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Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
36/98

全人類待望らしいのだが。

初老の男に連れられて廊下を歩く荘司朗。

こつこつと、二つの足音が淡白に響く。

沈黙に耐えかねて荘司朗は口を開いた。


「あなた以外には、ここには誰も居ないように思えるが、一体……」

「解雇しました」


まるで天気の話でもするかのような調子の声で、老人はシンプルに回答する。

その短い言葉から、荘司朗は老人について考える。


まずは、この老人が研究所で実質最高の権限を持っていること。

次に淡々とした声の調子から、施設の規模から考えて、恐らくかなりの数のクビを切ったにも関わらず、この老人はそれを大して気に留めていないこと。


結果として荘司朗は、この一見温厚そうな名すら知らない老人に心の底から恐怖を抱く。

その恐怖が更に荘司朗の行動を縛った。


「こちらに御掛けになって下さい」


カーテンの前に置かれたパイプ椅子に座らせられる荘司朗。

老人がカーテンの端を持つ。


「あなたが、いえ、全人類が望む全てがここにあります。

さあ、当与那城研究所の真髄のお披露目です。

目を見開いてご覧下さい」


仰々しい仕草で、老人がカーテンを引く。

そのカーテンの向こう側では、まるで眠っているかのような与那城瑞希の死体が、チューブを介して機器に繋がれたまま横たわっていた。


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