第二十二話
洞窟に中は薄暗いのだが一定の間隔で松明が壁に設置されていて、先が見えないことなく安心して先に進むことができる。
ここは海に面しているので中にも水が流れており落ちてしまうとそのまま海まで自動で運ばれてしまう。そのシステムを使っているのか時々簡易的な船?のようなものに何かをとりつけて流している。
「ゴブリン達の生活ゴミかしら?開発陣も細かいところまで作り込んでいるわね、開発費大丈夫なのかしら?」
「それは問題なさそうですぞ。海外の有名企業の中でも資金力が桁違いの『オーディオン』と大富豪一家の『ハミルトン』が出資しているそうですぞ。あそこはゲームが大好きなことで有名ですからな。」
ヒビキが言うことも尤もでゲームで細かいところまで作るとなるとそこに開発を注ぐと言う当たり前のことになるのだが、こんなオンラインゲームでは細かくても大きなリソースを割かないといけない。
とフレイヤがそう言っていた気がする。
「まぁ、金持ちがお金を出していくれているのなら安心だね。この洞窟って意外と整備されていて驚きだよ、ゴブリンようながさつそうなのがこんなことをするわけないし。」
「そうね、ゴブリンに知性のあるメスでもいるのかしら。あら、前方に敵が5対いるわね。ルイス、あの左奥の弓兵を仕留めてくれるかしら。」
ヒビキが大きな手で静止してくるので、先の広場をこっそりと覗くと、またも色々な格好をしたゴブリンがいる。
前方にいる2対はおそらくカトラスという海賊が好んで使用をしていた武器を持っており海賊のコスプレをしている。後方にいる3体は左から弓矢使い、杖持ち、チャクラム使いである。
「普通に初手は杖持ちの魔法使いではないですぞ?魔法で支援魔法などを使われるとやっかいですぞ。」
「いいのよ、魔法使いにこの距離で一撃で倒せるほどの火力を出せるならいいけど。」
「それはこの距離で杖持ちのゴブリンの魔法耐性を考えると少し時間がかかりますぞ。先手を打つ前に気付かれてしまうので弓兵を狙いますぞ。それで杖持ちはどうするつもりですぞ。」
ヒビキはいい笑顔を作ってこちらに向けてくる。
これって私がどうにかする役目ってことなのだろう。
「前方の2対さえ抑えてくれるのならどうにか出来るけど、こんな危険なことを女の子にさせるの?」
正直言ってこの距離で杖持ちと呼ばれるのを倒すのは少し難しいと思う。私はまたレベルが上がっていてスキルポイントも割り振ったばかりなので少し不安なのだけど。
「大丈夫、私が道を切り開いてあげるから。ちなみに私も女の子よ、そろそろちゃんを付けて呼んで欲しいのだけどね。」
「拙者、準備完了ですぞ。サイレント殿とヒビキ殿が突入したタイミングで仕掛けますぞ。」
結局、私が重要なポジションに立つことになるのね。
ヒビキはタンクと呼ばれる敵を引きつけることも出来るし、火力も相当なのものなので彼女?が道を切り開くというのなら問題はないようだ。
広場に一歩を大きく踏み出して地面を蹴る。目標はあの驚いて不細工な顔になっている弓兵のみ。
『ハウル・チェーン』
ヒビキがハンマーの槌の部分を地面に向けて獲物を叩きつけると光る鎖が前方のゴブリンに接触をすると崩れ落ちて消えて行った。
失敗したのかと思っていたらもう目と鼻の先にいた前方のゴブリンはヒビキに向かって走り出していく。
「あれで成功したんだ。ま、こっちもお仕事を完了させますか。」
頭上からキラキラと光薄らと光り輝くものが飛んでいく。弓兵にまとわりついたと思うとだんだんと動きが鈍くなっていき動かなくなって爆散していった。
ユニークのスライムとはまた違った氷属性の攻撃であることは間違いない。
「あなたを守るのはチャクラム使いしかいませんよ、杖持ち。」
杖持ちはかなり接近をされたというのに詠唱を始めだした。今更遅い。
盾ごと突っ込んでいき杖持ちを押し倒す。そして何やら喚いてうるさい口の中に剣を突き刺して黙らせる。これで爆散させることができる。
杖使いよりチャクラム使いを警戒していたのだが、ようやく攻撃が飛んできたが体を逸らして躱すついでに立ち上がって狙いを定める。
「チャクラムは投げてからが無防備になりやすいからお気をつけを。」
『シールド・クラッシュ』
盾の攻撃スキルであり、武器に当てることで耐久値を大きく減らす効果があるものである。それを顎に目掛けて叩きつける。
『スラッシュ』
シンプルな剣のスキルで斬るモーションに補正をかけて威力を上げる。それを首に当てることでクリティカルとなり威力もより上がる。
「こっちは終わったよ。そっちはどう?」
振り返って見てみると全てのゴブリンは倒されていた。
この先の奥の通路からは誰もやってくる気配はしないので戦闘は終了らしい。
「ヒビキちゃんすごいね。あの敵を引きつける鎖みたいなの。なんだか生き物みたいだったよ。」
「あらそう?あれって自分で操作しないといけないから大人数を相手する時には向いていないのよね。」
ヒビキちゃんは照れながらスキルの説明もしてくれる、ありがたい。
すると、ルイスはどんどんと先に進んでいき、通路をちょろっと覗くと早く来いって手招きをしてくる。
「何かあるの?ルイス?」
「あの先を見て見てみて欲しいですぞ。何やらゴブリンの数が多いだけでなくて異様な光を放っておりますぞ。」
ルイスが指を指す方をのぞいてみてみると確かに紫色をした光がどんよりと光っていた。何体もいるゴブリンが円を描くように囲んでいる。
その中央には少し背の高い何かがいるが観察眼を使用してもよく見えない。
「あら、あそこはどうかしら?ここよりもよく見えそうだわ。」
ヒビキちゃんが指を指しているのはこの通路のすぐそばで分岐をしているところから登っていけそうな場所にある高い場所だ。下からは見上げても見つからず問題なさそうだ。
「よし、あそこにこっそりと行ってみて何をしているのか見てみようか。」
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