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Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
3/98

撃たれました。

地図を描いてもらうものの迷子になり、一度交番に戻って直接案内してもらおうと、交番に戻る最中で迷子になるA太。


ゾンビに襲われること数百回。

食われること数百回。

そしてゾンビを倒すこと数百回。

彼は人も自分も知らぬ間に、一晩にしてこの街の救世主になっていたのだ!


「ああもう疲れた。

一体どこまで行けばいいのさ?」


しかし、街は救えど目的地は見つからず、ついに朝日が家屋の屋根から顔を覗かせる。


まるでゾンビのように歩き続けるA太。


「あのクソババアめ…」


そんなA太を影から見つめる一人の少女。

その小さな身体が抱えるのは、一挺のサブマシンガン。


「………成敗」


物陰から飛び出した少女は、突如A太に向かって弾丸の雨を降らせる!


「あびゃびゃびゃびゃびゃ!!?」


飛び散る肉と薬莢。

火薬と焼けた肉の匂い。

少女にとってそれは、日常の中の極ありふれたものでしかない。

何故なら彼女は、この街有数のゾンビハンターなのだから!


「………?」


だがしかし、流石の彼女にとっても、その後の光景は驚くべきものだった。


「………!?」


完膚無きまでに撃ち殺した筈の死体が、起き上がって自分の肉を掻き集め出したのだから当然である。


「ふう。

銃弾浴びたのなんて、イラクぶりかなぁ。

あ、そうだそこの君、この場所どこだかわかる?」


少女は驚愕した。

さっき迄ただのゾンビだと思っていた、謎の不死身生物が寄越した下手くそな地図は、どうやら少女の家を指し示しているようなのだ。


少女の頭をストーカーという単語がよぎった。

死んでも死んでも追いかけて来る不死身のストーカー。

ゾンビなどより余程恐ろしい。


「………死ね!」

「うびゃびゃびゃびゃ!!」


粉微塵になるまでサブマシンガンを打ちまくり、弾が切れても尚、予備のハンドガンに持ち替えてそれすら撃ち尽くした。


流石にここまですれば、生き返るのにも時間がかかるようで、ズルズルと動いて行く肉片を眺めるうちに、少女は幾分か冷静さを取り戻した。


そういえば叔母の瑞希姉さんが、昨夜電話で何か言っていた気がする。


『つーわけで、うちの子宜しくたのむわ。

って瑞希お姉様が仰っていました、と、あのおっさんに伝えてくれ。

瑞希お姉様のところで頬を染めて涙目になるのを忘れずにな。

いいか、ここ重要だぞ!』


あの瑞希姉さんが、結婚は愚か恋人なんて作れる筈が無い。

どうせまた、構って欲しくて悲しい嘘をついているんだろう。

実情を知っている少女はそう確信し、電話があった事を今の今まで忘れていた。


「いてて。

ねぇ、ちょっと酷いんじゃないの。

幾ら死なないからって、僕にも痛覚ってものがあるんだよ」


まさかとは思ったが、少女は起き上がったA太に質問を投げかける。


「………貴方が、(瑞希姉さんの)子供?」

「(生年月日が三年前の7月19日であることを考えると実年齢的には)まだ子供です」

「………家庭崩壊の危機!?」

「えっ?」

「………えっ?」

「………………」

「………………」

「………(複雑な家族関係のようだけれど瑞希姉さんは)元気?」

「(僕は死なないので常に)元気です」

「………ほっ」

「えっ?」

「えっ?」

「………………」

「………………」


長くなるので、カットなのである!


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