表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/44

第18話 ベルリスと幽霊退治・後編

 前回のあらすじ

私とベルリスは幽霊退治の為にユーレイ村に来ていた。


 しかし、村に宿で休んでいると部屋に閉じ込められ、幽霊に遭遇してしまった。


 さぁ…どうなる!?


「どうするんだエリム!?」


 ベルリスが焦りながら私に聞いてくる。


「どうって…戦うしかないでしょ!」


 私はそのまま杖を取り出した。


「火魔法…くらえっ!」


 私は火魔法を使った。


 しかし


「効かない…効かない…」


 全く効果がなかった。


「いやいや、魔法効かないとかどうなってんの!?」


「私の剣をっ!」


 そうしてベルリスは剣を取り出した。


 けれど。


「わ…私が…その…」


「うん。凄い震えてるね!?」


 どう見てもベルリスは戦闘可能な状態ではなかった。


「わ…私もこの杖で…」


「杖持ってたの!?」


 まさかのベルリスが杖を出した。

魔法を使うのが苦手と前、言っていたけれどまさか持っているとは意外だった。


「はぁぁぁっ!」


 ベルリスは杖から光魔法を放とうとした。

けれど。


「…あれ?」


 なんかしょぼい光が出て終わった。


「いや意味ない!?」


「すまない…終わった」


 完全に2人揃ってピンチになってしまった。


「こっちへ…こっちへ…」


 幽霊は私とベルリスを手招きしている。

これ、誘いに乗ったら完全にまずいやつだ。


「私は…もう終わりだ…」


「ベルリス!まだ諦めないでよ!」


 そうして幽霊はどんどん私たちの方へ近づいてくる。


「エリム!エリムに会えて…私は幸せだった…私はエリムに出会えたことを誇りに…」


「最後みたいなこと言わないでよ!?」


 ベルリスが完全に最後みたいな雰囲気を出してしまっている。


「私は…もう…」


 ここでベルリスが私に抱きついてきた。


「く…!」


 ここでまさかの幽霊の動きが止まった。


「あれ?止まった?」


 確かに止まっている。

ベルリスに抱きつかれながら、確認した。


「やったぞ!」


 そうしてベルリスは私の体を離して喜んだ。


 だけれど。


「うわぁぁぁっ!」


 幽霊が再び、動き出した。


「ぎゃああああ!」


 ベルリスはまた私に抱きついてきた。


「くく…!」


 また幽霊の動きが止まった。


「どうなってるの…?」


 動いたり止まったりと幽霊のコントロールの仕方が分からなく、困惑してしまった。


 でも、少しだけ分かった気がした。


「ベルリス、ちょっと…ごめんねっ」


 私はベルリスを押し倒した。


「な!?なんだ!?」


 ベルリスはかなり照れている。


「これで…」


 幽霊の動きは止まるどころか、体が薄くなってきている。


「間違いない…」


 恐らく幽霊は私たちがイチャイチャしているところを見ると大人しくなる。


「ベルリス…ベルリス…」


 ベルリスの首元に顔を寄せて甘えてみる。


 幽霊はどんどん薄くなっていく。

この調子だ。


「エ…エリ…エリム…エリム…」


「後で事情説明するから頑張って!」


 ここでどうしてこうするのか理由を話すよりもまず幽霊をなんとかする方が先なので理由の説明は後にすることにした。


 勿論、ベルリスは困惑しつつ、照れている。

作戦とはいえ、申し訳ない。


「ベルリス…たまらないよ…」


 押し倒しながらベルリスに抱きついてみる。

抱き心地良い。


「ひゅう…」


 幽霊が反応を見せている。

ここでとっておきのあれを使ってみよう。


「…ちゅう」


 ベルリスの首元にキスをする。


「なっ!?」


 ベルリスはかなり驚いている。


「また…」


 ベルリスの頬にもキスをする。


「そ…そこまで…!?」


 ベルリスは私を真剣な眼差しで見つめている。


 そして。


「…ここまで良い百合が見れたのは初めてです…」


 幽霊が喋った。


「そう?」


「はい…私は今まで自分好みの百合を探し求めていたのですが、中々見つからず…今日、この日までずっと探し求めていました…」


「どうだった?私とベルリスのは?」


「とても満足しました…これで成仏できます…さようなら…」


 幽霊は無事、成仏した。


「あ〜やった〜!」


「な、なんだったのだ!?」


 ベルリスは慌てながら私に問う。

こうなるのも無理はない。


「さっきの幽霊、抱きつくところで動きが止まったから…もしかしたら私たちがイチャイチャしていれば、何かあるかもって思って…驚かせてごめんね。ベルリス」


「今ので無事、成仏はできたのだろう…それなら良いではないか」


「良かった…」


 理由を説明したらベルリスは落ち着いた。


「とりあえず今日は寝よっか」


「そうだな…その…少し、頼みがあるのだが…」


「どうしたの?言ってみて」


 ベルリスの頼みとは一体?

聞いてみた。


「今日は添い寝…してくれないか…?幽霊を見たばかりだから…」


「そうだね。添い寝しよっか」


「助かる…」


 幽霊に対しては怖がりなベルリス

騎士かっこいいところも持っているが、こういった可愛い一面があるのもベルリスの良いところだろう。


「よし…」


 2人で同じベッドに入る。


 ベルリスの顔が近い。


「では…寝よう」


 こうして見るとベルリスってやっぱり可愛い。


「そうだね。寝よっか…おやすみ」


「あぁ…おやすみ」


 幽霊、私も怖かったしずっと私とベルリスの記憶の中に残るだろう。


 でも、ベルリスと一緒に添い寝したのでこの日は安心してよく眠れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