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ヘタレ魔王の英雄烈伝!  作者: 雅敏一世
序章 逢魔降臨編
17/123

序章幕間 束の間の一休み




No.16束の間の一休み


 ゴブリンとの激闘を終え、謎の急展開で俺たちは西方公国の公都に連れてこられ。今はギルドに向けて4人でトボトボと歩いていた。


 もう夜も更けており、さっきの激闘の疲労もありもうフラフラなんだが……


「なあシルヴァさん」


「シルヴァでいいよ真宗。どした?」


「そうか? ならシルヴァ。俺、今日はもう疲れたから休みたいんだけど……」


「知ってるよ。だからギルドにある直営の宿に向かってるんだよ」


 なんだ。そういうことか。というか、さっきからイナルナが妙に静かなのが逆に怪しい。


「お前ら絶対問題起こすなよ?」


「何よ。人を問題児みたいに」


「あれ? 違ったか?」


 とうとう我慢の限界なのか無言で掴みかかってきたイナと揉み合いになっていると、シルヴァが何やら生暖かい視線を向けてきた。


「なんだよ。俺がイナと喧嘩してんのがそんなに珍しいか? 尾行してたならわかるだろ」


「いや別にそういうわけじゃなくて……本当に仲がいいんだなって」


「どこがだよ!」

「どこがよ!」


 俺とイナが2人で反論するが、シルヴァは「ハハハ」と笑って相手にもしない。俺とこいつのどこを見たら仲が良く見えるんだか。


「ほら。ついたぞ」


 そうこうしているうちに、目的地に着いたらしい。ちなみにルナはもう眠気が限界を迎えているらしく、半分寝ながらイナに手を引かれている様子は、見ていて実に微笑ましい。


「ほんと、黙ってたら美少女なのになぁ」


「何か言ったかしら?」


「な、なんでもないです」


 危なかった。もう少しでいらぬ地雷を踏み抜くところだった。平常時だったらここでさらに追い討ちするのもいいんだが。今日はもう疲れたから余計な体力は使いたくない。


「ほら、いつまでも突っ立ってないでとっとと入るぞ」


 そう言うと、シルヴァはスタスタと建物に入って行ってしまう。


「そういえば、あのゴブリンどもはどうしたんだ? 流石に村に放置ってことはないだろ?」


「途中の目立つ道に捨ててきたよ。あれなら他のギルド隊員がなんとかしといてくれる」


 シルヴァを追いかけながら、ここに来るまでずっと気になっていたことを聞くと、割ととんでもない答えが返ってきた。


 マジかよ。俺ら3人だけじゃなくあのクソデカゴブリンも担ぎながらあの速度で走ってたってことか。


 これからどうしようか。一応目的地のギルドにはついたわけだが……まあ、今のところ収入ゼロだし、この2人連れてまともな仕事はできそうにない。

 じいちゃんにもらったお金もいつまで持つかわからないからな。


 となると、必然的にギルドに入隊するしかないか。別に俺としてはそれでも構わないんだが……なーんか忘れてるような。


「あっ! そういや雷刃のこと完全に忘れてた!」


「どした? 急にでかい声出して」


「うわぁ! なんだシルヴァか。もう宿の手続きは終わったのか?」


「ああ。滞りなくな。もう部屋の鍵貰ってきたけど…」


 そこまで言うと、シルヴァはソファに座っている俺の横をチラリと見た。


「これどうしような」


 俺の横ではイナとルナが、お互いに寄りかかって寝ている。さっさと部屋に行きたいんだが、これを起こすのも忍びない。


「しょうがない。部屋まで担いでいくか」


「そうするしかないみたいだな」


 そうして、イナルナを部屋まで運ぶ道すがら。唐突にシルヴァからこう告げられた。


「雷刃って単語あんまりここで出すんじゃないぞ? 誰が聞いてるかわかったもんじゃない」


 と。あいつ何かやらかしたのか? まあ、一応本人に会うまで気を付けておくか。


「うわ、ベッドふかふか。そういや、こうやってベッドで寝るのも久しぶり、だな……」


 そうして、久しぶりのベッドを心ゆくまで満喫できた俺は、数分後にはすっかり寝入っていた。


………………………………………………………………

ドゥービーコンテニュー







どもども、雅敏一世です。数日ぶりの更新となっておりマッスル。

さて、今回は正真正銘の序章ラストです。次回こそは新章をお送りできると思います!

ではでは、また会いましょー

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