表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
4/98

着きました。

「へぇ、じゃあ僕のいとこって事になるのかな?」

「………そうみたい。

アレクサンドリア麗花。

………宜しく」

「ハーフさんなんだ。

ギャルゲーなんかだと、メインヒロインよりも人気が出るサブヒロイン枠だよね!」

「………ぎゃる、ゲイ?」

「僕は与那城瑛太ってことになってるんだ。

宜しくね」

「………?

宜しく」


何だかんだでお互いの誤解を解いたA太は、少女の案内でようやく目的地に辿り着く。


「………ここ、私の家」


看板に書かれた『アレクサンドリア孤児院』の文字。

その風貌は孤児院というよりは、西欧風の豪奢なお屋敷のようだった。

景観ぶち壊しである!


巨大な庭の奥、これまた巨大な玄関の前に自動小銃を構えた屈強な男の姿。


「むっ!?

そこの貴様、俺の娘に何をしている?」


彼こそがアレクサンドリア家の大黒柱、バース・F・アレクサンドリアである!


「返答次第ではこいつをぶっ放すぞ!!」


バララララララ!!


「あびゃびゃびゃびゃあ!?」

「父様!

もう既にぶっ放しています!」

「おっと、ソーリーソーリー。

モデルガンを持ってきたつもりが本物と間違えてしまったよ。

ハッハッハッ!」


バラララララララララララン!


「笑い事ではありません!

いえ、それより撃つのを止めて下さい!」


…数分後。


「ヘイ、ボウイ。

立てるかい?」

「おっとこいつはどうも」

差し出されたバースの手を取るA太。

「………父様、もう少し驚いても良いと思います」

「ん?

何にだい、麗花」

「………何でもありません」


麗花が事情を説明する。


「!?

なんだとぅ?

あの、ミス瑞希の子供……!?

そんな馬鹿な…」

「………そっちには驚くんですね、父様」

「んしかし、そういう事なら安心してくれ。

なんてったってウチは孤児院だからな!

ハッハッハッ!!

ま、金は取るがな!

ガッハッハッハッハ!」


バースの笑い声に釣られたのか、孤児院から子供達がちらほらと顔を出す。

A太は子供達にとある特徴がある事を瞬時に見抜いた。


「ところでバースさん…」

「おう、なんだ?」

「あの子達が着ている服は、一体……」


子供達は、圧倒的に幼い少女の比率が高く、また、少女達は全員が画一的な服装をしていたのだった。

レースのついたカチューシャ、モノトーンのブラウス、純白のエプロンと黒いオーバーニーソックス。

そう、所謂メイド服である。

しかも、本来のそれとは違う、所謂オタクの方々が喜ぶような露出度の高い代物だった。


「あれは、だな。

ウチの制服だ。

勿論…」

仁王立ちでバースは堂々と言い放つ。

「俺の趣味だ!!!」


「……バースさん」

「……ボウイ」

二人は固い握手を交わす。

それはさながら死線を何度も切り抜けた戦友同士のように。

「………もうついていけません」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