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僕の戦国記  作者: 三嶋 与夢
それぞれの世界
6/28

友人の嫁は美人です。・・・

先生との二人旅に出掛ける様ですが何も出来ない主人公!ビビリまくっています。


 あれからしばらくは仕事に明け暮れ優斗の結婚式が終われば堺に向かうことになっている。美濃平定が上手くいったが周りに攻め込む理由が無いからな、先生の話なら後の将軍、足利義昭が転がり込んでから本格的に上洛する筈との事だ。


「なんか思ったより普通だよね?」


「・・・奇抜なことでもして欲しいのかよ。其れよりも綾人も大分着物が似合ってきたじゃん。」


式の前に話しに来てみれば軽口を叩いているだけでお祝いを言っていない。考えてはみたが良い言葉なんか言えないから簡単に済まそうと来たのに、、、


「ああ、と、お、おめでとう。」


「・・・なんか気持ち悪いな。お返しのありがとう!」


正座をしてお祝いを言ったら優斗の奴でこピンしやがった!・・・いい度胸だ。


「優斗の失敗談を未来の奥さんに伝えてきてあげるよ。」


「理解できるとも思わないけどな!」


「小学校のトイレ、、、」


いきなり正座して頭を下げてきた。ほう、土下座か!


「調子に乗ってすいませんでした。」


「・・・お祝いだからここまでにしておくよ。それより奥さんてどんな人?勝家様の縁者としか聞いてないから知らないんだけど。」


「ん?・・・綺麗だよ。」


え?其れだけなのかよ!いや待てよ。この世界の結婚を知らないからそう思うのかな?これが普通の反応なら僕が何か言っても虚しく聞こえるな。


「其れだけしか言えんのか優斗!!!」


「か、勝家様!!!なんでこんなとこに来てんですか!確かに呼んでますけど客は違う部屋にお待ち頂かないと!」


・・・そうなのか?


「また適当に誤魔化しよって!そんなわけなかろうが!ん?・・・秋山か。」


「ご無沙汰しております勝家様。」


鬼のような迫力のある顔をした柴田勝家が現れた!


「お前も祝いに来てくれたのか!優斗よ良かったのう!」


声でかいな!でも意外といい人そうだが?この人が有名な鬼柴田なのかな。


「仕事以外ならいいオッサンなんだけどよ。訓練時なんか、、、」


「ほれ、いくぞ相手を待たせるでないわ!」


ごつい腕に引っ張られてそのまま会場に連れて行かれた。僕は末席に座ると式が始まった。




 感想は一言だな、、、長すぎだよ!朝から夜まで掛ける必要があるのか?先生に現代の結婚式との違いを聞いたらもの凄い笑顔で説明してくれたが、、、二度とこの話題は先生にしないと心に誓った!


優斗の奥さんは結構な美人だった。歳は16とか言っていたけど、今頃は、、、


羨ましいからすぐに布団に入る。・・・明日からは堺に向かわないとな。時間は限られているんだから急がないといけないな。



次の日の朝早くに出発したんだけど、、、先生が着いてきた!理由は堺に行きたいから、とそんなことを言っていたが嘘に決まっている!


「なんで着いてきたんですか?」


「そんなに警戒しないでよ。確かめたかっただけなんだから、この世界に外国は存在するのか?とか、秋山君の能力を調べたりとかね。」


先生を馬に乗せて僕が馬を引いて歩いていた。見上げる形になるが先生は布で髪を隠している。


まるで尼さんの様だな、中身は別物だけど!


しばらく歩くと馬を止めて先生が馬から降りて道から離れ林の中に入り手招きをしてきた。


「何か有りました?」


「・・・秋山君この馬をステータス変更してみて。」


え!何言ってんの?生き物だよ!


「武具に植物は変更できたのなら馬も出来るわよね?出来るだけいい馬にしてね。」


「・・・・・・はい。」


どうなっても知らないぞ!・・・名馬にすれば良いのか?体格をでかく???あれ、出来ない。ただ質を上げる事しか出来ない。


淡く光った馬は大きくなり身体の色は同じだが艶がよくなった気がする。


「・・・どう?其れともう一度変更してみて。」


馬に触れるが反応が無い。ステータス変更が出来ないみたいだ。


「・・・出来ません。」


「変更は一度きりみたいね、、、次はこの布をコピーしてくれる?出来るだけ多くよ。」


赤い布の切れ端を渡されてからしばらく実験は続いた。




わかったのは僕には最大所持数が99で無くならないかぎりコピー出来ない事と、一度変更したら二度と変更出来ない事、質を上げる事にも限界が有るようだ。


「・・・どうやって物を区別しているのかはわからないわね。色違いなら違うと判断したようだけど、、、其れにしても何にも調べてない秋山君にも驚きよね。」


赤や黄色の布を見比べながら先生にダメ出しをされる。・・・限界が有るなんて考えなかった。


「破損に紛失、、、譲渡したら減ったとカウントされない様だけど凄い能力よね!・・・ただし限界がわからないわ。数と質、、、武具には能力を上昇まで出来るのに他は無理なんて不思議よね。」


