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僕の戦国記  作者: 三嶋 与夢
それぞれの世界
7/28

先生と戦国記

書いてみたらこんなことに、、、魔王はファンタジーに必要ですよね?

私も歪んでいるのだろう。


先に寝付いた秋山綾人を見ながらそんな事を考えた。

この子には酷い事をしたが後悔はない。寧ろそれに耐えて立ち上がった事が残念でならなかった。この世界に来てから情報を集め続けているが、まだ判断が着かない。


ゲームの世界か平行世界どちらなのだろうか?それともどちらとも違うのか、はたまた両方か?


最初の印象は『酷く歪んだ世界』戦国時代を真似て作られた様な世界だと感じていたわね。




秋山綾人に拾われてからはより情報が集まって行方不明者の内の5人を確認できた。・・・美濃平定からしばらくして彼等に会ったのだが非常に危険な状態だ。





田中優斗、、、彼は能力を複数持っている。『武人』、『統率』、『経験値100倍』、『ステータス変更』


これらを持ち現在は柴田勝家の下で他国や反抗的な豪族との小競り合い等で活躍し、上司の柴田勝家にも信頼されている事から縁者とも結婚している。


私は最初は彼の成長を嬉しく思った。自分を鍛えて能力を把握しようと研究もしていた。・・・秋山綾人には見習って欲しい物だ。ステータス変更の事も田中優斗からの情報で知ってはいたが、今日の実験は半分以上が秋山綾人に能力を理解させる為にした事だ。


「先生、俺は強くなりたいんです。此処に来たばかりの時は先輩達を見捨てたり、綾人から手柄首を貰ったりして情けなかった。・・・だから何時かは皆を助けられるくらいには強くなりたいんです!今はまだ勝家様には殴られてばかりなんですけどね。」


・・・彼は柴田勝家を尊敬している様だ。其れが酷く危険に感じてしまう。元の世界の歴史では秀吉に敗れ自害した柴田勝家、彼は知っている様だがこの世界ではそうなるかわからないと言っていた。


現実として受け入れたからこの様に考えているのだろう。





斎藤真人にも会いに行ったが彼の所には篠原麗と立花楓がいたのだか、、、とても微妙な関係だと感じた。

木下藤吉郎に信用されている部下で美濃の調略に鉄砲の三段撃ちで有名になった彼は『藤吉郎には過ぎた者』と言われている。


「俺達は自分達の力だけで此処まで来たんです。先生にはわかりますか俺達の苦労が?」


彼等なりに苦労はしている様だ。彼等の選択は正解なのだろう。・・・武士になる事が前提なら、だが。


後の天下人に早期に近づき共に天下を取ろうと考えたらしい。斎藤真人、、、彼はまるで赤山、田中を目の敵にしている様だ。彼等の所為でこの世界に来たのに責任を取らないのに腹を立てているのだろうか?田中優斗には裏切りがどうのと言っているが、彼は秋山綾人からはお金の他にも服や物を篠原、立花の両名に頼み盗ませていた。・・・まるで二人に勝ちたいかの様な言い方をする。


「・・・帰れないなら俺達は自分達の力だけで伸し上がって見せますよ。それだけの事が俺達には出来るんです。あいつ等みたいな紛い物の力なんかに頼らない!先生も秋山とは上手くいってないでしょう家に来ませんか?歓迎しますよ。」


この子は羨ましいのだろう、、、特別な力に憧れない人は少ないだろう。だが危険すぎる考えだと思う。彼等はこの世界を平行世界と捉えている。歴史の流れは一緒なのだからそうも思うが、それを変えたことに対しては『被害を減らした』くらいにしか考えていない。私はこの子には付いては行かないだろう。




 篠原麗は学校でも有名な人気者の女子だった。元から斎藤とは恋人だったがこの世界では協力者に近い関係のようだ。その理由が立花楓、、、絵に描いた優等生の彼女は祖父母の影響で戦国時代に詳しいらしい。・・・ドラマなどで得た知識らしいが、其れにより斎藤が頼りにしているのだろう。


