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ユートピア・オンライン〜ゲーム初心者の私が世界最大級のオンラインゲームに誘われたら〜  作者: 森の番人
第一章「Welcome, New World!!」

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第二十九話

 ヒビキちゃんが全力で投げたアイテムが目的のひび割れた壁に激突すると、少しだけ燃えたと思った瞬間小規模な爆発を引き起こす。

 ゴブリン達はクイーンも含めて全員が爆発の音源の方向に一斉に向く。

 爆発によって軽くえぐられた壁が段々と大きなひびを作っていき間も無く壊れるということを知らせている。


「ヒビキ殿、こいつを天井の紫の光に向かって投げ込んでほしいですぞ。」


「わかったわ。もう一発!」


 風を切るような音を立てながらヒビキちゃんはルイスから受け取ったアイテムを握って先程から紫の光を放つ箇所に向かって投げつける。

 少し経つと天井でも爆発が起こりきらきらと光るものが大量に落ちてくる。

 こちらにも小さなものが落ちてきたので手に取ってみると、黒く靄のかかるような紫色をした石であり先程まで光を放っていたものと思えない。


「鑑定の結果、これは魔石ですぞ。よくわからないものですな。」


 ルイスは『鑑定』を使って何かがわかったらしいけど、魔石ってなんだろう?


『よくも、よくも私が長年かけて集めた魔力と神聖な儀式を、、、』


 下ではクイーンが破壊された天井の石を眺めながら体を怒りに振るわせているが、もうじきそこは危ないので逃げた方がいいのに。

 天井からは細かい石から段々と大きな岩が落ちていて、ヒビキちゃんが最初に投げたアイテムで生じたひびからは水があふれて決壊するもの時間の問題だ。


『お前らか!私がこの世界を統べる女王となる儀式を破壊したのは。許しはせんぞ!!』


 クイーンが上にいる私たちに気が付くと泣く子も黙るような顔の全体の筋肉を使用してこの世全ての憎しみを込めたような形相へと変わっていった。

 今までいろいろな感情を受けてきたのだがここまで強い感情をぶつけられたのは初めてだ。


「あら、サイレントちゃん。とても仮面越しでも伝わってくるわよ、狂戦士のようなオーラが。」


「そうかな?私はあんな感情をぶつけてくるやつ正面から戦ってみたいなって思っていただけなんだけどね。」


 そして、壁から水が噴き出して儀式の場はあっという間に水につかっていく。ゴブリン達は慌てふためき逃げ出そうとしても勢いよく流れ出る水に流されないようにするだけで精一杯になっている。

 さらに天井が崩れ始め岩が大量に降り注いでいく。水に足と囚われたゴブリンは避けることも出来ずぺしゃんこに潰れてしまう。

 ゴブリン一匹の経験値を入手したことを知らせるウィンドウが湧き出るかのように表示される。


「無茶苦茶経験値がもらえてレベルが上がったよ。」


「あら、サイレントちゃんはレベルが上がったのね。まだレベルが低いからあがるのね。」


「そうなの?下には一杯儀式に参加していたゴブリンがいたけど。」


「拙者が思うに下で儀式に参加していたものたちは一番弱いクラスのゴブリンではないかと考えますぞ。」


 ゴブリンの中で弱いクラスほど得られる経験値が少ないらしい。

 2人とも私よりもレベルが高いためか次のレベルに上がることが出来る経験値が大量に必要であるためレベルが上がらなかったらしい。

 そんなゴブ大量〇虐をしているのだが、クイーンを倒したという表示は一向に現れない。ということはあの激流かつ落石の中で生きているということだ。


「そろそろ水も引いて落石も終わりそうですぞ。」


 ルイスの言う通り落石、流水は徐々に収まっていきぴったりと止まった。

 恐る恐る下の儀式の間を見てみると


「なんでゴブリンがあんなにも固まって倒れているんだ?」


 儀式の間の中央ではどれも同じ似た目をしているものたちが何かを守るかのように覆いかぶさっている。外側で覆いかぶさっているものから爆散して消えていき、守られていたものが姿を現す。


『よくも、私の野望と美貌を傷つけてくれたな、小娘。』


 ゴブリンクイーンがその中から顔を真っ赤にさせて出てきた。手には妙な杖を持っていて戦闘態勢が整っているようだ。


「なぜか私がやったことになっているけど、どうして?そこの根暗とオカマが仕掛けたことなのに。」


「その怪しい仮面のせいでしょ。あとあなたの潜在的に眠る狂戦士を見抜かれたんじゃない?」


「ヒビキちゃん、私はそんなに怖い人じゃないのにひどいよ。」


 結局残ったのはクイーンのみとなったのでこれで3人だけでどうにかなりそうだ。

 そう思った瞬間、下から何か光の弾が飛んできたので後ろに飛びのける。


『さっさと降りてこんかい!!くそ人間ども!!』


 クイーンの魔法の攻撃であろうものが何発もこちらに飛んできて下に追い込もうとしている。

 あいつの思う通りにこちらも下に降りて戦おう。


「2人とも下でクイーンを討伐してイベントポイント稼ぎに行くよ!」


「わかったわ。」


「拙者のサポートで結果に貢献しますぞ。」


 ここまで来た道を引き返して分帰路までたどり着いたら先程行かなかった道を進んでいく。

 そちらからクイーンらしき気配が伝わってくるので、前にカインから受け取った腰のポーチにアイテムを入れておく。イベント前にルイスから渡されたものも一緒に入れておく。

 これで戦闘中でもアイテムをすぐさま取り出すことが出来る。

 たどり着いた儀式の間ではゴブリンからのドロップアイテムや岩などが散乱していて、ところどろ水溜りが出来ている。


『私が手下共を使って長年生贄を集めてささげ、その時に生じた魔力を魔石に集めてエンペラーを操るための魔術の準備が整っていたのに。気色の悪い人間に最後邪魔されるなど一生の恥だ。その恥をこの場で貴様らの臓物をささげることで払しょくしてやろう。』


「うわ~、今まで頑張ったことをわざわざ敵に説明するのって本当にあるんだ。」


「こらこら、敵を煽るんじゃありません。だからあなただけ恨まれてしまうのよ。」


 つい思ったことを口に出してしまった。

 クイーンは身を震わせてこちらを睨みつける勢いを増している。やっちまったな。

他の作品のURL

・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒

https://ncode.syosetu.com/n8193fh/

・少女は魔法を夢見る

https://ncode.syosetu.com/n9741iq/

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