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僕の戦国記  作者: 三嶋 与夢
蛇足
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おまけとか好きなんです。

蛇足ですね。


 志乃の記憶


 今私は横に眠る眼帯をした東北を治める者の横で裸体を晒している。こんな光景を見たら亡き父上と二人の母様はなんと言うだろうか?父上はこの横で眠る者を斬り殺すかもしれない。母様は文句を言いつつも祝福してくれるかな?お母様は・・・散々利用してやれと言いそうだ。


其れを思うと笑ってしまう。・・・懐かしい楽しい時の記憶が今の私の宝の一つだ。横で眠るの男の側室だろうが耐えていられるのはこの記憶のお陰だ。あれから20年・・・歳を取るのが遅い私はクオ母様の血を力を確かに引き継いだのだろう。お母様の姿に父上の力をこの身に宿した私にとって三人は誇りだ。


「志乃様、如何なさいました?」


「・・・何でもないわ。懐かしい記憶を楽しんでいたの。其れよりも上杉は動いたのかしら?」


傍に控えていたクノイチは心配そうに私に尋ねてきた。先程の横で眠る男との行為が許せないのだろう。私と明はこの者達にとってクオ母様亡き後の最後の希望だから少し過保護が過ぎる。


「は、直江という男が動いているようです。・・・計画道理かと。」


「そう・・・遂にここまで来たのね。父上と母様をこの私から奪った逆賊に・・・これで少しは目的が達成できるわね。」


「明様も此度の決戦には出るようです。・・・お止め出来ませんか?」


「んー、無理かしらね。あの子は父上の事を聞いて育ったから・・・まあ、配置は考えておくから警備は厳重にね。」


「・・・はい。」


まだ納得のいかないクノイチを下がらせて私も横になる。・・・また懐かしいあの頃に戻れるなら私は・・・父上、



 優斗の覚悟


 勝家様が亡くなると政権運営に亀裂が生まれた。歴史道理なのか徳川家康が動いている。・・・歴史と違うのは独眼竜がここまで大きな勢力になったことだろう。西田の勢力を吸収し東北で頭角を現した奴を抑える事が出来なかったのが悔やまれる。


上杉も挑発する様な行動を犯さないとも限らない。・・・勝家様の男子がまだ幼いのも原因の一つだろう。まだ15歳、成人はしていても認める者が少ない。この俺が何とかしないといかんが・・・もう年だから無理も効くかどうか。


息子や娘の嫁ぎ先からも催促が来ている。早く決断せよ、か。


俺に天下を取れと言うのか?確かに今の地位なら容易い。殿を押さえ付ければ俺が実権も握れるだろうが其れだけはする気が起きん。


「なあ綾人、こんな俺にお前はなんて言うのかな?」


青く澄み切った空に問いかける俺に答えは返ってこない。あの時なくした右目跡を触ると不意にあの時の娘の記憶が思い出される。先生と同じ金髪の綾人の子供・・・生きていれば今頃は30歳前後か、俺も歳を取ったもんだ。


篠原先輩の子供は此方が確保したし徳姫様の子供は今の殿と婚姻が既に済んでいる。秋山家の財を搾り取る為に色々として来たが仕方ない事だ。そうしなければ天下を取れなかった。・・・圭吾とか言った若武者はその母譲りの栗色の髪が自慢の荒々しい若武者だ。・・・少しは俺の息子達も見習って欲しい物だが、もしも此度の事で天下が荒れれば必ず此方と敵対するだろう。


大した地位に就いていないがその姉の嫁ぎ先が東北の独眼竜の重臣とくれば迷いはしないだろう。ここまで不味い状況を作るとは我ながら情け無い。・・・圭吾には状況しだいで消えて貰うか。


本当なら面倒は見る積りだったが・・・すまないな綾人、




 クオの異世界日記


 あの日から既に二週間・・・宿主は不自然が無いようにこの世界で生活しているが思う様にいっていない。昔と態度が違うのか周りが五月蝿い様だ。


「川上先生!最近のあなたの態度はなんですか!」


「・・・申し訳ありません。」


丁寧に頭を下げる宿主の何処か落ち着いた雰囲気が気に入らないのか、先輩?の女に酷く叱責を受けている。・・・似合わんな。


この世界での宿主の地位は低い。最近は志乃や明以外の事も考える様になれたから気付いたが何かを懸命に探している気がする。・・・まあ、綾人の事だと最初は考えたがどうも違うようだ。


授業?と言う仕事を終えると何やら調べる様に小娘達に声を掛けて回るが・・・嫌われたものだな宿主よ。目上に対する態度のなっとらん小娘から情報を聞くと、なんとその小娘はあの時・・・名前が出て来んが元の世界に居た者らしく記憶が曖昧だが宿主の事を覚えていたのだろう。


・・・罵声を浴びせてきた。


この小娘には宿主も手加減無しに我を使い恐怖を叩き込んだが我の力を晒してよいのかと聞いてみれば・・・


「こんな力誰も信じないわよ。寧ろそんな話を言い触らすなら此方から色々と手を出せるから面白いのだけど・・・」


宿主が自信に満ち溢れている所為か其れを良くは思わない連中ばかりでもなく・・・付き纏う者も出て来る訳だが、この宿主は見向きもしない。人間の価値観は持ち合わせては居ないが綾人よりも優れたオスが居そうな物だがな。





 ここしばらくでわかった事は帰って来る者は時間がばらばらと言う事くらいか?斉藤の小僧は我等より後に戻って来て、麗とか言った小娘も最近帰って来た。その時に聞いた話ではやたらと二人が喧嘩をして別れたとかどうでも良い話だった。


・・・宿主と話す事も志乃と明の事ばかりだがこればかりはどうにもならん。もう帰れずに会う事も無い我が子の無事を祈る事しか出来ん。


ちらほらと戻って来る者の中に綾人は居ないのが宿主の悩みらしいが・・・戻って来たらどうするのだろうか?


