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3話 女子にモテる

「早く帰んないと…」


 ゲームから知ってはいるので見慣れた光景ではあるが、実際に歩いてみると街は広いので迷子にならない様に記憶を頼りに自分の自宅を目指している。

 すると


「待ってよー!」


「あれは…?」


 風船が木に引っかかってしまい、困っている少女を見つけた。

ゲームだとここで助ければ誰かしらの男子に見つかって好感度が上がるのだが今のこの状況では助けても助けなくても同じではある。

 けれど流石に困ってる少女を放ってはおけなかったので


「ちょっとごめんね?お姉ちゃん、あの風船を取ってあげるよ」


「本当に…?」


「うんっ。見ててね」


 せっかくこの世界に来たんだ。

魔法を使ってみよう。


「ここは…」


 制服のポケットから杖を取り出し、イメージを膨らませる。

そして杖の先から風を出し、風船を木から少女の方へと移動させる。


「わぁ!ありがとうっ。お姉ちゃん!」


「これぐらいはどうってことないよ」


 想像はしていたが男子キャラは今のを誰も見ていなかった。

だけれど少女が喜んでくれたんだし別にそれでいい。


「またねっ。可愛いお姉ちゃん!」


「あ、ありがと…」


 容姿まで褒められてしまった。

人前だったので少しばかり恥ずかしい気はするが褒められたので気分は良かった。


「おっと…帰らなくっちゃ!」


 帰るのを思い出して急いで自宅に向かって早歩きした。

そうして無事に自宅の前に到着した。


「ただいま…」


 私は自宅のドアを握った。

すると


「わっ!」


 突然、ビリ!と雷の効果音が鳴った。

この効果音が流れるのは魔法を使った際にのみ流れるので誰かが魔法を使ったのかと後ろを向く。


「あれ…?気のせい…?」


 恐らくまたバグが発生したのではないかと思い、不安になった。

しかし再び家の方を向くと


「え、何この家…?」


 主人公の家は本来はどこにでもある普通の家の筈だった。

しかし


「ご、豪邸!?」


 豪邸になっていた。

バグの可能性があるけれど盛りすぎじゃないかな!?


「す…凄い…」


 場所は間違ってはいない筈なのでここは私の家

朝は彼女持ちの話とかでショックだったがこんな返りが待っているとは恐れ入った。バグよ。


「失礼しまーす…」


 私は恐る恐る豪邸のドアを開ける。


「おかえりなさいませご主人様」


 目の前にはメイドがいた。

このメイドはゲームの途中に出てくる王様のメイドであるのだが、ゲームでの台詞は「配属のメイドです」しかなかったので違う台詞を話すところ見るのは初めてだ。


「うん…ただいま帰ったよ」


「本日から配属となりました。メイドのイリスです。よろしくお願いします」


「イリスだね…よろしく」


 イリスってまずそもそも名前があったのかと一瞬思ったが、ゲームでは言われてはいなかったがあったのだろう。


「お風呂が沸いています。お入りになられますか?」


「入ろうかな」


「では…こちらへ」


 イリスにお風呂場へと案内してもらう。


「ごゆっくり」


「ありがとう。っと」


 かなり豪華な浴槽になっている。

高級ホテルの温泉レベルではないだろうか?


「いいのかな…入っちゃって…」


 テンションは今上がっている。

早くこのお風呂に浸かってみたい!


「でもまずは」


 先に体を洗わないと始まらないので体を洗おうとした。

その時


「ご主人様、お背中流しましょうか?」


 奥からイリスの声が聞こえてきた。


「イリス!いいの?ありがとう」


 まさかのメイドに背中を流してもらえるなんて

こんな経験は味わったことがないので是非、やってもらおう。


「お背中…綺麗ですね」


「そうかな?」


「はい…素敵ですよ。お手も…足も…」


「やだな〜褒めすぎだってば〜」


 イリスにかなり丁寧に洗ってもらっている。

なんだかまた距離近い気がするけれど気のせいだろう。


 そうして湯船に浸かる。


「あ〜お風呂最高〜」


「そう言っていたけれはメイドとしても幸いです」


 湯船も最高


「ありがとね…元気、出てきたよ」


「何かあったのですか?」


「…実はね」


 イリスな心配そうに私を見てくる。

言わないでおこうと思ったが、イリスにならしても大丈夫そうだと思った。

なので今日あった話を好きな人にアプローチかけたら彼女いたとそれっぽく誤魔化して話してみた。


「そう…だったのですね。すみません…お力になれなくて…」


「いいんだよ。イリスは私の話を聞いてくれたでしょ?それだけでも私、嬉しいんだ」


「ご…ご主人様…」


 私の方にイリスが近づいてきた。

なんかちょっと近い。これは気のせいじゃない。


「ご主人様。私、これからも頑張ります…」


「ありがとう。無理はしないでね?気持ちだけでも嬉しいんだからさ」


 そうして私はイリスの頭を撫でてみる。


「はぅっ!?」


「あ…あ…ごめん嫌だった…?」


「い…いえ…寧ろもっと…」


「え?」


「は…励みになるのでもっと撫でて頂けないでしょうか…?」


「う、うん?」


 そんなに嬉しかったのだろうか?それぐらいなら私でもしてあげられるので撫でる。

撫でた後の反応は可愛い。


「ふぅ〜上がった」


「本日はありがとうございました。おやすみなさい…ご主人様」


「うん。おやすみ」


 寝室の前までイリスが送ってくれたのでスムーズに辿り着いた。

そして大きなベッドにダイブする。


「あ〜。寝よっと」


 今日を振り返りながら毛布を被せた。


 あれ?


 女子にモテてない?

読んでいただき、ありがとうございました。

面白いと思った方は、作者のモチベーションに繋がりますのでブックマーク、評価、感想、よろしくお願いします。

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