第二十八話
「さて、先程説明をした通り拙者がマークをした箇所に渡したアイテムを置いてくだされば拙者が起爆しますので頼みますぞ。」
現在は洞窟の近くの茂みに隠れて様子を伺っている状態で、ルイスから最終確認をされる。
ルイスの面白スキルの一つ?のマークと呼ばれるものでパーティーを組んでいる人だけが見ることが出来るマーカーを設置できるものらしい。さらに、マーカーは形や色など様々な設定をすることが出来るので、事前に打ち合わせをしておけばかなりスムーズになる便利なものである。
けど、私はみんなのためのマーカーを設置していくなどの指揮官のようなことは向いていないのであってもこれから自分が何をするのかを伝えるだけになるので絶対に必要ではない。
「わかった!割れないように置いていくことだけ気をつけるよ。」
「確かに瓶だから気をつけないといけないわね。瓶以外で何かいい入れ物とかあればいいのだけど。」
「仕方ないですぞ。瓶じゃなければ爆発をさせたい時に割ることが出来ないので我慢してもらいたいですぞ。」
このアイテムは瓶を割って中の核のようなものを空気に触れさせることで燃え出し液体に引火し爆発を引き起こすものらしい。なので、設置するときに乱暴に扱って割ってしまうとただ爆発をさせてゴブ達の軍勢に襲われて作戦失敗になってしまうので一度きりの挑戦になる。
「今、洞窟に入ろうとしているやつの後に入っていくよ。戦闘はなるべく避けて、進路の邪魔になるゴブちゃんだけ仕留めていくよ。私とヒビキちゃんが先頭で、ルイスは後方で仕掛け位置をマークすることに注力してね。」
「「了解。」」
そして、周辺を確認して今入って行ったゴブリン以外に敵はいないことがわかり、小走りで洞窟に入っていく。昨日入って行った時より光量が多く中がより見やすくなっていた。
侵入者である私たちはアイテムの扱いだけでなく隠れることも気をつける必要があるということだ。
そう思いながら洞窟を慎重に進んでいくと、初めて入ったときよりゴブちゃんの数が圧倒的に少なく3日目にしてイベント参加者にとっては不遇な場所になっている。
「なんでこんなにゴブが少ないんだろう。すっかり忘れていたけどエンペラーが誕生するからそっちに行っちゃてるのかな。どうだろう?」
「うーん、私は奥の方で何かしていると思うわ。初日で見た何かしらの儀式のところにいるんじゃないかしら。こればっかりは行ってみないとわからないわね。」
ヒビキちゃんはこの先の目的地に答えがあるのではということには私も賛成だ。
通路先で呑気にあくびをしているゴブの背後に忍び寄り首を刈り取り暗殺をする。
ルイスがマーカーを設置した地面と天井を繋ぐ自然の石柱の足元にアイテムを丁寧に置く。今更気がついたことだがミニマップにマーカーの位置が表示されるようになっている。これで、どこにアイテムを設置したかわかるのでわりがたい。
「あと少しで儀式を上から覗ける道に続く分岐路に着きますぞ。あと少しアイテムを設置して拙者がこの連鎖爆破用のアイテムを起動させすれば大量の敵を倒すことが出来ますぞ。」
ルイスが意気揚々と宣言するが声量が大きいので殴って声量を落とすように促す。
私が持っている最後のアイテムを仕掛け終わって儀式を覗けるところまでたどり着くことが出来た。
相変わらず天井は紫色の光に光を放っているが以前以上に光量があり、その真下でクイーンを中心に多くのゴブが祈りを捧げている。
「洞窟で少なかった分だけあの儀式に集まる集まる。ヒビキ殿の想像通りですぞ。」
「で、私とあなたが持っているラストはどこに仕掛けないといけないのよ。」
ヒビキちゃんとルイスはまだ瓶を持っていて仕掛け終わっていないというのだが、ここまで来てどこに仕掛けていくのやら。すると、ルイスがマーカーを設置する。
「拙者達がいる場所とは反対側の水が出ている穴の隣のひび割れている箇所ですぞ。」
見てみると確かに洞窟を流れていた水路の水源が溢れていてその横は強い衝撃を加えれば壊れそうである。そうすれば水が大量に流れて水没させることが出来そうだ。
「拙者の考えではあそこを壊す前に仕掛けたものを爆破させて、ヒビキ殿が拙者の分をスキルを使ってあそこに投げてもらえれば作戦行動完了ですぞ。」
「結構遠いけど投げて届く距離じゃないよね、どうするの?」
「それなら問題ないわ。スキル『投げ』ってのがあってアイテムなどを遠くまで投げたり攻撃に転用することが出来るからね。」
ヒビキちゃんは袖を捲って太い腕を見せてつけてくるがただのボディビルダーにしか見えないので『投げ』に関してよくわからない。すぐに見れるからいいか。
『ふふふ、ようやく誕生したかエンペラーよ。そろそろ儀式を始めようではないか!!』
下の儀式をしているところから声が聞こえてきた。
この声は中央にいたゴブリンクイーンの声で、何やらテンションが高いが内容からゴブリンエンペラーが誕生したので何かしようとしていると。
ということは、そろそろトッププレイヤー達がイベントの主役を狩りに行くぐらいの時間ということでこっちも作戦を開始するには頃合いということだ。
「それじゃ、ヒビキちゃん頼むよ。」
「わかったわ。」
ヒビキちゃんがアイテムを持って大きく振りかぶる。試合スタートの合図になる。
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