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第6話 体育

 あれから時は過ぎて、金曜日。結局お風呂は入れるようになった。


 1日目は風呂場で自分の全裸直視しちゃって鼻血出して倒れたけど、その後何回かお風呂入る内に色々吹っ切れた。


 こ、この体に慣れてきたんじゃないよ。 いくら女の子になったからって、自分の体に興奮するなんて変態だって思うことにしたのさ。


 そして今、お風呂の何倍もやばい問題に直面している。


 うん、今日体育だ。


 どうしよう……。さすがに皆の前で着替えるとバレるよね……? バレ無かったとしても、胸にサラシ巻いてるから悠斗辺りにすごいからかわれそう。厨2病かよ!みたいなね。


 休もうかな……。 そんな事を考えているとインターフォンが鳴る。こんな朝早くに誰かな?


 「おーい優希―!! 学校行こうぜー!!」

 

 こんな時だけ何故早起きして、更に迎えにまで来るんだ、悠斗よ……。 





 


 あの後急いで仕度をして悠斗と並んで登校するボク。


「今日はエラく早いね……。」

「1限体育だからな!」


 頑張ったら起きれるんかい…………。体育ってだけで起きれるとか、ボクの1年生の時の甲斐甲斐しい努力は一体なんだったの…………。


「でもまぁ、流石に3時までネトゲやって寝たら起きれないからそのまま徹夜したわ!!」

「あぁ…………それでこんな朝からテンション高いんだね。」



 …………。起きれた訳じゃないんだね。体育ある日に徹夜とかどんだけバカなんだろう…………。 


 「テンション高いのは徹夜のせいじゃないぜ! なんとこの風守悠斗!」

 「な、なに…………?」

 「ネトゲで仲良くなった猫耳ヒーラーのメルアドゲットしましたっ!!」


あぁ…………あの、おっさんの? ふーん。良かったね、おめでとう。


 「ちょ!優希!! それ声に出てるから!! 今日優希なんか冷たくね!? てか姫花さんは、おっさんじゃないから! 女子大生だから…………!!」



 冷たくないよ…………。学校行くのが憂鬱なだけだよ……。あぁ…………体育嫌だなぁ……。

 


 「ボクっ娘で猫耳だぜ……!? おっさんな訳ないだろ!! てか猫耳ほんと良いよなぁ…………。 姫花さん……リアルでも猫耳似合うんだろうなぁ……。」


 「……………………。」


 一体どこで育て方間違えたのかなぁ……。



 悠斗が一方的に自前の猫耳論を語っている内に学校に着くボク達。教室に入ると、まだ誰も来てなかった。


 そうか!悠斗が無駄に早く迎えに来たおかげで、まだ皆が登校しない時間帯なんだ!!


 「悠斗ありがとう!! たまには役に立つじゃん!!」

 「…………ん? 俺の猫耳談義、そんなに気にいったか?」


 ああ……それはどうでもいいから、何も聞いて無かったよ。 



 うーん。今着替えるにしても悠斗はいるんだよなぁ…………。


 「あ、俺着替える前に、ションベンいってくるわ!」


 ナイス!何この空気読む悠斗…………怖いんだけど!

 

 急ぎ足で教室から出て行く悠斗。ボクもパパっと着替えちゃおう。ていうか、今更気付いたけど、体操服の上から制服着込んで学校来れば良かったね……。 



 なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだ…………。


 とりあえずズボンを脱いで短パンを履く。そしてワイシャツとTシャツを脱いで、体操服の上着を…………。


 「ガラッ…………」

 「…………」


 ……シバセン!? なんでこんな時間に……!? 



 しかもボクのサラシをじっと凝視してる……!! 何、なんなの!?


 そのまま暫くすると、シバセンはボクから目を逸らし、教卓の中にある出席簿を取り出す。それが目当てだったのか、出席簿を取るとそのまま出口まで歩いて行って…………


 「あー。 優希ぃー……。あんま気にしなくていいぞぉー。 お前達ぐらいの年頃の男は、どっか体に包帯巻きたくなるもんなんだよなー。」


 「い、いやこれは!! 違くて……!!」


 「んー? もしかして本当に怪我してるのかー?」


 「あ、いや……その…………しゅ、趣味で巻いて、ます…………。」


 恥ずかしい!! ほんとどっか穴があったら入りたいよぉ!!


