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ヘタレ魔王の英雄烈伝!  作者: 雅敏一世
新章第一幕 東共奪還作戦編
46/123

新章28 草薙小隊結成!!




NO.44草薙小隊結成!!


「要するに、ここにいる5人でチームを作れってことか?」


「そういうこと……まぁ、とは言っても強制じゃないし、誰がリーダーになるかとかはお任せするよ」


 ふむ。イナルナは多分問題ないだろうし、セリカも嫌だとは言ってこないだろうな……となると問題はリズか。

 誤解が解けたとはいえ、それはつい数十分前の話だ。断られるのも覚悟しとかないとな。


「俺は別にかまわねぇぞ」


 なーんだ。別にそんなことはなかった――


「って、マジ!? いいのかよリズ!!」


「ああ。別にもうお前を避ける理由もないしな。それに、見ず知らずの他人の下につくくらいだったら、まだ知ってる奴と同じチームのがいいだろ?」


「リズ!!」


「あ?なんだ……っておい!! ひっつくんじゃねぇ! 暑苦しい!!」


 思ってもみない返答に嬉しくなって抱きつくと、引っ剥がされた。

 いや、自分でもちょっとキモいかなって思ったけど、そこまで露骨に嫌な顔されると流石に傷つくな……


「あー!! リズくんずるい!! 私も真宗くんにくっつきたい!!」


「へぶっ!!」


「おい! 俺も巻き込んでんぞ!!」


 いきなりセリカが飛びついてきて勢い余って横にいたリズごと押し倒された。

 その後は文字通りの地獄絵図。やいのやいのと騒いでいるうちに、我慢の限界になったギルマスから全員もれなくゲンコツをくらい、やっと落ち着いたのだった。


♦︎♦︎♦︎


「落ち着いた?」


「「「すみませんでした」」」


 腕を組み、額に青筋を浮かべたクロスの前で、俺とリズ。そしてセリカは椅子の上で正座させられていた。

 ちなみに、イナルナはもう飽きたのか部屋の隅にあるソファの上で寝ている。


 イナの顔の上にルナのお尻が乗ってるすごい体勢になってるけど大丈夫なのか?あれ。首の骨折れそうだけど……。


「で? 結局、チームを組むのに異論はないんだね?」


 クロスの問いかけに、全員が頷く……あそこで今にもソファから落ちそうになってる2人を除いて。あっ。落ちた。


「となると、代表者を決めてもらわなきゃね」


「えー。代表者とかいらなくね?」


「いるの! こういうのは雰囲気が大事なんだから」


 雰囲気って。相変わらず適当だなこの人。

 まあ、リーダーってんなら俺なんかより――


「リズ。任せた」 


「は? なんで俺なんだ。お前がやれよ」


 あれ?なんか想定してた反応と違う。もっとノリノリで引き受けてくれると思ってたのに。


「あ、ちなみにリーダーにはチーム名を決めてもらうからね?」


 クロスのひと言に、場の空気が凍った

 さてはリズのやつ、なんとなく面倒なことになるって察してたな。


「ほ、ほら。この間の任務でも一番活躍してたしなぁ」


「う、うん! 私はやっぱり真宗くんが1番似合うと思うなー」


「お前ら揃いも揃って棒読みじゃねえか!!」


 こいつら……顔を覗き見ようとすると目を逸らしやがる。

 クロスも俺がやると信じて疑わない顔してるし。


「……わかったよ。降参だ。やりますよ! やればいいんだろ!!」


「よしきた! んじゃ、この紙に名前書いてってねん」


 俺が両手を上げて降参すると、クロスが嬉しそうに手を叩き、一枚の紙を俺たちの目の前に出してくる。


 イナルナは起きる気配がないので、仕方なく俺が名前を書いておく……あいつらって家名あるのか?


「ああ。家名までは書かなくていいよ。イナとルナと同名の子はまだうちにはいないからね」


 顎にペンを当てて悩んでいると、察してくれたのかクロスが教えてくれた。

 そっか。じゃあ特に気にしなくていいのか。


 さっさとイナルナ、そして自分の名前を書き終えて、セリカに紙を回す。


「そういやさっき勇者の隊があるって言ってたけど、俺らもセリカの隊に入れて貰えばいいんじゃねえの?」


「セリカは……っていうか『暴食』の勇者はちょっと他の勇者と違うからね。自分の隊とかは持ってないの。だから真宗くんは気にしなくていいんだよ?」


 クロスの優しい笑顔にはいいからもう諦めろ。そして隊の名前をさっさと考えろ。

 そんな思いが込められている気がした。


 んー。なんかいい名前ないかな。俺あんまりネーミングセンスないんだよ。小さい頃飼ってた金魚に「ゴンザレス2世」って名前つけて雷刃にめっちゃ笑われたし。


『ガタッ!!』


 椅子の前脚を浮かせて考え込んでいると、足が滑ってそのまま倒れ込んでしまった。


「いでぇっ!」


「何やってんだよ。」


 リズが呆れ顔で覗き込んでくる。

 と、ここで青天の霹靂かのように、俺の思考に衝撃が走った。


「草薙小隊」


「あ?なんだって?」


「草薙小隊ってのはどうだ!?」


「おお。中々いいじゃねぇか」


「うん! かっこいい!!」


 椅子に座り直しながら案を出すと、セリカとリズも好感触だ。よかったぁ。これが没になったらマジで徹夜コースになるところだった。


「んじゃ、決まりだね!」


 クロスはそう言うと、笑顔でさっきの紙を手渡してくれる。

みんなの名前が書いてある上の方に『草薙小隊』と名前を書く。


 そう。これが草薙小隊、ひいては真宗の苦悩の日々始まりである。そして、後世に語り継がれることになる。


 依頼の達成報酬よりも、被害総額の方が上回る『実績ナンバーワンの超問題児集団』と


………………………………………………………………

To be continued

どもども、またしても久々な雅敏一世です!

5300pv達成、本当にありがとうございます♪

さて今回ですが、やっとこさチーム結成のくだりまで書き終えました。次回からはまた新しい展開となっておりますので乞うご期待ください。

ではでは、作者はこの辺りで

また会いましょー

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