「今までは必要なかったですから。」


「違うでしょう。『見せたくなかった』からでしょう。これまでの事は良いけどこれからは使って貰うからね。」


布を処分すると大きくなった馬に二人で跨りまた道に戻って先を急いだ。先生はしきりに


「帰ったら馬車を作るわよ。」


相当堪えたらしい。少しだが気が張れた。




その日は予定通り宿場町で宿を取れた為に先生と話していた。


薄暗い部屋で先生と二人っきりでこれから過ごすと思うと恐怖しか感じない。


「・・・お湯で拭くだけなんて、、、お風呂に入りたいわね。まあシャンプーが有るのは流石に驚いたけどね。原料の花を見付けたのは秋山君の最大の功績だと思うわよ。」


シャンプーか懐かしいな。水から作ったのを誤魔化す為に花をステータス変更したんだよな。


「誤魔化す為にその辺の花をステータス変更しましたけど、上手くいってよかったと思いますよ。」


「・・・今、何て言ったの?花を作り替えたの?」


「ええ、その辺の花を磨り潰したら出て来る液体がシャンプーもどきになる様に変更したんですけど、、、何か不味かったですかね?」


先生が俯いて真剣に考え出したから不味い事なのかと考えたが、、、


「・・・そう、凄い能力ね。」


その後は明日も早いからと眠る事にした。




次の日からは宿場町から堺方面に向かう商人の一団と行動しようと先生に提案されたので其れにしたがった。


「堺ですか!あそこは凄いですよ。異国からの船が来るもんで見た事もない物で溢れていますよ!」


「えー、本当ですか!異国ってなんて名前なんです?、、、」



・・・先生が商人の偉い人と話をしている。素顔を知る身としてはあの変わり様には尊敬すら覚えてしまう。馬に跨り周辺を警戒しながら進んでいるが、この辺の魔物は小物ばかりだから風の魔法で切り刻んで終了だ。


「ほう、中々の使い手ですな!何処かに仕官されておいでですか?」


「織田家に、、、」


「なんと!あの織田家ですか。今や二国を治めた大名家ですか、、、流石に一流の腕をお持ちの訳だ。拙者も実は、、、」


僕の方は護衛の浪人が絡んできて仕方がない。・・・彼等は見たかぎり腕は悪くないのに何故仕官をし無いのだろうか?僕に対して武勇伝を語られても反応に困る!


宿場町に着くと商人の一団と別れて宿を取った。先生が商人と交換したらしい荷物を広げて考えていた。


「何を見ているんですか?また布ですか。」


「・・・確かにね。着物にする為に染められた布よ綺麗でしょう。秋山君この布を質を上げて、それからこれを金に換えてみてくれる。」


・・・小石か?こんな物を金に換えて何をするんだ。堺で買いたい物でも有るのか。


「・・・出来ましたよ。この金はどうするんです?」


先生が小石から金に換えた物を真剣に眺めて考えている。貴金属に執着してる訳では無さそうなんだけど、、、


「ありがとう。これは堺で使うつもりよ。南蛮や明の品物を買うのに必要だしね。」


まあそうだよな。僕も何か買おうかな?・・・荷物にならない物がいいんだけど。



次の日からは急いで堺に向かったお陰で予定よりも早く着いた。


人で賑わう堺に入ると港の賑わいは凄かった。何でも揃うのではないかと思える程の商品が並んでいる。



「想像以上ですね!あっ、南蛮船ですよ先生!・・・でかいですよね、、、」


「・・・50mを超えている?それ以上の物まで、、、構造まで、、、」


なんか一人で考え出したな。しかし大きい!こんな船が並んでいると壮観だよな、、、


「秋山君、商家に行ってみましょう。他にも詳しい人を探して案内に、、、通訳が欲しいわね。」


もう少し見ていたいが仕事もしないとな。・・・信長様には堺で南蛮の新式の武器の購入って理由で許可を貰ってあるんだけど、良く許可を出してくれたよな?仕事のほうは一豊さんに任せているから問題は無いんだけど、、、もしかして頼りにされてないのか。




 何件か店を見てみたけど、、、やはり先生は考えてばかりのようだ。本来は僕の役目なんだろうが先生に頼りきりなのは情けない気がする。


新式の火縄銃を見せて貰い試射を見ている時だ。


「すいません。そちらのご婦人の名を聞きたいのですが?」


四人組の集団に声を掛けられた。一人は日本人の通訳か?残りは金髪碧眼の南蛮人の様だが、一人の若い男が先生に何かを伝えたいのか通訳に必死にジェスチャーを交えて何かを言っている。通訳の人がおもいっきり引いているんだが、


「この方がその頭の布を取って欲しいそうです。彼はあなたにその、、、」


先生が聞き終わる前に布を頭から外して金髪の長い髪をさらすと三人の男達が歓声を上げた。なんなんだよこいつら!先生が通訳に名前を伝えて、若い男と通訳をはさみなんだか、、、プロポーズをしているね。


「彼はあなたが欲しいそうです。その為なら何でもすると、言っていますね。」


「そうですか、でも私は既に心に決めた人が居るので断っていただけますか。」


通訳が伝えると男達がこちらを睨んできた!いや、いっそ連れて行って欲しいくらいなんだけど!・・・若い男が通訳に僕を指差して何かを言っている。


「・・・勝負をしろと言っています。・・・すいません。」


「謝られても困ります。こちらには勝負をする理由がありませんから。」


辞めてくれよ本当に!何かの問題になったら責任なんて取れないぞ!


「ちょっといいかしら。通訳さんそれなら、、、」


流石先生!なにか解決策が有るのか四人で話し合いを始めた。なんだか男達も笑顔になってきているから悪い話しでは無い筈だ。先生が話し終わったのかこちらに来て笑顔で、


「南蛮の新式銃で勝負する事になったわ、明日の朝に港に準備が出来ている筈だから今日はこのまま他の物を見ていきましょう。」


・・・勝負するの!!!

次回は川上先生の視点から5人を見た話にしたいと考えています。

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