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第十六話

「今度こそ第三の街に着いた。こっちの道のりは1人でも余裕だったね。レベルも上がっていたし。」


 第五の街のポータルを登録したらすぐさま第二の街に転移してから目指した。

 ユニークのスライムを倒したり、自分よりもレベルの高いモンスターを倒したことによってレベルがかなり上がったこともあり適正レベルをとうに越していたので楽々倒すことができた。


「道中のモンスターが岩で覆われていたり、サボテンだったりと砂漠にいそうなモンスターだったな。あの針で盾の耐久力がものすごく減ったのは危なかったわ。」


 もし、第五の街に行かずにこの道を進んで行ってたらかなり苦戦をしていたと思う。

 今はレベルが2桁に上がっていてステータスポイントもかなり増えていたので、最初に割り振った時と同じような感じの割合で設定をした。

 最初は色々と違和感があったが、体を岩に覆われたモンスターはガタイがいいものの動きがとろかったので調整にはいい相手になった。

 逆に、サボテンは小柄でちょこまかと動くので色々とめんどくさくなったので、盾で体を押さえつけて倒すことにした。


「これで、1日に二カ所待ちを開放したし、幸先よし。一度、カインのところによって装備を買いに行こうかな。」


 第三の街のポータルを開放したらすぐさま、第一の街に転移して、馴染みの武器屋に向かう。


「こんにちは!カイン、きたよ〜。」


「おう、夜なのに元気だな。それで、装備の修理にでもきたのか。そろそろ、第三の街に着いている頃だろ。どうだ。」


「ううん、今日は修理じゃなくて新しい装備が欲しいの。この仮面と似合うといいけど。」


 カインは一瞬不思議そうな顔をしたが、こちらを見た時には元の顔に戻っていた。


「お、新しい仮面か。似合っているじゃないか。で、今はレベルはどのぐらいだ。」


 新しい仮面の披露なのにそっけない感想でちょっと腹立つ。


「今は20ぐらいになったよ。第五の街にも行ったし。」


 カウンターで不安定な状態で椅子に座っていたカインが地面に落ちていった。動画に撮ってネットに拡散したかった。

 カウンターの横から四つん這いの状態でこちらに近づいてきた。ゾンビみたい。


「ちょちょ、あんたのレベルで第二と第五の街を繋ぐ道に行くとモンスターに撫でられるだけでやられちゃうでしょ。」


「いや〜、大変だったよ、カインちゃん。ユニークモンスターのスライムを倒したり、ワイバーンのブレスで焼肉になりそうだったりしたからね。ちなみにスライムのドロップアイテムはこの仮面で。」


「お前はフレイヤから聞いた話以上にとんでもないやつだな。」


「え?フレイヤと友達なの?」


 カインは口を押さえてしまったという顔をしている。

 フレイヤに何か口止めされていたのは明白であり、言ってしまったことをバレてしまった暁にはとんでもない目に遭ってしまうことは間違いない。


「どうせ、フレイヤと今度話した時にバレちゃうから今のうち腹括ったら?」


「そうなんだよ、昔からあいつの前では隠し事が通じないんだよな。関節技、寝技、組み技、ボディブロー、三日月蹴りetc...」


「リアルであの子の技をまともに受けたら男の人でも簡単にノックダウンするよ。」


 リアルのフレイヤは男の人にも負けたことがないぐらい強く、ストーカーをぼこぼこにして病院送りだけでなく精神的に女性を見るだけで恐怖するぐらいにまで追い詰めたこともある。

 ある時には、女性の先輩に絡まれたらその全てを支配下に置いてしまうカウンターまで決めてしまった。


「わたし、あのフレイヤにリアルでよく勝てたな。今になってはあの時の私すごかったわ。」


「その話聞いた時には、信じられなくて1年ぐらい嘘だと思ってたよ。」


 そう、フレイヤと昔喧嘩をしたことがあるのだが、あのユニークのスライムやワイバーンと比べることが出来ないぐらいやばいものだった。死にたくなかったから人生で最初で最後ぐらいの力を出したことがある。


「そ、そんなことより。新しい装備だな。前来た時に買ったものよりも見た目的にもいいものがあるぞ。」


 カインはそういうとつまづきながら裏に装備を取りにいって、腕に抱えながら帰ってきた。今後の彼女の命運はこれまでに磨いてきた演技力にかかっている。


「今度こそいい見た目になる?なる?」


「ならねぇよ。けど、その仮面に合うように上半身のコーデとしてはコートを採用したぜ。」


 今装備している革製のものよりもより頑丈そうになったものに変わった。さらに、紺色のコートが地味な装備をちょっとだけカッコよく見えるものにしてくれそう。


「でも、可愛くはないね。もっとレベルも上げて、ステータスもあげないと。」


「お、いい装備はレベルじゃなくてステータスが必要ってことがわかるようになったんだな。そろそろ、初心者マークを外せそうなぐらいにはなってきたってことだな。」


 カインは満足そうな顔をしながらまた裏から武器を持ってきた。

 少しだけ刀身が長めの剣に、少しだけ装飾の施された盾。


「これは刀と同じように作られた剣で扱い方によっては威力補正が少し入るからサイレントのような一撃を的確に弱点に当てれる人にはおすすめ。だけど、耐久力が部位によってはかなり減少するデメリット付き。」


「刀って聞くと何か惹かれるような魅力に襲われるね。」


「まぁ、今の感じでステータスを育てれば刀を扱う基盤がいつか整うんじゃないかな。」


 私も昔読んでいた漫画や今読んでいる小説の登場人物が使っている武器が刀で、カッコよくて少し憧れてしまう。

今見につけている仮面も和風の要素が入っているので今の武器よりも似合うだろう。


「確かに刀は憧れるけど、可愛い感じからは遠ざかっちゃうよね。でも、可愛い系とかっこいい系で使い分けをできるようになりそう。こっちの盾は耐久性はちゃんとあるの?」


 カインはドヤ顔をして答えてくれた。


「こっちの盾は乙女の盾って言って、耐久性は今のレベル帯の装備の中でもトップクラス!多少雑に扱っても丈夫なのが取り柄。でも、値段はそこそこします。」


 そっか、今の所持金的には少し厳しくなるかもしれない。

 なんとか金銭交渉できないかな、フレイヤの名前を出したらまけてくれるかも。


「ま、金策とかもしてないサイレントには厳しいかもしれないね。だから、スライムから取れたドロップアイテムとか、モンスターのドロップアイテムを譲ってくれないかな。少し品不足でね。安くしておくよ。」


「なら、スライムの粘液とか、ワイバーンの鱗とかetc...」


 レアドロップではなさそうなものを中心にカインの欲しい素材化を確認して装備代分の値段になりそうなぐらいの量を交換して実質タダで新しい装備を手に入れた。

 交換したドロップアイテムを手にとって頬擦りをするカインが少しだけ不気味に見えたことは心の中にしまっておいた。

他の作品のURL

・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒

https://ncode.syosetu.com/n8193fh/

・少女は魔法を夢見る

https://ncode.syosetu.com/n9741iq/

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