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Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
32/98

自由落下である。

「火事…だと?」

「魔王様、避難を!」

「あ、ああ。

……炎か。

炎は嫌だな」


着の身着のままジャージのままで、恭蔵はドアから飛び出す。


「大分火の手が回っていますね」

「あまり喋るでない。

煙が体内に入るぞ」


身を乗り出して、恭蔵が安全に脱出できそうな場所を探す。


「く、この階層は既に堕ちたか。

芳乃!

あの生垣に飛び降りるぞ!」

「え?

でも…」


恭蔵達がいる階層は四階。

このアパートの最上階である。

地上の生垣までには約12メートルの開き。

命までは取られなくとも、骨の一、二本は致し方が無い高さだ。


楓は恐怖を覚える。

実はこの人、高所恐怖症であった。


「火の手がもうここまで!?

芳乃、迷っている時間など無いぞ!」


楓を強く抱きしめると、恭蔵は壁を乗り越えて跳ぶ。

そして二人は落ちる。

その時間は一秒にも満たないが、楓はその間に今までの、実験に侵された人生を最初からやり直した。




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