1,神谷雹、ゲームに触れる
この作品には、もしかしたら矛盾とかが生まれる可能性があります。
そういう時は、「まあ、このポンコツ作者だから仕方ない」と、思ってもらいたいです。
「うおっ、すげぇ!」
これは、面白い。
青髪の男、神谷雹は、興奮しまくっていた。原因は、遡ること4日前……
■■■
「はあっ!? 勝手にゲームを買った!?」
彼――神谷雹は、電話越しに怒鳴り散らしていた。それも仕方ないことである。なぜなら、頼みもしていないゲームとゲーム本体を買った金を要求されているのだから。
『頼むよ! 面白くなかったら、全額返済するから!』
どこの通販番組だ。などと思っている暇もなかった、なぜなら、生きてきて19年、ゲームというものをやったこともなければ、見たこともなかったのだから。
なぜならこいつは、――ラノベオタクだからだ。人生の9割はラノベに当てていると言っても過言ではない。途中で、ゲームをやってみたいと思ったことはあるが、もう、意地になってしまって、この歳までゲームはやっていない。食費を切り詰めてラノベを買い、ラノベのために3日食べない、なんてこともやっている。頭がオカシイのである。
「はあっ、分かったよ。……だが、面白くなかったら、返品するから全額プラス手数料を払え」
『おおっ、ありがとう! で、金額の方なんだが……』
もう一度、雹が激昂したのは言うまでもない。100,000もあれば、ラノベが数十冊は買えるからだ。
■■■
「えーっと? こーど? を? 繋いで? ……わからねぇ!」
素早くスマホ画面をタップする。
『どうした、雹。もう届いたか?』
「ああ、届いたが、接続方法が分からねえ」
『……は? いや、ただ繋いで被るだけだろ? どこがわからないんだ?』
「どうやって繋ぐんだ?」
『……分かった、ちょっと待ってろ。今、ゲーム持ってお前んち行くから。一人暮らしだったよな?』
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「よっ、待たせたな」
「いや、12分46秒だ。それほど待ってはいない」
「その、謎な完璧主義は何なんだ?」
雹より、5,6センチ位、背が高い、ゲーマーの中では超有名な男――雨村蓮が挨拶する。
「で? 本当にどこがわからないんだ?」
「ココとココとココとココとココだ」
「全部じゃねえか!」
ゲームを起動することが出来たのは、それから30分後であった。
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ヴォン
『身体設定が、完了しました。種族を、選んでください』
「えーっと、選べる種族は……」
エルフ、ドワーフ、魔族、ハーフリング、亜人
「ふむ、亜人一択だな」
なぜなら、この男、攻撃力があれば大丈夫と思っているからです
「おっ、亜人の中でも種族を選べるのか」
狼、狐、猫、犬、鳥、魚、……カタツムリ
「最後の2つ……いや、2つは完全にネタ枠だとして……」
雹は、考えた。その少ない頭で。一番攻撃力が高いのはどの種族だと。鳥……は、攻撃力が高いイメージがない。猫は、なんか違う。狼が、攻撃力が高そうだ。
『キャラクリエイトを開始します』
ここで、ヲタ魂が反応してしまった。そして、出来上がったのは、現実とは似ても似つかない金髪緑眼色白イケメンの狼人だった。
「よし、完成だ。なかなかのイケメンだ」
初めて遊ぶゲームのキャラクリに、時間が10倍に引き伸ばされているとはいえ、体感時間7時間もかけるやつがいただろうか。
『ステータスを振ってください:残りステータス100』
「初期ステータスも選べるのか……。よし、これでいい」
『ヒョウ』 狼人
HP20
MP5
STR30
VIT5
INT5
DEX15
AGI15
LUC5
が、こうなった。
HP20
MP5
STR130
VIT5
INT5
DEX15
AGI15
LUC5
「よし、完了だ」
もう一度いうが、このゲームは極振りが強いというわけではない。ただ、一発で敵を倒せたら、かっこいいな、という、雹の願望だけである。
『それでは、開始します。現実世界に、異常が合った場合、強制切断されます。『LIFE & FANTASY』の世界を、お楽しみください』
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(※ここから、ヒョウの一人称視点に変わります。やはり、自分に三人称は無理だった。)
シュン
お、これは、仮想世界に転送されたのか? ちょっとだけ、目を開けてみよう。……うおー! すげー! これは、パッケージに書いてあった場所なのか。ふーん、ゲーム、というものも、悪くはないな。……面白い。そして、これは、何をすればいいんだ? ……冒険か! だがしかし、まずは、武器を買ったほうがいいのだろう。武器は大事と、蓮に言われたからな。武器屋はどこだろう。
「おーい、そこの兄ちゃん! そこの、狼人の兄ちゃん!」
? 狼人って、俺のことか。狼人って、老人みたいで嫌だな。まあ、もう決めてしまったので仕方がない。……これは、アイツの言っていた、ちゅーとりあるクエスト、かな?
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