表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マスターガイスト  作者: 諏訪未来
3/46

第2話 マスターガイスト


仮想空間上に作られた競技場にポップな音楽が流れ、たくさんのアバター達が集結している。皆これから始まるイベントの開始を今か今かと待っていた。


すると突然音楽が変わり、競技場中央に設置された舞台の上にスポットライトがあてられ、黒い髪を二つに結び、黒のメイド服を来た人間型アバターが現れた。設置された大型モニターにその様子が映し出されている。


観衆のアバター達はこぞって大きな歓声をあげる。


「ヴァーチャルリアリティ、『ガイストの真実の世界』へようこそ~。ここではあなたの悩みをこの部屋のマスター、ガイストがきっちり、きっぱり、さっぱり解決してくれまーす。参加している他のみんなとも交流できるから楽しんでいってね。お悩みがあって解決してほしい場合はユーザーネームを書いてこの抽選箱にいれてくださーい。運よく選ばれたら、マスターがきっちり、きっぱり、さっぱりあなたのお悩みを解決します。何か質問があったら私達、ガイストのメイド達に遠慮なく話しかけてね。ちなみに私を口説くのは禁止です。他の子達はどうでしょうか??さてさて、お悩み相談始まりますよ〜。」


「さーて、今日のお悩み相談者の方はこちら!!えーっと、ピンク色の桃色さん。こちらへどうぞ〜」


するとピンク色の桃色の桃が顔のアバターにスポットライトがあてられ、舞台に誘導された。


「ピンク色の桃色さんですか?」


「はい、そうです。なんと光栄な事か。今日はついてますね。ドキドキします。」


「緊張しなくても大丈夫ですよ~。かわいいなぁ、、もう。」


「ではピンク色の桃色さんのお悩みをお聞きしたいと思います。お悩みとはなんでしょうか?」


「はい、実は私は今初めてできた好きな人がいるのですが、その人がとてもモテる方なので、いい感じではあるんですけど、自分が遊ばれているんじゃないかと心配なんです。脈アリなのかどうかが知りたいんです。そこを今後の為にもはっきりさせたくて...」


「そうですか。初めてだと何かと色々不安でいっぱいですよね。これは極めて深刻な問題です。では、この悩みにマスターガイストは答えてくれるんでしょうか!!みんなで呼んでみましょう。せーの...」


「マスターーーー!!」


雷の効果音がなって灰色の雲が空に立ち込め、その中から片手に鎌を持った死神の装いをしたアバターがゆっくりと降りて来て舞台上に着地した。


「その悩みを解決してしんぜよう。」


そう言うとガイストは鎌をピンク色の桃色に向けた。


観衆達は「おぉー」と声をあげた。


「ありがとうございます!!!」


ピンク色の桃色は桃の頭を深々とさげた。


「まずは相手をハッキリさせないといけないね。それはこの方かな?」


ガイストは手のひらに男の名前を表示させ、観衆からは見えないようにピンク色の桃色に見せた。


「はい、この人です。すごいです。なぜ知っているんですか??」


「私はなんでも知っているんだよ。クックック。では、早速ここ最近の彼の交友関係を調べてみよう。」


ガイストは3秒程度停止し、その後また動き始めた。


「結果から言うと、君以外に頻繁に連絡を取っている女性が二人、そのやりとりと見る限り君が本命だと判断するのは難しい状況だな。」


観衆からは「おぉ〜」と言う声と「あぁ~」という声が同時に漏れた。


「やっぱりそうでしたか...そんな気がしていたんですよね。」


「君のことを好きにならせる事は出来ないが、彼の交友関係を破綻させる事はできるが、どうするかね?」


「お、お願いします。」


またピンク色の桃色は頭を下げた。


「よろしい。では別れさせておこう。」


ガイストは鎌を空に向けて「天誅」と叫んだ。それと同時に空では雷が鳴った。


「これで大丈夫だ。自然な破滅の過程を辿らせるため、2−3日程度かかると思うが彼の交友関係は完全に破綻するだろう。これで彼の傷心の隙に入り込めば、恋愛成就の可能性は格段に高くなるはず。現実世界で頑張ろうとしている人は私は好きでね。応援させてもらうよ。」


「ありがとうございます!!!」


ピンク色の桃色はピンク色の目から桃色の涙を流した。


観衆からは「おぉ〜」と言う歓声と共に拍手が巻き起こった。


「今日もマスターはきっちり、きっぱり、さっぱりお悩みを解決してくれました。」


「さてさて、引き続きお便りコーナーに移りたいと思いますが一旦休憩に入りまーす。」


するとメイドとガイストは姿を消した。


会場ではアバターたちが談笑を始める。


――― やっぱりガイストはすごいなー...あれあどうやってるんだろうね.....やらせじゃない?...現実世界で本当にそうなったかわからないしね?...あれはハッキングしてるんでしょ...でもあの速さは異常すぎる... ガイストの手にかかればなんでも破滅できちゃうんだろうね... 天才ハッカーか...... ――― 



マスターガイストのアカウントをログアウトし、VR用のゴーグルを外す。


「今日も新たな手がかりなしだったか.......」と直人はつぶやいた。



まだまだ続くのでブックマークお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