新章51 ワンダーランド
NO.67ワンダーランド
「なんだよ。これ」
扉をくぐり抜けた先では、目を疑うような光景が広がっていた。どうやら、外から感じ取れた違和感の正体はこれだったらしい。
室内にも関わらず空があり、太陽には何故か顔がついていて、しかも満面の笑みだ。なんかムカつくなあの顔。
床には芝生が張られており、こちらもまた眩しいほどの笑顔を浮かべた花が鼻歌を歌っている。
さらには、人間と変わらない背丈のクマやらウサギやらのぬいぐるみ、果ては椅子や時計さえもが闊歩していた。
いや、椅子はともかく時計が闊歩するってなんだよって、自分でツッコミたくなったが、事実なんだからどうしようもないんだよなぁ……
『はぁい♪皆さん。ワンダーランドようこそお越しくださいました! スタッフ一同、誠心誠意おもてな死させていただきますのでく☆れ☆ぐ☆れ☆も♪死なないようにご注意くださぁ〜い!』
「なんだこのムカつく上に、妙に主張とクセの強い声は」
そんでもって、セリフに反してすげぇ物腰柔らかいし、明るい話し方してるのに、声野太すぎて無意味なんだよなぁ……むしろ不気味さが増してるまである。
「……ひっ!」
ほら。ルナなんて、恐怖のあまり一瞬固まってから、縮こまっちゃったじゃんか。こいつの大声なんて初めて聞いたぞ。
「ルナちゃん大丈夫?」
「…………う、うん。……でも……手、握ってて」
「ルナ! お姉ちゃんが手繋いであげるわよ!」
「…………イナは、いい」
「何でよ!!」
こいつら……緊張感なさすぎだろ。いや、敵側のさっきのセリフにも、そんなもんなかったな。
「……って、うわぁっ!」
ちょ、何でこのぬいぐるみたち殴りかかってくんの!?
しかも、見た目と威力が釣り合ってないんだけど! 風圧が! 頬を掠めたときの風圧がすごい!!
そんでもって、見た目はかわいいぬいぐるみだから、反撃するにも抵抗が……
「おいリズ! これどうなってんだよ!!」
「知るか!! 俺に聞くな!」
乱雑な返事と共に、殴り飛ばされ飛んでいくぬいぐるみ
リズのやつ、ためらいなく顔面ぶん殴りやがった……容赦なさすぎだろ。
とはいえ、無力化する手段がない以上、俺もそうするしかないか。
「…………許してくれ! くまさん!!」
ぬいぐるみらしからぬ(?)俊敏な動きで、俺にジャブをかましていたくまのぬいぐるみに、しゃがみ込んでパンチを躱してからアッパーを決める。
「あっ、あっ! 首がぁ!!!」
すると、アッパーの威力が強すぎたのか、ぬいぐるみの防御力がかなり低かったのか、体が上に打ち上がるだけでは飽き足らず、勢いに耐えかねた生首が宙を舞っていく。
しかも、血の代わりに綿を噴き出しながら……
何だよこれ! ただのグロシーンじゃねぇか! 綿でよかったよ! 危うく、イナルナにトラウマを植え付けるとこだったじゃんか。
俺にはもう既にトラウマだけど。
ちなみに、他の面々は俺とは違い、約1名を除いてうまく受け流しているみたいだ。
そうだよな。見た目だけはかわいいぬいぐるみなんだし、あまり乱暴は――
「えっ、ええいっ!」
前言撤回。そういえば、そんなこと関係ないメンツだったわ。
王花は背中に背負っていた巨大な手裏剣のようなもので、淡々とぬいぐるみの首がを刎ねていってるし、セリカはセリカで杖の出っ張りをぬいぐるみの顔面に力一杯ぶつけて撃退している。
つーか、王花のリュックやけにデカいと思ってたけど、そんなもん入ってたのかよ。
「このぬいぐるみたち、そんなに強くないから、何とかなりそうだね」
「そうだな。つっても、こんだけ数が居るとキリがねぇな」
セリフの言う通り、強さ自体は大したことない。けど、さっきから際限なく押し寄せてくるせいで先に進めない。
どうにかして、捌ききらないと――
『ぴーんぽーんぱーんぽーん♪えー、ここでお知らせでっす☆ゲームをより面白くするためにー、2チームに別れてもらうことにしっまーっす♪そんじゃ、ポチッとな☆』
そんなことを思っていた矢先、またあの妙な声が響いた。
てか、この声どうやって聞こえてんだ? ……まさか、脳内に直接!?
そもそも、こいつの目的が謎なんだよな。俺たちを即始末したいなら、こんなちまちま削る必要もないし、ましてや分断なんて――
「はぁっ!? 分断!?」
俺が叫ぶのと同時、俺の周りにいきなり半径2メートルほどの穴が開き、たちまち下に落下してしまう。
「真宗くん!!」
上を見ると、王花も同じく巻き込まれていて、セリカは俺を追って飛び込んできたみたいだ。
うっそだろ……今度こそ終わったか?
「おい真宗! ちびっ子どもは任せろ!! だから死ぬんじゃねぇぞ!! わかったな!!」
「ちょ、ちょっと! ちびっ子って誰のことよ!!」
上が騒がしいな。けど、お陰で諦めるわけにはいかなくなった。
「わかった! こっちも任せろ!! 後で絶対合流する!」
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To be continued
どもども、やっとこさ更新にありつけた者。雅敏一世です!
もはや恒例となってきたあとがきですが、今回も懲りずに書いていきます♪
さて、今回ですが、Twitterでも呟いた通り、まだ名前も明かされていない新キャラのキャラ(性格)がとんでもなく濃いものになってしまいました。
こんなキャラにする予定なかったんですけどね…
まだまだ謎の多い新キャラ、そして新展開。クライマックスとのたまいながら一向に上がらない投稿頻度。
面白くなってきましたねぇ!(笑)
ではでは、作者はこの辺りで失礼。
また会いましょー♪




