5話 真プロローグ
ここは科学の代わりに魔術の発達し、異世界化したパラレル世界の日本。
ある街に住む少年は生活魔術の習得のためバイトをしていた。
雑貨屋、家具屋、病院としたあと建物屋とバイトした。
そして今回は情報屋でのバイトを終えた後から始まる。
静かな木漏れ日に照らされこくりこくりとしていた。
今日はバイトもなく簡単な挨拶だけ済ませておこうと街に出る。
扉を開け外に出ると少し暖かい。
謎の獣に襲われそうになり伝説の魔法使いに助けてもらったあの日からずいぶん月日がたった。
こうしてみるとこの期間はあっという間で少し寂しくもありいろいろな魔法を身に着けたという実感からくる嬉しさが混ざり合った少し笑ってしまうような気分だった。
「まずは、情報屋に行ってみるか」
そうひとりつぶやき情報屋へ向かう。
広い通り道をあるいていると、雑談をしている人たちがちらほらと。
そんな人たちを横目にまっすぐ歩いていく。
家から10分ほどの場所に情報屋はある。
別段隠れた情報屋というわけではなく普通の家と見た目が変わらないため、たまに通り過ぎてしまう。
「そろそろみえてくるな」
左手に小さく情報屋やってますと書かれた看板がある。
果たして目立たない看板に意味はあるのだろうか。
来るたびにそんなことを考えてしまう。
扉を開けるとドアについている鈴がなる。
正面に茶髪でちょびひげの生えた30代くらいの男を見つけた。
「こんにちはおじさん」
「おう、今日はバイトじゃないだろ。どうした?」
「あいさつに来ました」
「おう、挨拶は大事だぞ」
なんだか知らないがバイト先の大人たちは自分のことを子供みたいに扱ってくる。
親がいないという事情を知っていて気を使ってくれているのだろうか。
「おい、ボウズいい話と悪い話があるどっちを先に聞く?」
「それじゃあ、いい話からで頼む」
「わかった」
そういうと男はにやにやとした顔で話し出した。
「お前の魔法を習得するするスピードは速すぎると思って調べたんだが、その結果おまえは魔法の開発者に認められたら、即効使えるようになるということがわかった。しかもMP消費なしでだ。どうだすごいだろ!」
突然わけのわからないことを言われ戸惑っていると続けてしゃべりだした。
「だからとにかくすごいんだよ!」
「すごいのか・・・・・・?」
驚くことを期待していたのか、男はすこし少しいらついた顔をした。
「で?悪い話ってのは?」
「伝説の魔法使いは実はかなり高齢で死にそうだといううわさが流れている」
「え?」
「だからお前、すぐに旅に出ろ」
そんなこんなで俺は旅に出ることになった。