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輪っか

作者: Chan茶菓




 誰にでも持つ「輪っか」がある。

 

 それは深さも大きさも人それぞれ様々なのだが、やけに柔軟な「輪っか」だ。

 深くも浅くも、大きくするのもその人次第。しかし千切れることは無い。

 


 その「輪っか」には誰でも自由に出入りすることが出来る。

 先人が居れば挨拶をして、誰も居なければ「大」の字を書き寝転ぶ事も出来るだろう。

 時間など気にせずゆっくりできる輪もあれば、少しの時間居座る事の出来る輪もある。輪がどこかに移動する事も。「輪っか」はいたって自由なのだ。

 


 「輪っか」は他の輪が振れると、その人の輪と同化する。

 同化した輪は輪が増えるほど少しずつ厚くなり、分厚い壁に代わる。

 その壁はほかの人間は簡単にはどうにもできないほどに厚く、壁の内側に入ることはできても、すぐに同化することは難しい。

 自分で輪を引きちぎり、輪を失くしてしまえばよいのだが、なぜか硬く、どうにも千切れることはない。輪の内側にいる先人たちの近くに行くが、輪ある分だけ遠いのだ。

 


 時間がかかるはいずれは同化できるだろう。

 しかし、「輪っか」を持つ人はそれがいつかも分からない。

 輪が消えゆく過程を楽しめる人も居れば、すぐに消えないいじらしさに焦りを覚える人もいる。諦念感から輪を去る人もいるだろう。



 あとは自分の想いなのだ、先の見えない所にはさぞ不安でも「その輪に溶け込みたい」と思う気持ちを否定も拒絶もしはしない。



 「輪っか」はいたって自由なのだ。





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