「・・・あいつは私達がどんなに頑張っても何も言わなかったんです!当たり前のような態度で、、、」


篠原の方は拗ねている様に愚痴を私に言ってくる。・・・十代で結婚した友人の愚痴を聞いている様な感じがする。秋山綾人の欠点でも有るあの性格はどうにかならないかと私も思うが、彼女も大分子供の様だ。今までは尽くされるのが当然だったのだろう。


立花の方は斎藤と上手くいっているのか上機嫌だ。


「私の言う事を真剣に聞いてくれるんです。真人なら私の知識を使って天下だって取れる男ですよ。」


まるで恋人の惚気話をされた時は流石に、、、。篠原との関係が続いてもいるのに立花とも、、、ハーレムね斎藤君!


私から言わせて貰えば斎藤は木下藤吉郎に信用はされても信頼はされていない気がする。まるで自分の手の平の上で全てを支配した様な気になっている、、、危険すぎる。この辺は秋山綾人と同じかもしれない。歴史上の人物として見ているだけで、本人を見ていない。




 こんなにも危ない立場にいる4人に比べて今そこで寝ている秋山綾人は立場だけならまだどうにでもなる。本人に自覚は無いだろうが織田信長のお気に入りの部下だろう。でなければあんな事をして許される訳がない!自分の仕事を置いといて当時の緊張状態の同盟国、美濃に諜報活動に出掛け大した収穫も無かったのに許されているのが証拠だろう。


私の聞いた話では、この世界の織田信長も短気である。・・・よく殺されなかったものだ。


能力は『魅力』、『文官』、『経験値255倍』、『ステータス変更』、『回復力大』、、、、、そして『改造』


本人が能力を理解してないのが救いだろう。先程の会話では驚いた。 



「誤魔化す為にその辺の花をステータス変更しましたけど、上手くいってよかったと思いますよ。」


「・・・今、何て言ったの?花を作り替えたの?」


「ええ、その辺の花を磨り潰したら出て来る液体がシャンプーもどきになる様に変更したんですけど、、、何か不味かったですかね?」




田中優斗はそんな事出来ない。作り変えるなら『改造』とでも言おうか、そんな力を気付かずにいたのも驚きだ!最悪この子がこの世界に来てすぐに気付いたら『魔王秋山』の完成だったであろう。


この子を観察していて思うのは『歪んだ存在』であると言う事だ。我侭な子供に部下が付いていくものか、信長が気に入るものか、周りが気を使うものか!!!


この子の能力『魅力』の効果なのだろう。もし初陣で手柄を立てず誰かの下に付いたのなら田中優斗の様に学べたかもしれない。何でも出来るから誰も必要としない。・・・何も出来なければ苦しむ事もなかったろう。


何時爆発するかもわからない爆弾に皆が近づく、、、危険だった!その為に破壊しようとした。私には戦う力が無いから彼の心を、、、脆い精神を壊そうとして失敗した。


・・・『回復力大』の効果なのかはわからないがまた立ち上がるなんて、、、狂えば犠牲は私一人で済む様に皆を屋敷から遠ざけ、精神が壊れて使い物にならなければ皆が諦めるだろうと考えていた。


倒れた時はほっとした。生き残ったのだからこれからは彼の面倒を自分が見る積りだった。


・・・だが彼は目を覚ました。脆すぎる精神と人殺しを認めたくない為に現状から逃げ出し擦り切れかけた精神で耐えたのだろうか?狂う事も出来無いならこれからの彼には地獄しかない。


・・・狂う事も壊れる事も出来ないなら彼を使い目標を達成しよう、、、私は本当に歪んでいる様だ。こんなにも愛おしく感じる存在を与えてくれたこの世界を手に入れる。もし彼が起きなければ私は何時も通りの馬鹿な女で居られたのだろうが、、、残念だ本当に、、、


これからは邪魔するものは排除しなくてはいけない。最初は、、、がいいだろう。



・・・『歪んだ者同士』である彼と私はこの『酷く歪んだ世界』で生きていこう。

前にも書きましたが、元は先生が黒幕の設定で信長を操り5人が立ち向かう話だったからなのかこんな事に、、、キャラが勝手に動くってこんな感じなんですかね?まともな先生でいて欲しかったのに!

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