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ユートピア・オンライン〜ゲーム初心者の私が世界最大級のオンラインゲームに誘われたら〜  作者: 森の番人
第一章「Welcome, New World!!」

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第一話

 本日、早朝から開店している某家電量販店で購入したハードのヘッドギアを開け口が妙に固い箱から取り出し、起動済みのパソコンにUSBケーブルで接続。

 ヘッドギアに付いている電源マークがゆっくり点滅したボタンを優しく押してスイッチを入れる。

 一呼吸ぐらいほんの少しだけ待つとゆっくり静かにファンが音を立て、パソコンとハードが接続されセットアップされたことをピロンと音で知らせてくれる。

 一応ヘッドギアの接続ランプが緑色に点灯していることを確認、次は昨日のうちにパソコンにダウンロードをしておいたアプリケーションのショートカットをダブルクリックして立ち上げる。

 かなりの容量のあるアプリらしく、友人からは事前にダウンロードをしておかない時間がものすごく必要があると言われていたので昨日のうちに済ませておいた。

 おかげで、すぐさま機能のうちに確認済みのアプリの初期設定画面を開くことが出来た。

 ここからは初めて操作するところなので間違いがないように進めていく。

 最初にこのパソコンに設定しているメールをこのハードと同期して使うことが出来る、連絡同期システムにアカウント登録。

 そのアカウントを利用してこのアプリのサービスにログインを完了させる。

 連絡同期システムはゲームの中でメールやSNSなどの外部アプリを使用することが出来るので便利らしい。


「よし!あとは、このゲームのアカウント設定とヘッドギアの設定をしたらゲームをすることが出来るんだよね。そのために今日は一日中時間を空けたし、集合時間まで余裕がたっぷりあるから多少迷っても間違えても大丈夫。」


 画面上に開かれたままのアプリに意識を戻して、ゲームのアカウントの設定を進めていく。

 ゲーム内での名前や性別、利き手などなど、淡々と要求される項目を最後まで入力をしていき設定完了となった。ヘッドギアの設定も同時に完了する。

 アプリの右上端に表示されているオンライン状態が良好と表示される。

 これで頭にヘッドギアを装着すればゲームの開始!

 パソコンを起動させたままにしてベッドに座り、PCに繋いでからベッドに置きっぱなしのヘッドギアを手に取り頭に装着。

 ブカブカでヘッドギアとして何も意味をなさなかったのでヘッドギアの両端についている調整用のつまみ回して、装着具合のちょうどいいところまで締めていく。

 締め終わったらこめかみ辺りにあるセンサに触れてヘッドギアの電源を入れる。

 『Welcome』の文字が浮かんでアプリ画面が出た後は登録済みのゲームへアクセスするカウントダウンが開始される。

 バタンとベッドの上で倒れてプレイまでの最後の準備が整った。

 いよいよゲームが始まると思うと少しテンションが上がってしまう。


「3、2、1、ゲームスタート!」


 自分の声と画面のカウントダウンが終わり表示されていた画面が切り替わると同時に、背中のベッドの感覚が消え去り、高いところから落ちているような浮遊感を感じた。

 いきなりの浮遊感にびっくりして目を瞑ってしまったがゆっくりと開けると、毎朝ベッドの上で見る天井ではなく真っ白な空間にポツンと突っ立ていた。

 足元を見てみると真っ白な水の上に表面張力だけで立っているかのようであり視覚的に地面にいるとは思えない。

 さらに、先ほどまで寝転がっていたのにいつの間にか立っているのは違和感を感じてしまい本当に立っているのかすら不安を覚える。


「フルダイブゲームというよりゲーム自体、自分で勝手プレイするの初めてだけど、これが普通なのかな?」


 私は幼少のころから親は昔風の考えを持っていてビデオゲーム自体を禁止していて、同年代が家庭用ゲーム機やスマホで楽しそうにしてても輪に交わることが出来ずに遠くで眺めておくだけだった。

 たまに友達の家で少しプレイしたことがあるぐらいで、とてもだけどゲームで遊んだと思うぐらいの時間はしたことがない。

 だけどこの度、友達に勧められたのと大学生になって一人暮らしになったことで親から干渉もなくなったことを機に初めて見ようと思った。

 それはそれとして、目の前にはウィンドウが出現をして『ユートピア・オンラインにようこそ』と表示がされ、『Press Monitor』と表示が切り替わった。


「この画面を操作してアバターを作成していけばいいのかな?」


 このゲームはアバターを自由に作成することが出来る。だが、他のプレイヤーと全く同じものは作成は出来ないらしい。

 とりあえず手を動かして画面に触ろうとすると、いつも見ているリアルの手とは違うことに驚いた。


「なんか、少しだけ分厚い手袋が幽霊みたいに浮かんでる。なんだか昔やったことのあるゲームのボスキャラに似ている。びっくりした。」


 いつもと大きさの違う手に戸惑いながらも画面をタップをする。

 手全体が真っ白で腕までそれが続いている。気持ち悪いな。


 はじめまして

 これからユートピア・オンラインの世界で活動をするあなたのアバターを作成をしていきます。

 性別はヘッドギアのユーザー登録で設定をしているものとなりますのでご注意ください。

 また、このゲームは生体認証とパスワードでアカウントを作成するため、一人につき1アカウントとなります。

 』


 それは事前に友人から注意を受けていたので大丈夫。現実と同じ女性に設定しているので。

 あとここでしっかりとキャラクターはちゃんと作る予定なのでもう一度ってこともないだろうし。

 あと鍵括弧の位置が微妙に気持ち悪い位置にあるな。


『まずは外見の決定をしていきます。髪の色からタトゥー、ピアスなどから、身長や肩幅まで色々な箇所を設定出来ますが、現実と離れすぎるとゲームプレイに影響が出ますのでお気をつけください。』


