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Dead! Dead!! Dead!!!  作者: quklop
観測者による主観的観測記録
18/98

こそこそしました。

目を覚ましてベットから起きたフリをしながら、割り当てられた部屋を出るA太。

トーストが焼ける匂いを嗅ぎ当てたA太はリビングに直行する。


「ん。

おはよう、腹ペコ君。

まだもうちょっとかかるぜ。

顔でも洗って来なよ」

「あれ、躯呑ちゃんじゃないか。

ご飯は芽衣さんが作るんじゃないの?」

「芽衣ちゃんは朝に弱いから、たまにあたしが代わりで作るんだ!

まあ、趣味みたいなもんかな。

えへへ…。

………ってか躯呑ちゃんはやめてくれよ。

やめろよ」

「駄目?

可愛いじゃないか、躯呑ちゃん」

「あんた、多分誰にだって可愛いって言うタイプだろ。

うん、あたしにはわかる。

…洗面所の場所わかるかい?」

「昨日使ったから大丈夫」


洗面所の方へ向かう……と見せかけて、バースと芽衣の寝室に忍び足で向かうA太。

朝に弱い芽衣というフレーズは、A太にとって心惹かれるものがあった。


こっそり、こそこそ。

ここそこそ。

心臓の音すら停止させて、ズルズルと寝室への階段を這うA太。

その様はもはや、この作品のゾンビどもよりも余程ゾンビらしい。

床とドアの僅かな隙間から、部屋を舐め回すように覗く。


「ほうほう、意外にも敷布団ですか。

これはポイントが高いですねぇ、解説の躯呑ちゃん」

「なんだ気付いてたのかい。

ってかちゃんはやめろ」


二人仲良く大人達の寝室、いや、愛の巣を覗くA太と躯呑。

ここで躯呑がある異変に気が付く。


「あれ、芽衣ちゃんとバースのおっちゃん居なくね?」


ガチャっと勢いよくドアを開ける躯呑。

もちろんA太の鼻先にドアがぶつかる。


「あ、ごめん」

「だいびょうぶだいびょうぶ。

ぃいねむげざまじにぬぁったびょぼ…うごおぉぉっ」

「いや、全然大丈夫そうじゃないぞ!

ほら、血が…ってあら?」

「ほら、大丈夫でしょう?」

「…何度見ても慣れねぇわ、それ」

「気持ち悪いかい?

非人間的だろう?」

「ん、いや、人間だれだって体を自分で治す力は持ってんだから、あんたはそれがちょっと強いだけでなんとかかんとか……ってか、ここでそういう話をするのかよ」

「なんとかかんとかの部分も聞かせてよ」

「ああはいはい、後でな、後で。

いい加減中見てみようぜ」



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