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第十四話

「いや、お見事。ユニークモンスターをフォロー一回だけで倒してしまうとは驚いたよ。」


 純白の鎧のプレイヤーは私のことを称賛してくれる。嬉しいけど、私が戦っているのをこっそり見ていたのが気に食わないが、助けてくれたことには感謝をしなければいけない。


「フォローありがとうございます、、、」


「わぉ、警戒心マックスだね。安心してよ、私はあなたの装備がこのフィールドに挑むには無謀すぎるって思ったから心配で見に来ただけだから。」


「へ?この装備がいいって言われたんだけど。だってこの先は新緑のダンジョンを攻略した後に行く第三の街があるんでしょ?」


「、、、、第五の街ですよ。あなたのレベルだと20ぐらい足りませんよ。」


 なんてこと。私が道を間違えてしまったとは。リアルでは道に迷ったことがないっていうのがひそかな自慢だったのに。

 これからは、順路通りにも進めない可哀そうな女ってことに。


「まぁ、その装備でユニークモンスターを討伐出来たなら大丈夫でしょ。プレイヤースキルも高いみたいだし、攻撃さえまともにもらわなければ街戻りはしないと思います。」


「ははは、お褒めの言葉頂戴したします、、、。」


 ちょっとショックから立ち直ることが出来ない気がする。


「そんな状態で第五の街にはたどり着けないですよね。どうです?私とパーティーを組んで目指しませんか?」


「どうして、私なんかと?」


「私は見ての通り敵から見方を守るタンクなんですが、純白のこの鎧は誰か困っている人を守るためにあるのかなって勝手に思っているんです。だから、今目の前で困っているあなたの助けに慣れたらいいなと。」


 このプレイヤーは、鎧越しから聞こえてくる声が妙なノイズがあるせいなのか男性か女性かもわからないが、悪い感じはしない。

 そして、強いことは間違いない。


「それではナイト様、私をエスコートしてくださるかしら?」


「お任せください。あなたを無事に街までお届けいたします。」


 すると、パーティー申請が届いたので了承する。

 プレイヤーの名前はイービスと男性か女性かもわからないが、この姫と騎士の寸劇をこなしてくれるので男性なのかな?


「第五の街まではあのホワイトマウンテンの山道を通っていけば近いのでそちらから行きましょう。」


「へー、ナイト様にぴったりの名前ですね。」


「はい、この装備もあの山で入手したものですからね。でも、行こうとは思わないでくださいね、高レベルプレイヤーでも簡単にやられてしまいますからね。」


 なるほど、今後もっと強いモンスターと戦うためにはそのホワイトマウンテンに入れるぐらいまでの強さを身に付けなければいけない。

 今後このゲームをやるための目標が1つ増えたのはうれしい。


「このまままっすぐ行けば山道の入り口になります。ここはモンスターがかなり少ないので装備などを整えるには今のうちに。HPも減っていますので。」


 イービスに言われてHPを確認すると半分ぐらいまで減っていた。このままだとこの辺りのモンスターに軽く触れられただけで街送りにされてしまう。

 アイテムボックスから初心者用のポーションを取り出して飲む。グレープフルーツの味がするので飲みやすい。すると、HPはゆっくりと増加していく。このまま増え続けていればすぐに満タンになるだろう。


「そういえば、あのスライムのドロップアイテムを確認していなかった。」


「そういえば、あのスライムはユニークのような感じでしたよね。なら、きっといい装備などが入手できたのではないでしょうか?」


 アイテム入手履歴を確認して見て気になるものは次のものだった。


・スライムの極彩色の核・・・色鮮やかに輝く不思議な力をもった宝石


・スライムの粘液(特殊)・・・昇華せずに残った粘液。ある道具を作製するのに必要な素材。


・七変化の仮面・・・様々な属性に切り替えることが出来る仮面。装備品ではなく装飾品。ユニークアイテム。


「やった!ユニークをゲット。しかも、今の私にぴったりな仮面だ。」


「それはおめでとうございます。今の仮面もお似合いですし、ユニークのものであればデザインは保証されていますよ。」


 すぐさま、装備欄から今の仮面を外してユニークの仮面を装着する。仮面を着ける前ではしっかりと裏面が見えていたのだが着けると違和感や重さも感じず視界もクリアだ。


「これ、装着感がとてもいいね。こころなしか体が軽いよ。うん?」


 視界の端に小さなスライムのマークがついていて今は黒色となっている。


『七変化の仮面、キーワードを設定後に、そのキーワードで仮面に付与される属性が変更されます。装備設定画面で設定をしてください。』


 よくわからないけど、装備画面で仮面を見てみると、『無属性耐性UP』と記載されていた。


「イービスさん。ちょっと聞きたいことがあるのだけど。」


「はい、なんでしょう?」


「装飾品って装備するとステータスなどに変化が起きたりしますか?」


「いえ、装飾品はあくまでも見た目を変更するものになります。しかし、私の知っているプレイヤーにはほんの少しだけ速度が上昇する装飾品のバンダナをつけている例外はありますけど。」


「なるほど。この仮面には様々な属性への耐性を上げる効果があるらしいです。」


 イービスは立ち止まった。


「装飾品だけで属性耐性を得るのは珍しいです。大切に扱ってくださいね。それと、ここが山道の入り口になります。」


 ゆっくりと角度をつけながら山の中に入ることが出来る山道が森を抜けると出現した。

他の作品のURL

・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒

https://ncode.syosetu.com/n8193fh/

・少女は魔法を夢見る

https://ncode.syosetu.com/n9741iq/

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