 「…………そうかー。 先生誰にも言わないから安心しろぉー。」


 そう言って、後ろ手に出席簿をヒラヒラと振りながら立ち去っていくシバセン。


 し、死にたい…………。


 

 



 


 今日の体育はバスケだ。別のクラスと合同で、男子40人を8チームに分けて試合を行う。今はその試合の待ち時間。


 



 「お前なら、あの7番――どう抑える?」

 「たしかに7番のドリブルはキレる。だが、奴のレッグスルーには致命的な欠陥があるな…………。」

 「…………流石だな。なら――」

 「あぁ、俺なら盗める(スティール)ね。」



 

 …………。悠斗がクラスメイトの池上くんと小芝居をやってる。 厨2病ってのは悠斗のためにある言葉だと思うんだよね。 



 ……ああいうの見てるとさっきのシバセンとのやり取りが思い出されて辛いよ……。



 「――っぐ…………。」

 「ッどうした!! 風守ッ!!」

 「何でもない……ッ (この試合だけでいいッ!!持ってくれ……俺の脚ッ!!)」

 「クソッ……無理するな!!(俺に力があればッ……こいつに楽をさせてやれるのにッ!)」


 



 …………ボールが無いのでシャドウドリブルをしながら小芝居を続ける二人。言葉以外――表情とか仕草でも色々語ってる。無駄に本格的だ……。なんか心の声が漫画の吹き出しみたいなので視えるようだよ……。


 




 ………………暇だなぁ。


 ウチは偏差値の高い進学校であるためか、体育などの副教科にそこまで力を入れて無い。


 今日の体育もコート一つに8チームが当てられるから、5分試合をしたら15分他のチームの試合を観戦するはめになる……。5分動いて、15分ぼーっとしてたら体冷えちゃうよ。


 そんな事を考えながら、悠斗達の繰り広げられる茶番をぼーっと眺めていると、体育教師の郷田先生がこっちに歩いてくるのが視えた。 どうしたんだろ……? 


 

「おい! 白峯!! その眼鏡伊達だろう? 危ないから体育の時は外せえ!!」

「…………!?」


不味いよ……。郷田先生は一度言いだしたら、聞かない! 先生からしたら、目も悪くないボクが体育の授業におしゃれ感覚で眼鏡をつけて出てるように見えているのだろうっ……。


 客観的に見ても先生が正しいと言える状況だ……。



 「白峯!! 聞こえてるのか? 早く外せぇ!!」

 「いえ、……これはっ…………。」


 先生の高圧的な少し萎縮してしまう。異世界で胆力は付いたと思うんだけど、やっぱり人に圧力を掛けられるのはまた別の怖さがあるっ……。


 

 「っち…………自分で外せないなら、俺が外してやろうか……?」

 「ひ、ひぃ…………!!」


 中々眼鏡を外さないボクに苛立った先生の手が、此方に伸びてくるっ!! 

 眼鏡取られると流石に女の子ってバレちゃうよ……!どうしようっ! パニくって思わず目をつむってしまう。


 「先生あぶなぁぁーーい!!」

 「うがっ…………!!」


 ――――もう駄目だと思った瞬間。どこからか飛んできたバスケットボールが、凄い音を立てて郷田先生に当たる……!


 「すいません、先生っ!!」

 「風守ぃぃ!! お前えぇ!!」


 悠斗……!?


 

 「くそっ!! あれほどあのシュートは危険だから使うなって言われてたのに……。くそ、俺の力が足りないばかりに……先生に怪我を……っ!!」


 「何を言ってるんだぁ? 風守ぃ!! 大体お前はいつもいつも!!」


 

 悠斗、まださっきの小芝居続けてたんだ……。


 そう思いながら2人のやりとりをぼんやり眺めていると、悠斗が先生に見えないようにボクに手でしっしと合図を送っている事に気づく。


 


 悠斗…………助けてくれたんだ……。


 悠斗に手を合わせて軽くごめんのポーズを作ってから急いでその場から逃走する。


 

 なんだか胸が暖かくなる。悠斗は昔からこういう奴だ。おバカで鈍感で、厨2だけど、肝心な時はいつも格好良く助けてくれる。


 ボクのヒーローだ。



 ほんと、格好良いな……。ボクもさり気なくああいう事が出来る男になりたいよ……。



 その後は先生に絡まれることも無く無事授業が終わった。結局着替えは、体操服の上から制服を着る事にした。


 ちょっとごわっとして気持ち悪いけど、皆いる中で脱げないし仕方ないね……。


 着替え終わると、皆より1人遅れて悠斗が教室に入ってくるのが見える。



 


 「悠斗さっきはありがとう。 郷田先生に怒られちゃったよね?」

 「いいって!いいって! 上手い事丸め込んだから!」


 そう言ってはくれるけど、あの後悠斗は、授業が終わるまでずっと郷田先生に怒られていたのだ。申し訳ないよ……。


 「なんかお礼出来る事ない……?」

 「んー……?」


 遠慮せずに言ってよね! ボクに出来る事ならなんでもするよ。


 


 「じゃあさ!朝の猫耳談話の続き聞いてくれよ!! 放課後俺ん家でエンドレスで!!」



「………………」



あぁ…………それはやだよぉ。


上手く文章を纏められなくて辛い……。 小説の書き方で参考になる本やサイトを教えて頂けたら幸いです。

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