さあOXだ 3日目
[冒険者ギルド地下円形闘技場]
8:00
出てこいやと言いたくなるような強者達が集う中、あいかわらずざわつく心
「それじゃあ俺からいこうか、ギルドマスターのテリー・ガードナー
ソードマスターだ」
「俺からは剣技の基本にして奥義ともいえる、光刃をみせる」
「名称はまんまだな光ってて刃だから光刃、光波って言うやつもいたらしい」
ん、こっちの人間か?
「フぅううう」
独特な呼吸法?と脱力してるのがわかる、剣が輝いてるあれが剣気だろう
「こんくらいか、ほい」
ほいって・・・まさに光刃といえる物が剣から繰り出され柵の付近で霧散する
「これは遠距離攻撃に苦心した末に編み出された物らしくてだな」
「細かい事はよくわからんが出来るようになる」
おうこの人も長嶋式だな間違いない
「剣士なら最初に覚えるべき技だな?」
疑問系頼むよギルドマスター
「修行しだいとはいえ、これを飛ばさずそのまま剣ごと叩きつければ
そこらの鉄の剣で龍すら斬れる」
「とまあこんな所か」
「リュウ昨日のあれはまずあたらないだろう、動作のせいで読み易く避け易い」
無理だろう当てるにはほぼ相手の真横に位置するんだから
しかしいたんだあの場にギルドマスター
お約束でファーストコンタクトあるとわくわくしてたのに
「だが同じ年月を剣に費やしたとして、ああはならない」
「剣には色々な振り方があるが、あれはそれだけをやってきたんだろう?」
「ええまあ、あれだけをやってましたね」
実際はピッチングもあるんだが
バットでの素振りは無心でする事が多い、矛盾してるが球は意識している
そしてピッチングは一球一球意識して投げる大切に
手全体をムチのようにしならせ、指先は回転を意識する
手から離れるその瞬間まで
「そっちの世界はしらないがな、一般人からすりゃ狂人のする事さ」
「あたらないフェイントにすらならない、そんな振り方の練習なんてな」
そして開始したらそうそう止まれない
だが、鮮麗された振り方だ、科学的にも利にかなってる
野球ボールという小さな的を正確に真芯で捉える、バットのヘッドを下げず
ただ一点に叩きつける
「じゃあ当たればどうなっちまう、あれが当たったらどうなっちまうんだ」
「当たらないなら、当たる状況にすりゃいいじゃねーか」
「あれを見てから楽しくてしょうがねぇ」
「勇者とはいえこっちに来て一日の小僧に極めた奴らが、教えられたんだよ」
「あれは一つの到達点だ、俺達が決して歩まないな」
当然だがあれは俺があみ出したものじゃない
先人達の努力の結晶、確かに到達点なんだ今更理解する
「ここにいる連中にかわって礼を言う、勇者よありがとう」
「・・・押す!!」
そこへ至ればわかるのだろう、ソードマスターの言った事を
なんとなくでしか理解できないのが少し悔しい
その後色々と各職の技?を披露され感覚を覚えていく
基礎としては十分、触れるのを拒否されたのが残念だ
うんいたよ、手からビーム出す人それは俺のものだと言いたくなった
安い挑発をして無理やり撃ってくれないか、考えたが撃つまもなく
ワンパンでのされるのが落ちかと諦めた
[冒険者ギルド1F]
9:30
「お疲れ様でした、先日の件ですね」
「はい、お願いします」
無理やりニコニコしてるような筆頭受付嬢エリーさん、軽くぶちきれてるようにも思う
「えーとですね・・・とりあえず同行する方々を紹介いたします」
いかれたメンバーを紹介するぜ?
「新人冒険者の・・・」
新人さんかこれは一般的な指標としてとてもいい
「アークビッショプ、オラクル・ミラクル様」
呼ばれたのはどうみてもこっちにきて第一村人発見なあの人だった
ニッコニコ顔にぶちきれても神は許してくれるだろう
「新人っす、足引っ張らないようにがんばります!!押す」
エリーさんとオラクルさんを相互に見る助けは来ないようだ
「続きまして、新人冒険者の?・・・」
それどっちよ・・・
「ソードマスター、テリー・ガードナー様」
あっはい
「マンツーマンだ!!」
なに?決め台詞いうのが流行ってんの?よろしくだろう
こっちもニッコニコしやがって、なにそれはあれかそういうネタなのか
「最後に新人冒険者の・・・」
もうこの流れやばいだろう勇者だけど諦めようと思う
「魔法使い、エンヤさん得意魔法はfire boltとの事です」
「よ、よろsどfjklfj」
本物だよ本物の新人さんだよかった、震えてるよごめんね俺のせいだね
しかし落とさないのねうん、最後は国王とか神とか来ると思ってた
ちょっと安心した
「まあなんつーか色々考えた末のメンバーだ問題ない」
「最適解でしょうな、我々が同行するのは」
なに暇なのこのトップ二人、神の話があたまをよぎり暇なんだと思い込む
「アークビショップの爺さんだけに任せれるものでもねぇし
俺だけじゃ回復はできん最善手だ」
わからん判断できるほどこっちの常識はしらない
「リュウ殿はあの時許してくださったようですが
とてもそれで終わっていいことではないのです」
「わかって頂きたい」
手の豆がここにひびくとは思わなかった
「わかりました」
ソウイッテナガスシカナイ
「改めてリュウ・オミナエです、俺の我侭に付き合ってくださりありがとうございます」
「よ、よろしくお願いしますリュウ様」
エンヤさん心労で死ぬんじゃないか、どう声掛けていいやら
スキンシップもダメ、今の俺じゃ本当に殺してしまうかもしれない
某バスケ漫画のビっターンを思い出す
まずはモンスター相手の実戦をするらしい、人をやっちまうのは
死刑囚を用意したとかで終わり次第そっちに移動するとの事
死刑因とはいえ無抵抗な人を殺せとおっしゃる、人次第じゃ発狂するんじゃ
筆頭ウケツケジョーのエリーさんがぶちきれてた理由を察した
「討伐対象は牛型モンスターブラックオックス
強暴だ、オークと同等と言われてるが、突進くらったら即死もある」
さあBOXだ!!
