人間だもの油断するよ!
更新が出来ていないのに他の小説も書いている、、、書く前は不満に思っていた事をするこの矛盾!
最早最大勢力となった秋山家に里見家は篭城を決め込んだがこれを囲んでじわりじわりと攻める事にして西田の増援を叩きながら過ごしていたら里見家の内輪揉めで勝手に崩れてくれた。こうなると敵は上杉と西田だけだが降伏の使者を送ると柴田家からの提案があり送る事になった。
里見家との戦で大分時間をかけてしまいその内に麗の第二子が産まれてしまう。・・・こんなのばっかりだよ。
「それにしても柴田殿も相変わらずお元気そうだな。」
里見攻めの時も自ら馬に乗り駆け回ったらしい。もうそんな事をしなくても良い立場だろうに、、、近くに居た一豊に話しかけると苦笑いをしながら
「鬼柴田は健在の様ですな。しかしこれで残すは東北と北陸になりましたな、、、早いものです。」
懐かしむような一豊も今では重臣の一人だ。髭を蓄えて頼もしい感じがしてきているが千代さんには頭が上がらないらしい。
「・・・上杉は必ず滅ぼす。最近また使者が来ているな?」
「はっ、何でも和睦をしたいとか、、、誤解だと言っておりましたがよろしいのですか?」
腹立たしい使者の顔を思い出すと頭に血が上ってくる!
「もう遅い!今更使者など寄越してどうにかなると想っているのか。」
「ですが西田が降伏しないのなら最悪両家との戦になります。」
・・・確かに不味いな。此方も大分消耗しているからな、、、だが其れでも、、、
「其れよりも一時戻る。・・・関東の事は一豊に任せるが、、、残党には注意しろ。」
「は、、、はっ!!!」
頭を下げる一豊と別れて戻る準備を急いでいると忍者の近づく気配がして振り返る。
「何のようだ?」
「・・・奥方が此方に向かわれております。其れと言伝が、、、『いい加減にしろヘタレ!』とクオ様が、、、」
・・・なんでヘタレ扱いを受けねばならないんだ!この間の武田の側室の話を断って産まれたばかりの麗の子との婚姻の話に切り替えた事か?今更側室なんて、、、選びたい放題なんだからわざわざどこぞの姫様を迎えなくても、、、
「アリス様からの言伝は『抱いたら帰って来ても良い』と、、、我々が見張りますので逃げる事は不可能です。」
「・・・お前等絶対に俺の事嫌いだろう?」
「とんでもない!・・・甲賀者よりは好感が持てます。」
「なんで其処と比べるんだよ!其れだと思いっきり嫌いに分類できるだろうが!」
「・・・ではこれにて、、、」
シュッ!
消えやがった。其れにして抱けだと?無理だとあれほど言っているのに何でそんなに押し付けるんだ!普通は逆だろう?・・・嫌われているとか、、、止めだ止めだ!そんな事考えても仕方ない。この状況をどうにかして切り抜けなくては、、、
逃げたらいいのか?・・・無理そうだな。でも移動の準備が始まっているのに今来てもらっても困るんだ。麗の子にも早く名前を付けないと、、、男の子だから強そうな名前が、、、はっ!
「殿!先程奥方の手紙が届き今此方に向かっていると、、、何をしているのですか?」
入ってきた家臣が呆れている中で俺は部屋中に名前を書いた紙を貼り付けている所だった。・・・じろじろ見てんじゃねーよ!
「その件は聞いているが、、、もうここを出るから急いで知らせて、、、」
「ご安心下さい。既に迎える準備は整っております!予定も調整しているのでお気になさらずに。」
・・・無駄に気を使いやがって!!!
そして数日後には嫁さんが来たわけだが何にもする気になれない。確かにここのところしてないけどさ、、、嫁さんは中々の美人だよ。でも、、、
「何しに来た?」
「・・・夫の所に来てはいけませんか?」
「すぐに戻る積りだったんだがな、、、それに手回しのいい事だな。」
俯く嫁さんは何かを堪えている様だけど別にいいじゃん!政略結婚なんだから仲良くしなくても!其れにもう利用価値も無いんだから無理して俺の傍に居なくても良いんだ。出て行きたいなら出て行けばいい。もう自由なんだから、、、
「私が嫌いですか?」
「嫌いじゃないが、、、前にも話したろう?妹に似ていて抱けないんだよ。」
「・・・もういい。」
「は?」
「このヘタレが!!!何時までも妹にビビリやがって情け無い!大体小娘一人抱けない小物野郎が天下なんか目指してんじゃねーよ!!!」
「え!何!何なの!!!」
いきなり豹変した嫁さんは美人の為かとても迫力がある!元々きつめな美人だったしな、、、其れより本当に何なんだよ?
「ほら脱げ!」
「ちょ!!!止めろ!何してんだよ!」
なんで俺が十代の小娘に脱がされそうになってんだよ!・・・なんか想像したら酷い光景だな泣きたくなって、、、こら!服を離せ!!!
