番外編 どん底より
NO.???どん底より
西公にある、とあるボロ小屋では、もはや日常と化した男の怒号が響き渡っていた。
「クソガキがぁ!! 調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
「――ッ!!」
鈍重な音共に、小柄な少年の体がふわりと宙に舞い、こちらもまた鈍い音を立てて地面に叩きつけられる。
「さっさと片付けろやクソガキども! てめぇらも同じ目にあいてぇか! ああん!?」
男は、少年の近くで耳を塞ぎ、目をつむって震えていた4人の子供たちに対しても、同じように怒鳴りつけると、机の上に置いてあった酒瓶を手にし、乱暴にドアを開けて去っていく。
「いったたた、あのクソジジイ。いつかボコボコにしてやりますよ……」
悪態をつき、腹を抱えながらも、さして痛手を負っていない様子の少年は、立ち上がり様、子供たちが震えているのを見ると、優しく微笑みかけた。
「そんなに心配しなくても、ちゃんと衝撃は殺してますからどこも怪我してませんよ」
「でも……お兄ちゃん……僕たち」
「おっと。ごめんなさいはいりませんよ?僕たちは家族なんですから。そして、僕は年長者。弟たちを守るのは当然ですよ」
実際、ここにいるのは身寄りのない孤児たちなので、血は繋がっていないのだが、少年はまるで家族かのように語りかけ、1人ずつその頭を撫でる。
「さて、ここに攫われてきてはや10年。いい加減このゴミ溜めからも抜け出したいところですねぇ」
この10年は、まさしく地獄というにふさわしい日々だった。
毎日のように連れられてくる幼い少女たちが、殴られ、なじられ、まるでゴミを捨てるかのように殺されていく。
少年が揶揄したように、まさにゴミ溜めの名にふさわしい場所だ。
そんな場所で、少年と子供たちは、死体や吐瀉物等の片付けをさせられていた。
本来なら、生きることすら諦めたくもなるような地獄だが、少年は諦めてはいなかった。自分は無理でも、せめて弟たちは逃してやりたい。
先程の男は、怪しげな薬の仲介人をやっており、どうやら最近、不正がばれて取引先がギルドに捕まったらしい。
仕事がなくなった男は、金になる仕事を探すため、最近よく出かけていく。
「またとないチャンスですよ。10年前に見た限り、ギルド支部は割と近くにあります」
語りかけるようなような少年の口調に、子供たちは刻々と頷く。
それを見た少年は、満足げにニヤリと頬を歪めて続ける。
「救難依頼を出しましょう! こんなゴミ溜め、さっさとおさらばですよ!!」
「「「「おー!!」」」」
この時の少年の行動が、少年たちの……ひいては真宗たちの運命をも大きく変えることになることは、まだ誰も知らない。
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To be continued
どもども!また会いましたね皆さん!毎度お馴染み雅敏一世でございますよ〜!
さて、2連続番外編でお送りしますヘタレつ2周年まさかの3話投稿ですよ!
この先、少年がどのように真宗たちと関わってくるのか…
ではでは、また会いましょ〜♪