「真横はほぼ死角になってる、丁度いいだろ?」
若干気に(さわる)言い回しだが理解した
[王都から2kmほどの地点]
10:35
グラウンド2個先(200m)くらいに森が見えてる
「ブラックオックス=BOXは草も食うが肉も食う、巨体のせいか森には余り入らない」
「体長は3m~10m、最高時速は100km、加速は遅いがな」
「さあて一匹見えてるが、5mくらいかどうするリュウ?」
「とりあえず突進受けてみようと思います」
「・・・・・」
「・・・・・」
2人ほど無言になる
「ハッハー、希望通りか、まあそうだなそういう奴なんだろ」
「しょうがありませんな、最低限防御魔法は掛けさせていただく」
「その防御魔法というのはギリギリ生きれる範囲にできますか?」
「可能と言えば可能ですが、ギリギリはさすがに
神聖魔法を行使する者として了承しかねる」
「妥協はなしでお願いします、これからに関わるので」
「ふむ、なるほど全身全霊今までの全てを使えという事ですな」
「やべーな根っからの煽り上手かリュウは、楽しくなりそうだな?」
いや勇者の能力なんだろう俺の力じゃない
「これは、どの位置とも言えない聖なる鎧を付与する神聖魔法」
「能力は使い手次第」
「holy,armor,skin」
詠唱ってやたらネイティブに聞こえる
不思議な状態鎧をきてるようではなく、鎧がある?
「しっ、準備は整った俺がひきつけるから適当に当たれ」
「押す!!」
ある程度接近したのちテリーさんが光波でBOXをひきつける
徐々にスピードを上げ、突進してくるBOX
3秒ほどで到達するだろうその時にテリーさんの前に飛び込む
肋骨の下あたりに角が刺さり、BOXの頭により肋骨が折れる
生命の危機なのだろう、痛みはカットされたのだろうと思う
記憶にあるのは空にいた事、テリーさんがBOXをいなしてた事
オラクルさんの魔法で生きてる事くらいか
(死ぬ手前じゃったのう)
相変わらずじっちゃんはいるようだ
「無事のようですな少々肝が冷えました」
「heal」
「ええ、オラクルさんのおかげで死の一歩手前を多分理解できました」
そんな中お声が掛かる
「こっちついでに処理してみろリュウ」
今だ避け、流し、受けなどを駆使しBOXの相手をしているソードマスター
さすがと言える
「数秒気絶させる、ぶちかませ!!」
「押す!!」
武器はなぜかバットを持たされた軟式用だぞ効くのかこれ
「この技は剣気の応用スタンブロウ、打撃だからブロウだ
ぶん殴って数秒お星様状態にする」
「オラァ!!」
どうやらスタンブロウを叩き込んだらしい
それを合図に走りこみ振りかぶる、狙いはもちろん頭部
少年時代から一緒だった相棒にすまないと心の中で呟く
軟式バットじゃへコンでおしまいだろう、ソードマスターの意見だったので
期待がないわけじゃない
結論はBOXの頭が爆ぜた
「理解したか?」
「ええ、まあ」
「賢者の写本通りとしかいえませんが」
「素朴な疑問なんですが俺の攻撃って受けれるものですか?」
「受けれるだろうがな、喜んで受ける奴はいない」
「上級職でも死にかねん、仙人あたりだと似たような事をやってくるだろうがな」
「30年剣を振ったとしてどこまで強くなるか
リュウのそれは何年だ?10年か15年か?」
「それだけを10年として、振り方が色々ある剣に置き換えたら何年分になるか
1次の補正込みならどうなってるか想像できねぇな」
「なんの情報もなきゃ博打だろ、それに飛び込むほど冒険者の[体は安くねぇ]」
なるほどそういう考えもあるか、視点が違うとは正にこういう事なんだろう
ここで剣と拳を習おうと決意する、身の丈にあわない力はいらない
心の師匠も強大な力を持っていたが、それは迷いしか生まなかった
制御できてこそ意味がある
カッコよさそうな事思っても、拳は趣味全開だ楽しんでやるぞこのやろうーーー
そうそう、一つだけ嘘をついた結局一歩手前の感覚はわからなかった
痛みはカットされ、即座に回復され・・・・
これは、ついていい嘘だから多分
2重になってしまったんですが、体感して理解するのに必要と思い書きました
BOX=牛 じっちゃん=賢者
いつかN.e.M.o.42氏に批評してもらいたいあの人面白い
コメントとあいまって嘘シナリオが面白すぎる、あと満遍なくつまらないだったか
言葉選びというかまさに語彙力の宝庫、うまいタグ付け職人に通じるものをかんじました