4話 病院で修行
そんなこんなで3か月今日は病院に来ていた。
回復魔術を使えるようになるためやってきた。
他の魔術とは違って回復魔術は専門的な知識が必要かもしれないからだ。
入口に看板がかかっている。
[まじでなおるよー院]
「こんにちわあああああああああああああああああああああああああああ」
叫ぶと白衣をきたおっさんがでてきた。
「うっせえぞここをどこだと思ってやがるんだ」
大声であいさつしたら出てきてくれるというのは最近学んだことだ。
しかし、おこられてしまった。
「すいません」
「全くこれだからガキは嫌いなんだ」
ふてぶてしく男はそういいはなつとはなしかけてきた。
「おい、クソガキ名前は?」
「名前はない」
俺は親を知らないそれどころか親戚もいないただ金だけが倉庫にあった。
それを使って生活してきたにすぎない俺は名前を知らい。
「あー・・・・・・複雑な事情があるのか?すまんかった」
「いや、いい」
少し申し訳なさそうな男を見てこの話はすまいと思った。
「で?なんのようだ?」
「回復魔術を教えてくれ」
そういうと男はいぶかしげにこちらをみていった。
「おまえに使えるかは、わからんが教えてやろう」
「ありがとう」
そういうと男は中に案内してくれた。
扉を開けて入ると受付には綺麗なナース。
いくつも置かれた横長のいす。
治療室と書かれたその部屋に男は入っていく。
「こい」
そういわれ俺は少し速足でそこに入る。
薬品の香りがするその部屋は真っ白でいかにもな部屋だ。
正面に豪華な椅子がありそこに男は座ると、彼の正面にある貧相な丸椅子に俺に座るように言ってきた。
そこに座ると男は説明しだす。
「回復魔術も基本はほかの魔術と変わらねえ。イメージして元の綺麗な状態に作り変えるだけだ」
「ふむ」
男は続ける
「だが、この元の綺麗な状態にするというのがいかんせん難しい。人間の体について詳しく知っていないととてもじゃないが危なくて使わせられない。だからおまにはまず人間の体について勉強してもらう」
「わかった」
勉強という言葉に少し戸惑いを感じたが旅をするうえで回復魔術は絶対に必要なものであるからそこは我慢だ。
「じゃあ、この本をまず読んで覚えろ」
熱さはまるで辞書のような本を渡してきた。
ぺらぺらとめくってみると1045ページもあるじゃないか。
「こんなの読めるか!!」
「ああん!てめーいま何でもやるって言ったじゃねぇか」
「知るかこんなのでてきたら誰だって嫌になるわ!」
俺はそもそも文字がろくに読めないからな。
文字を覚えてそれを読んでなんてやってたら年寄りになっちまう。
「じゃあ、回復魔術を教えることはできないな」
「あっそ!ならいいさ、やり方わかんねぇなら自分の体で試してやる!」
そういうと近くにあったペンで自分の手をひっかいた。
「いってえええええええええええええええええええええええええ!!!」
小さな傷だが勢いよくやったから相当痛い。
「なおれえええええええええええええええええええええええええええ!!!」
手が光だし収まるころには傷がふさがっていた。
「なんて奴だ自分でやって自分で直すなんてぶっとんだ奴なんだ」
「へへ・・・・・・やってやったぜ」
誇らしげに俺は笑うと男は呆れたように笑った。
「仕方ねえ、基礎だけ教えてやる。だが内臓とかは見れねぇんだからちゃんと写真見て覚えろよ」
「おう」
こうして俺はこの病院でしばらく回復魔術を教わることになった。