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Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
23/98

バースさんの独壇場でした。

一方その頃A太は、拳銃を構えてゾンビと対峙していた。


「瑛太君!

その距離では危ない!

早くこっちに戻ってきてくれ!」

「そんな遠くから下手糞な僕が撃ったら、あいつに当たらないどころか間違いなく周辺に被害が出ますよ」


そう言いながら、悠長に片目を瞑って狙いをつけるA太。


「うーん。

まだちょっと難しいかな。

…いいや、めんどくさい」


A太は民家の塀を蹴ると反動で空中に跳ね上がった。

そのまま空中で対岸の塀を蹴りあげ、まるでリニアモーターカーのように対象に急接近する。


あんぐりと口をあけるバースとゾンビ。

A太はゾンビの口の中に拳銃の銃口を突き入れると、片手で引き金を引いた。


「良い来世を」


ズドン。


その小ぶりさからは想像もできないような重低音が響きわたり、ゾンビの頭はトマトのように爆ぜた。


「バースさん、これちょっと威力強すぎない?

腕の骨が粉々になっちゃったんだけど」


何事もなさそうに肩をぐるぐると回すA太。


「……っは。

あ、ああ、そうだな、ちょっと弄っておこう。

でも、基本的にそれは両手で撃つ物だからな?」


A太の戦い振りを見て、バースは内心戦々恐々としていた。

本気で引退を考え始めるバース。


「バースさん?

なんか青い顔してますけど、大丈夫ですか?

家まで僕が担いで行きましょうか?」

「い、いや大丈夫だ。

というか、俺の体重が持ち上がるのか?」

「バースさん三人でお手玉とかも出来ると思います。

腕が潰れたトマトみたいになるとは思いますけどね。

ハハハッ」

「な、なおさら遠慮したいな」


一体何が面白いのやら、ハハハハハと高らかに笑い続けるA太。

その背後に、新たに忍び寄る奇形のゾンビ。


ズブシャアアアァ。


四本ある中でも最も鋭い三本目の足を、ゾンビはA太の腹に突き刺した。

咄嗟に反応し機関銃を乱射するバース。

それを二本目の足で受け流しつつ、一と四本目の足を駆使して防ぎきれなかった銃弾を避けるゾンビ。


「オゥ、シッ!!

最近のお前らは化け物揃いだな!

立てるか、A太君?」

「もうちょっと待って下さい。

アバラ骨が治ったら立ちますから」

「オウケイ!

ジックリ治していてくれたまえ!」


銃弾でゾンビの注意を引き付けるバース。

ゾンビは怒り狂い、バース目掛けて一直線に突っ込む。

それを待ち受けていたかのように、バースは自分の前方に弾幕を張る。

機関銃の銃弾をまともに受けて、ゾンビが大きく後退する。


「おおおおおおッ!」


雄たけびを上げて再度バースに接近を試みるゾンビ。

今度はジグザグに跳ね回りながら接近し、銃弾を寄せ付けまいとする。

バースは敢えて銃弾を発射せず、全神経を総動員してゾンビの動きを観察する。

ゾンビの動きが一瞬固まり、その直後ゾンビは全ての足で地面を蹴り、バースに向かってまるで砲弾のように飛行した。


「ふん!」


バースはその動きを読んでいた。

機関銃で空中のゾンビを殴り、地面に叩きつける。

ゾンビは全ての足を折り、立ち上がることが出来なくなった。


「だ、だれ、だれだ…」

「んあ、何か言ったか?」

「俺は、だ…」


何かを喋りかけたゾンビを、規格外の威力を持つA太の拳銃が射殺した。


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