教室の角で side成田
よしよし。風巻くんと一緒のクラスになれた。これはもう天からの贈り物でしょ。私の苗字が成田で窓際だから風巻くんの隣を死守できなかったけど、いつか来る席替えに賭ける!隣の隣の隣の隣の一つ前に風巻くんがいるだけで幸せ。運命!
2年になってから何日か経ったある日の昼休み。お母さんに作ってもらってるお弁当を広げ数人の女の子たちと食事をしていた。もちろん、いつも目に入るのは風巻くん。なんでいつもイチゴミルク飲んでるのかな?めちゃかわゆす。
「由依、あんま見てると気づかれるよ」
「いいの!気づかれたいの」
「気味悪がられたら終わりじゃん」
親友のナツが呆れ顔で文句言ってきたけど無視。今運命を探っているところなのよ。廊下の角とかでぶつかるタイミングがあれば、いつでもぶつかるつもり。そこで、「大丈夫ですか?」てなって、「はいっ」てなって、「君かわいいね」てなって、それからそれから。
なんて妄想を膨らましていたら、風巻くんがいつの間にかいない。え?どこ行ったの?
「風巻くんは!?」
「えー?なんか走ってったけど」
追いかけるべきか否か。いや、追いかけよう!
「ナツ、みんな、ごめん。私追いかける!」
「は?やめときなよ」
私はナツの静止を振り切って追いかけた。多分こっちかな、うーん、どこ?
きょろきょろしながら階段を駆け降りたところで、なんだっけ。風巻くんぼーえたいだっけ、しんえいたいだっけの集団に会った。
「ごきげんよう、成田さん」
「は、はぁ、ごきげんよー」
私、この人たち苦手デス。先頭に立ってるロング茶髪が堂々と立って道を塞いでいる。邪魔だよー。
すると、取り巻きの1人が背後に何かを見つけ叫んだ。
「り、リーダー!あそこ!」
「ん?あっ!」
「え?なになに?」
取り巻き多すぎて見えない!何?何があるの?
ぴょんぴょんジャンプしてチラリと見えた。あ!風巻くん、と、土端、さん?
風巻くんは具合悪そうに顔を抑えている。土端さんはその風巻くんを黙って見ているように見えたがすぐに隣の資料室の扉を開けて中に連れ込んだ。
「魔女が!魔女が悠馬様を!」
「早くお助けしなければ!」
「何してる!授業のチャイムが鳴ってるだろ、早く戻れ」
私の背後から体育教師が怒鳴った。
こわ!てか、うるさ!
私は巻き添えくらっただけなのにめちゃめちゃ怒られそう。ぼーえたいだかしんえーたいだかが先生に言い訳していたけど、皆一斉に怒られて各々教室に戻らざるを得なくなった。