「何時までもそんな事でどうするんだよ!いっそ妹なんか抱いてしまうくらいの気持ちを持てよ!」
「馬鹿かお前!何でそんな気持ちを持たねばならんのだ!冗談は其処までに、、、なっ!」
気付けばクノイチが数名近寄ってきて縛られてしまった。・・・ここまでするのかよ!!!
「英雄色を好むんだよ!中身は兎も角、、、覚悟決めろや!!!」
「ちょっ!無理だから、、、あ!止めて!!!あああああ!!!!!」
酷い、、、なんだか消えない傷を心に付けられた気分だ。帰る途中で嫁さんはニコニコと周りに愛想を振りまいていたが俺は騙されないぞ!なんでこんな事をされねばならんのだ、、、これでも最大勢力の当主だぞ?朝廷にも顔効くんだよ?其れなのに十代の小娘に、、、情け無い。
城に帰り着く頃にはまた何時もの不機嫌な嫁さんだったがそんな事よりも新しい家族の事に気持ちを切り替えて会いに行くと、、、スヤスヤと寝ていた。ああ、心が洗われる気分だ!もうあの日の事は過去に追いやって気持ちを新たに過ごそう!
・・・そう思っていた時期も有りました。しばらくしたら忍者共が俺がどれだけヘタレだったかと喋っていた。そうすると当然アリスやクオの耳に入る訳で、、、
「もう相変わらずのヘタレっぷりね!」
『そのヘタレっぷりを明が受け継いでいない事を祈るばかりだな。』
「そんなに心の傷を抉りたいのか?また夜にでも泣かしてやろうか!」
『ふん!いきがりおって、、、だが其れは叶わんぞ。』
「徳姫ちゃんがしばらく相手をするからお願いね。」
「・・・え。」
笑顔のアリスはそう言うと指を鳴らし忍者(笑)を呼び出して俺を嫁さんの所に連れて行こうとする。貴様等俺を売る気だな!まるで売られる子牛の様な感じで連れて行かれる俺を笑顔で見送るアリスとクオ、、、ハーレムなんか要らない!と心に決めたがもう遅い。
次の日の朝はなんだか搾り取られてげっそりとしている俺に家臣が栄養の有りそうな物を朝食にこれでもかと出してきた。
「・・・なんで朝からこんなに胃に悪そうなものを、、、」
「奥方の指示です。」
俺の味方はいないのか!そんな時に志乃が俺の所に来て箸でおかずを掴んで俺の口に持ってきた。・・・行儀は悪いがなんだろう今なら昔の優斗の気持ちがわかる。なんて可愛いんだ!
「・・・志乃、アーンって言って食べさせるのよ。そうすれば少しは元気になるから。」
『次は我にも、、、』
どうやら後ろには策士が控えていたらしい。だが悔しいかな其れでも嬉しい自分が居る事に気付く。もう天下なんかどうでもいいからこうしてのんびり出来たら、、、無理だろうな。
・・・今更止まるには殺しすぎた。せめてこの子等だけには無事でいて欲しいが、、、その為に天下を取るのも可笑しな話だ。望まなければ平穏な未来も有ったのだろうにあの時の俺はどうして進む事しか考えなかったのだろう。
この後悔に押し潰される小さな人間の俺に治められる天下って、、、複雑だよな色々とさ。
降伏の使者は帰って来ると上手くいかなっかたと報告してくる。気まずそうにしているが元々無理な条件も出していたしな。生きて帰れたならそれだけでも手柄だ。そうして西田との交渉は上手くいく筈も無く討伐の為にまた東北に行く事になった。準備をするのにも時間が掛かるのだがその時に上杉の使者が来た。
「上杉謙信が倒れたか、、、それで?」
「何卒和睦を!和睦をして頂きたく!」
頭を床に着け頼んでくる使者には悪いがそのつもりは無い。其方からの挑戦だ、、、悪いと思うのなら当主を変えるなりすれば良いのに其れもしない。
「残念だが上杉家の討伐の許可も降りている。・・・今更和睦などする積りも無い。」
「従属する事も考えております、、、」
「本当に今更だな。従属などぬるいんだよ!お前等が先に手を切って来たんだろうが!戦の準備でもするのだな。」
青い顔の使者が其れでも頼み込んでくる。
「お願いいたします!それに秋山様を愚弄した者は殺されており確かめられなかったのですが当時の我等には使者の言ったような事は考えてもおりません。何ゆえその様な事を言ったのかわからないのです。」
お前がわからない。大体使者が自分の意見を優先するものか、、、大体そんな奴を使者にした責任は有るだろうが!
「もう良い。すぐにでも帰って伝えろ。・・・身内の争いでそれ所ではないかもしれんがな。」
「・・・」
既に情報は伝わっている。後継者問題で揉めだして小競り合いにまで発展していると、、、纏まっていたら厄介だったろうがそんな連中に負ける事も無いだろう。油断もしない、、、最強と言われた上杉の兵たちだ全力で滅ぼしてやる!
使者を追い返して自室に戻ると其処に嫁さんが居た。・・・何の罰ゲームだよ!
段々と暗い話になります。其れでもハッピーエンドにしてみたい!




