第三十五話
落ちてからは全くこのゲームの進捗らしき進捗というものがなく困った状況になり、その日はゲームからログアウトすることに。
硬いモンスターとの戦闘や高所からの落下ダメージによって装備品の耐久値がかなり減ってしまい、適正レベルで初めて行くようなフィールドで戦闘をしようとすると少し心もとない。
そう思ったので第六の街に辿り着いて転移門を登録をしたらカインの店に行って治してもらおうと第一の街に移動して向かってみるとカインはログアウトをしていたらしく店は閉まっていた。
他に店はあるのだが行ってみる気が起きなく結果私もログアウトをして、スーパーに買い物をしに行くことにしたのである。
そして、数日間は学校で忙しくてユートピアにはログインできずにいて今日は久しぶりにログインが出来る。そろそろヒビキちゃんもゲームにログインをしていると思っているので誘ってみようと。
「さてと、ログインをしたもののまずはカインのお店に行かないといけないね。」
そう思ってカインのお店に向かって歩いていく。
今日も相変わらず人がかなり多くいて邪魔くさいと思う心をどうにか顔に出さないように気を付けて人をかき分けるように進んでいく。
すると、突然後ろから誰かに肩を掴まれたので不審者かと思って振り向きざまに腕を払って、空いている手で即座に首元を掴もうとするが誰なのかわかったので寸前で止める。
「なんだ、ヒビキちゃんだったんだ。危うく首を掴んで潰そうと思っちゃったよ。あはは」
「あははって一瞬冷や汗が噴き出てきたわよ。あなたってゲームだけじゃなくてリアルでも相当強いんでしょ。」
「昔は喧嘩ばかり吹っ掛けられたせいで強くなったんだよね。今はそんなことは一切ないけどね。フレイヤの時は本当に今まで喧嘩してすみませんでしたって神に懺悔したくなったけど。」
「あー、フレイヤってリアルでも相当怖いのね。それより、今日は暇かしら?一緒に色々と回って見ない?」
ヒビキちゃんからのお誘いはとてもうれしいので二つ返事で一緒にパーティーを組むことにした。
「さっそくフィールドに行きたいのだけど、今装備の耐久値がかなり減ってるから馴染みの店に寄ってからでいい?」
「いいわよ。私もイベント後の初ログインだから装備の耐久値回復させてないのよ。ついでに私のも頼もうかしら。」
ということで2人でカインの店に寄ってから戦いに赴こうということになったので、最近の配信サービスについてどういったものが流行っているのかを喋りながら向かう。
やっとこさ人ごみから抜けれるぐらいまで端っこまでたどり着いてマーケットを抜けてカインのお店までの近道の裏路地に入ろうということになり入ると
「おいおい、ねえちゃんよ。ぶつかってきておいて会釈だけってそりゃねぇんじゃないか?なぁ兄弟。」
「そうですね、アニキ!これはちょっと付き合ってもらわないといけないですね~。」
「ちょっと止めてください。あ、あなた達からぶつかってきたじゃないですか。」
1人の女性が2人の男性プレイヤーに絡まれていた。
男性2人の装備はひと昔前の不良のような恰好をイメージしているのが一目でわかるような装備をしており、一般人なら関わりたくはない感じである。装備はアニキと呼ばれていたやつは両手剣に分類される少し大きめの剣を背中に背負っており、小物の方は木製の杖を持っていて魔法使いっぽいことがわかる。
女性の方は初心者装備の一つである身軽な革を使った防具を身に着けていて、腰にはリアルでもあまり見かけないレイピアを装着している。どこかのファンタジー小説でお嬢様がお忍びで冒険者になったようなオーラが出ている。知らんけど。
髪は銀髪であり長い髪を後ろで綺麗に結んだポニーテールにして動きやすいようにしてある。その髪が似合う小さな顔は男性を魅了するようにマッチしている。
「ちょっとちょっと、姉御~。こんな路地裏でチンピラがなさけないことをしてますよ。」
「あらあら、そうね。これは治安維持活動に励まないといけないわね。」
臭い演技をするあのチンピラをまねて適当にヒビキちゃんを姉御と呼んで見たら、ノリノリで返事を返してくれた。ちょっと嬉しい。
「なんだ?お前らは?アニキの邪魔をするなら俺が容赦しねぇぞ。」
チンピラの男が杖を手のひらでぽんぽんと叩いて顎をしゃくらせながら近づいてくる。正直気持ち悪い。
すると、何やらメッセージが届いた。『コビから決闘の挑戦状が届きました。受理しますか?』
数日前に公式サイトで見たのだが、この挑戦状をほかのプレイヤーとの戦闘をPKになる心配することなく戦うことが出来る。
だけど、こいつだけだと役者不足だな。
「お前だけだと瞬殺だからね。そこの男と一緒にかかってこいや。」
「そうね、それが無理なら私も含めて2on2でどうかしら?それで私たちが勝てばそこのお嬢さんを解放してあげなさい。」
「はん、俺たちを舐めてると痛い目に合うことを教えてやるよ。ですよね、アニキ。」
そこで、アニキに振るのは鉄板過ぎて仮面の下の口元が緩んでしまうぐらい面白い。
「いいだろう。そこのオカマと一緒にかかって来いよ。」
「姉御をただのオカマと一緒にしてもらったら困るぞ。カッチカチのオカマだぞ。」
「ちょっと、より一層オカマ感が強くなっちゃうじゃないのよ。」
ということで再度そこのチンピラAから届いた決闘のメッセージを受理して戦闘アナウンスが届く。
武器を構える時間のカウントダウンで5秒の猶予が与えられるが、準備は剣を抜くぐらいで十分だ。
『...3,2,1...決闘開始』
先程まで後方にいたアニキと呼ばれる男は両手剣を高く構えると何やらスキルを使った前方に加速をする突進攻撃を仕掛けてくる。間合いに入るや否や振り下ろしてこちらが懐に入ることを防ぐ意味での剣を振り下ろしてくる。
こいつはそこの、、、モブAでいいや。そいつとは違ってそれなりにはやるようである。
モブAは距離を取るわけでもなく魔法の詠唱に入っていく。
アニキの男の剣が振り下ろした個所からそのままこちらの首を狙う斬り上げで剣を振るってくるのをこちらは剣で軌道を逸らしながらモブAに向かってこちらも突っ込んでいく。
「魔法使いからやるのは常套手段だが背中が。」
「あら、私がいるからがら空きではないわよ。」
そこの男の相手はヒビキちゃんに任せて、こっちはさっさとモブAを仕留めていく。
こちらに歩いてきた時からなんとなく喧嘩腰の割には喧嘩には慣れていなさそうな感じがしたのでこちらから仕留めれば戦闘が楽になるのではと思った。
顔から狙ってみると案の定接近戦に慣れていないのか詠唱を途中で止めて杖を顔の前に横に構えて防御の姿勢を取る。初撃は防がれるけど、即座に腹を思いっきり蹴りぬくと尻もちをつきながらこける。
「さて、ボコボコのお時間ですよ~。」
モブAは仮面下の私の笑顔を感じ取ったのか、喧嘩売る相手を間違えたという顔をし始めた。
そう、仮面女子とオカマに喧嘩を売ると大変な目に合うと学校で習わなかったのかな?
一方的にボコしてHPを3割下回ったところでモブAが決闘で敗北したメッセージが表示される。流石にHPが0になるまでやるわけではないよね。
他の作品のURL
・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒
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・少女は魔法を夢見る
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