第十一話
第一の街の転移門で第二の街の転移門にワープして1時間もかからないうちに戻ってきた。
新しい装備も身につけてアイテムは昨日ログアウトするまえに、フレイヤから教えてもらいながら購入もしている。なので、このまま目的の第三の街を目指すことが出来る。
「よし、ここから広い場所に向かっていけば第三の街への道に出るって聞いているから向かうぞ。」
3方向に道は伸びていて、今正面を向いている南が第一の街に続いている道であり、左側が東でありこっちの道は横に広がっているのでこちらが第三の街に続いているらしい。右側の西が危ない第五の街に繋がる道である。
「よし、ゴブリンとかラフレシア以外のモンスターを倒しに行くぞ。道中がどんな地形なのかどんなモンスターが出るのかはあまり調べなかったけど大丈夫かな?」
モンスターや地形を下調べするのではなくて、初めてをその目で見て感じたいと思った。それをしばらく続けてからは少しずつ調べながら進めていく感じにしようとは思っている。
「今度は、山道を進んでいく必要があるっぽいね。進んでいく先に山があるからそういうことだよね。」
正面に見えているのは大きく聳え立つ山であり、注意深く見ると細く続いている線のような道が見える。
おそらく、山道を進んでいきながら向こう側に進んでいけばいいのだろう。
「おい、あんたその装備でこの道を進んでいくのか?」
突然、後ろから声をかけれた。
振り返ってみてみると、全身に真っ白な金属製の鎧を身につけたプレイヤーに引き止められる。明らかにフレイヤ達と同じぐらいかそれ以上このゲームをやりこんでいる上位プレイヤーだ。
姿を見ればただフルアーマーなだけではなく、聖騎士をイメージをしているのだろう。
「はい、これから次の街に行く予定なんです。どうかしましたか?」
「いや、君がそう決めているのなら問題はないさ。私はイービスって言うんだ。重戦士のように敵の攻撃を引きつけてみんなを守っていくスタイルをしている。もし、今後困っていることがあるのなら是非とも頼ってくれ。」
男はそういうと、フレンド申請をしてきた。怪しさや邪な感じは一切しないので本気で心配しておせっかいを焼いているのだろう。
私の行動があからさまに初心者であってそれを見て心配しているのだろう。
なら、この申請も断る必要はなさそうだ。
「はい、わかりました。何か困ったことが連絡をしますね、ハルトさん。それじゃ。」
イービスからの申請をOKとして、そのままフィールドに向かって走りだす。彼が何者かよりも新しいモンスターと戦うことが何よりも優先だ。
「まずは、あの山を目指してゴー!」
新しいフィールドが待ち遠しくてついつい走り出してしまう。
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「あの子、だいぶ初心者の装備をして第五の街に繋がる道を進んでいったけど、縛りプレイなのかな。」
装備は初心者が少しレベルが上がってから装備出来るようになる軽くて動きやすい、マッドフロッグの皮を使った皮防具に、銅のインゴットで作った金属プレートとレベル上げのために狩ったモンスターの素材と、素材やから1番安く買えるインゴットで作成できるものだ。
「けど、あの装備を見る感じでは鍛治スキルが高いプレイヤーが作って上物になっているものだよな。けど、そんなものを購入か作ることが出来るプレイヤーが第五の街に行くのを初めてそうな感じはないよな。」
第五の街は名前の通り第四の街の後に行くべき街である。
適正の最低レベルも20を超えてからになるので、装備から彼女のレベルを考えると10前後であり、無謀といってもいいレベルとなるはず。あのままいけばかなりここから近場にいるモンスターにさえ負けて即刻街に送り返されてしまう。
「ああいう無謀なプレイヤーはいるけど、直接見るとなんだかもやもやするわ。」
かく言う私もこのゲームを始めた頃にゲームだから無謀な挑戦をしてみようと思っていろいろと無茶をして困ったことになったことがある。結局、どうしようもなくなっていたところをあの人に助けてもらったんだっけ。
「このもやもやって昔の自分と重ね合わせてしまったから感じているだけなのかな。はぁ、仕方ないな。この後の予定は全部キャンセルにして様子を見に行くかな。」
この先は、何度か通行はしているので、どんなモンスターが出てくるのかどのように対処すればいいのかはわかっているし、適正レベルも軽く越しているので問題はない。
「とりあえず彼女が困るまでは見守ることにしよう。いざという時はスキルを使って助けてあげるそれだけ。」
彼女の後を急いで追いかけるために、移動速度をあげるスキルを使用して山へと続く森の中に入っていく。
まだ遠くにはいっていないはず。
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