おい、寂れたは余計だ。なんだ、お客さんって言うからフレイヤを連れてきたかと思ってヒヤヒヤしたじゃないか。」
元気よくカインのお店の扉を開いて挨拶をするとカインはビクッとして立ち上がったが、恐ろしい人物がいないことに気が付くといつも通りの減らず口を叩く。
カインは弄った方が輝く人物なのではないのだろうかと思ったのと同時にフレイヤはその本質を見抜いて色々と(度が過ぎる)弄りをしているのではないのかなと考えた。
「それで今日は愉快なメンツを揃えてやってきたというわけか。」
「愉快だなんて、そこのオカマぐらいでしょ。」
「サイレントちゃん、雑な扱いをしているとぶつわよ。」
ヒビキちゃんを扱うのは雑ぐらいがちょうどいいぐらいかと思っていたけど違ったらしい。反省しよう。
「ええと、とりあえず筋肉隆々のオカマが頼れる前衛職のヒビキちゃんで、そこらの女性が眩んでしまうぐらい可愛いのがソフィアちゃん。今日は3人とも装備の耐久値の回復をしてもらいにきたんだ。」
カインは2人をじっくりと見てから安堵のため息をついた。私の知り合いだからということでフレイヤのようなヤバい人でも連れてきたのかと品定めじみたことをしていたのだろう。
私はともかく2人はそんなことはないと思うけど。
「初めてまして、サイレントちゃんとはイベントで一緒にパーティーを組んでからのフレンドよ。気軽にヒビキちゃんって呼んでね。」
「わ、私はソフィアって言います。先程ナンパ?て言うのでしょうか、男の人に絡まれていたところ助けてもらってからフレンドになりました。」
「今さっきかい!てか、サイレントの方が可愛い子を見かけたら絡んでいきそうだと思ったが。」
「可愛い子がいたら遠くで温かい目で見て癒されてから立ち去りますよ。」
まったく、カインは私のことをどんな風に思っているのやら。私はさっきの男達みたいに性欲丸出しでもないし年頃の女の子と同じだと思っているんだけど。
隣のヒビキちゃんが可哀想で危ない人だぁみたいな目で見てくるのはひどいと思う。
「とりあえず、私とヒビキちゃんは耐久値回復をお願い。あと、ソフィアはレベルとステータスで今の装備が合っているかカインに相談してみたら。いいアドバイスをくれるよ。」
「ま、だてに生産職をしているわけではないからね。まずはソフィアさんから相談するかな、2人の装備の回復は裏にいるNPCに任せておけばいいと思うし。」
この店にNPCがいるということは初耳だし、個人のお店でNPCっているんだ。
「サイレントちゃんは知らないようだけど、こういったお店とかではNPCを雇うことが出来るのよ。鍛治職なら装備の耐久値の回復をしてあげたり、物品を売っているのならレジとかNPCごとに特徴を活かしてね。」
「なるほど、NPCを雇うってことはそれなりに金策ができている人にとっては作業が効率化にお金を回せるんだね。カインて金策ちゃんと出来ているの?あんまりそういったことは得意には見えないけど。」
「俺もそれなりには稼いでいるんだよ。あと、生産に関してだけということで雇用しているからそれなりに安く住んでいるし。他のプレイヤーだとレジとか素材の管理とかもお願いしているからそれなりに高くつくらしいけど。」
NPCを雇って作業をさせるにもそれぞれ用途別に設定が出来ると言うことなのね。NPCでどういったことを任せることが出来るのかはどこかで調べてみることも必要かもしれないな。
「それじゃ、ソフィアさんだっけ?とりあえず、あのバカは放っておいて装備について話そうか。」
「サイレントさんは少しお茶目なだけだと思うのですが、、、。」
カインに酷いことを言われたけど、我慢我慢。私は我慢が出来る女だからね。
「サイレントちゃんって今はレベルはいくつなのかしら?」
突然ヒビキちゃんから尋ねられたが今がどのぐらいのレベルなのかはあまりわかっていないのですぐに答えられない。前は20にはいっていなかったはずで、イベントでかなり上がったと思うけど。
ステータス画面を開いて確認をしてみると
「今は、29だね。少し前と比べるとかなりレベルが上がっているね。」
「そうね、イベントは経験値を大きく稼ぐチャンスだからね。後、29っていうことはあと1レベルで職業が解放されるのね。」
「なにそれ?すごい興味あるんだけど。」
ゲームを始める前に色々と調べていた時に、昔のRPGのゲームで職業システムがあって面白いって聞いたことがあるのだけど。なんか職業ごとに特徴のあるステータスや技を覚えられるらしい。
このゲームの世界でも職業があるって初めて聞いたからちょっとわくわくする。
「レベル30になると職業クエストっていうものを受注することが出来るの。それをクリアすればステータスに適した職業ならどれでも選択できるの。」
「なるほど、職業ごとに大きくステータスとかスキルとかも変わってくるの?」
「ステータスに関しては大きくは変わってはこないわね。けど、変化はするから自分にあった職業を選ぶことは重要よ。後スキルはその職業になっていないと使えないような特別なものもあるわ。」
ということは特別なスキルでモンスターと戦うことが出来ると言うことだ。あれもこれもって試してみたいけど。
「職業って一度決めたら変えることが出来ないの?」
「変えることは出来るわ。けど、あまりおすすめはしないわ。職業のスキルって熟練度っていうのがあって変更しちゃうと全てリセットされちゃうの。」
なるほど、よく考えて選べってことね。これはヒビキちゃんに色々と聞いた方がいいね。
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