 それも友人から聞いている。フルダイブゲームでゲーム初心者や、キャラメイクに凝りたい人が陥ることが多いのが、現実の体とアバターが大きく違ってしまい歩くのでさえ困難になってしまうと。

 150cmで肩幅も狭い芸能人が190cmの大男のアバターを作成し一歩を踏み出したところで盛大に転倒をして面白いネットニュースになったことがある。目線の高さから、歩幅から多くのことが違い全ての動作で支障が出るとのこと。

 動くことに慣れれば問題はないと言われてはいるが、現実とゲームで体が違うと脳が混乱してしまうことがあるらしい。


「私の現実の身長は169cmだから同じ身長にしておいて、足はほんの少しだけ長くて、胴体は少しだけ短くして少し理想の体型にしておこうかな。これなら支障はないでしょ。」


 事前に考えていた理想と現実を程よいぐらいに混ぜ合わせたアバターを設定していく。

 操作をしていて思ったのは、意外に自由度の高い設定が出来るのでついつい楽しくなってしまうが、調子に乗ってしまうと変なことになりそうなので自重する。

 その結果、


「なんだか、考えていたよりもすごくなっちゃった。」


 最初は暗殺者?のようにものすごく地味にしようとしていたのだが、濃いインナーカラーを入れてみるとそれから遠ざかってしまった。目も少し鋭く睨むだけでその辺の人は避けてしまいそうなきつい感じだ。


「これ、違う意味で現実と離れてしまったね。まぁ気に入ったからいいけど。」


『アバターの容姿の設定が完了しましたら、次は職業を決めてください。

 職業はゲーム開始後にも変更が出来ます。』


 容姿の設定だけでもかなりの時間がかかったのに職業を決めるとなると更に時間がかかってしまう。

 職業については全く調べていなかった。


「まぁ、仕方がないかな。まだ、時間もたっぷりとあるから後悔しないように決めようっと。」


 職業の説明を読んでみたり、実際に職業によるステータスの違いを設定した容姿で動かしてみたり出来るので、動かしてみたりしながらまた時間をかけて決めていった。

 名前から想像できるものから中心に選んでは選択肢から外してを繰り返し行う。


「職業はこれでよいとして、アクセサリーがね〜。今のこの顔で街を歩くのはちょっと恥ずかしいから隠せるものはないかな?1番下の方とかにいいのがあったりはしないかな。あ、これが良さそう。可愛いかも。」


『最後に、プレイヤー名を入力してください。

 第三者に個人を特定される恐れがあるため本名は絶対に入力をしないでください。

 また、名前も自由には変更が出来ないため注意してください。』


 プレイヤーネームと言われてもゲームをしたことがないからどんな風に名前をつけたらいいのかわからないや。

 SNSもほとんど下の名前にしていたし。


「名前が美桜だといい名前の候補が出てこない。プレイスタイルから決めるのもありって聞いたな。

 静かにゲームをプレイしたいから、サイレントにしようかな。安直だけど。」


 プレイヤーネームの入力欄に適当に考えた名前を入力をしてOKのボタンを押して確認の注意事項にもOKを押す。


『すべての設定を完了しました。

 これからユートピア・オンラインであなたの物語が始まります。

 冒険をするのも、楽しく他のプレイヤーと交流するのも自由です。

 ご検討をお祈りします。』


 先程まで中性的な声だったのだが、最後は女性の声のアナウンスが流れて周りが光り始めていく。

 この光がなくなった時にはアバターの姿で転移してゲームの開始地点の始まりの街にたどり着くらしい。


「これでようやく初めてのゲームの楽しむことが出来るね。意外に設定に時間がかかった分に楽しみだ。」


 光が強くなり始めたと思ったら辺な金属音がして視界の端に所々黒い亀裂のようなものが一瞬だけ現れる。


「これって何かの演出なのかな?あ、ようやく光が弱くなってきた。」


 ようやくユートピア・オンラインで冒険をすることが出来ると思うと、テンションが上がる。

 伊藤美桜、19歳の今時珍しいゲーム初心者の昔やんちゃしていた女子大学生。

 実家を離れて一人暮らしを始めて自由になった私は日本で話題のフルダイブ型MMORPGに挑戦する。

 

他の作品のURL

・Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒

https://ncode.syosetu.com/n8193fh/

・少女は魔法を夢見る

https://ncode.syosetu.com/n9741iq/

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