表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

青と白

作者: 赤傘 終夜

憧れたのはあの空でした

落下しているという感覚が薄れ、飛んでいるような感覚に支配された。

流れる風景と硝子に私の影が重なる。

私は青い空に憧れた、独りの救えない少女だ。

3秒の間、私は走馬灯の様に流れる記憶に涙を流す。

その涙さえ私を置いてきぼりにしていくけど。

私はあの時、どうすれば良かったの?

落ちてく貴方を追って空を飛べば良かったの?

落ちる前に貴方を引き留めれば良かったの?

それとも、空に憧れなければ良かったの?

ねぇ教えてよ。

貴方はもう白い羽を持ってあの青い空を飛んでるんでしょう?

ならせめて私の隣を飛んで。

そして子守唄を歌って眠らせて。

1秒。

地面はすぐそこ。

あの青い青い青い真っ青な空は足元、遠い遠い遠い遠い記憶の中に貼り付いて消えない青。

嗚呼、やり直せるならやり直したい。

そんなほんの一粒の後悔もあの空に呑まれて消えていく。

私の心と声と涙と思い出も。



一人の女性がビルの10階から飛び降りた。

その落下地点に響き渡るは悲鳴とサイレンの音とシャッター音。



世界は無情で残酷で冷酷。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