聞いた話では綾人は学生と言う身分、社会的にも認められていないとか・・・あれに身分が無いのは価値が無い様にも感じられるのだがな。



そうして過ごす内に夕暮れの放課後で何か騒ぎが有った様だ。斉藤の小僧が騒いでいたらしく宿主が駆けつけると・・・


「あいつは居ちゃいけないんだ!」


「落ち着いてよ真人。」


数人が居る廊下で慌てている二人に宿主が何かを感じ取り近付いて小僧の肩を掴むと我の力も使ったのか小僧の肩が嫌な軋む音を立てた。


「・・・誰を見たの?」


「い、痛いですよせんせ、「早く言いなさい!」あ、秋山とか言った一年ですけど・・・」


その言葉を聞くと宿主は何事も無かったかの様に微笑んで皆に帰る様に指示を出し仕事に戻る。


手早く片付けると其れを待っていた複数のオスからの誘いを微笑んで断り・・・一人が強情にも引き止め様と腕を掴む。


「まあまあ、川上先生これも付き合いですから。」


「・・・桐原先生、その手を離して頂けませんか?其れとも井上さんにでも捨てられました?」


「な、何を言っているんですか川上先生!幾らなんでもそんな冗談を、」


「急いでいますから、其れから上手く誤魔化している先生方も気を付けた方がよろしいですよ。」


なにやら匂わせる発言をしてその場を去るが・・・この為に我に色々と探らせたのではないだろうな?




 車という馬要らずの乗り物に乗ると急いで綾人の住まいに向かうが・・・随分と小さいな?この家では碌に志乃と明と戯れる事が出来そうに無い。そんな出来もしない事を考えている内に綾人が出掛けたと聞いて再び車に乗り込む。


・・・しばらく無言でこの辺りを探すと弱くなった我の感覚に懐かしい感じが捕らえられた。二週間で懐かしいと感じるとは我もあれが嫌いではない様だ。その話を宿主に話すと今日はきつねうどんに決定!・・・何と良き日か!こんな良き日を子供等と過ごせないのに不満が残るがな。


夜になり暗い広場?に鉄のおもちゃが転がる場所で綾人は光る柱の下で椅子に座り上を向いておった。何と暢気な奴だろうか!我等がどんな思いをしたかじっくりと話そうではないか。






「随分とゆっくりして戻って来たのね。・・・お帰りなさい。」

『待ちくたびれたぞ。』




横に座る我等に気付いているのにゆっくりと顔を此方に向けしばらく我等を見て急に顔が穏やかにそして笑顔になる綾人に宿主は心から喜んでいる様だ。・・・ただ表情には出していないがな。


「ただいま。」

終了です!!!


予定よりも早く書けたので二話投稿しました!


僕の戦国記は如何だったでしょうか?


この話の主人公は力を使いこなせないチート野郎を目指し皆を遠ざけて一人で自滅する。そんな感じで書いていこうとしたら


『この主人公途中で暗殺されてすぐに消えそう。』


そう考えて魔王役の先生を味方に暴れまわる話になりました。先生も完璧じゃないですし、綾人の友人である優斗の行動を見逃すと考えて黒幕は優斗に!


書いてる時もキャラには大分悩みました。立花先輩とか井上さんとかあんまり活躍してないなー、とか考えていたり、何で篠原先輩をクォーターの設定にしたのか忘れていたりと抜けてる作者です。


篠原先輩は堺で活躍するとか考えていたんですよ。ポルトガル語を話せた!とか考えて貿易で活躍する筈だったのに。


途中までは立花先輩は綾人を見捨てずに最後まで先生から救おうとする中で先生に消される役を考えていたんですが、先生がただ利用するだけだと本当に主人公可哀想だなー、なら其処に先生なりの愛が有る設定を・・・そうしたら居なくてもいいキャラになっていました。


最後はグダグダでしたけど書き上げられた事を嬉しく思います。


感想を何度も頂いた方には大変感謝しています。そのお陰もあり完結できた様な物です。



本当に蛇足ですが帰って来た主人公やその他の人物がまともに生きて行けるとも考えていません。経験を積んだ彼等はゲームの世界とは言え殺しを経験し酷い行いもしていますから現代日本には合わないでしょうね。


帰って来なかった優斗も何やら負けそうなフラグが立っていますし、人に頭を下げられて生活していた人間がいきなりまた下っ端からのスタートに耐えられるのか?



多分ここまでを話として纏めるのが一番ハッピーエンドだと考えました。その後なんて考えたら碌な未来が想像出来ませんしね。


作者の考え付いた正しい行動はさっさと武士を辞めて農民にでもなれば皆がそれなりに現代知識やチートで幸せ!・・・こんな所ですかね。


無理に武家社会で生きて行かなくても商人の道も有ったのに・・・職人でも良かったかもしれません。


最初から間違った選択をした5人の物語りを書きたかったのでこうなりましたけど楽しんで頂けたら幸いです。



長々と後書きを書きましたが作者が感じたのは


小説って難しい!!!


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